ばんげりんぐ
「クオ、中断しちゃったね、続きを」
「はい。港湾施設は、船舶を停泊させる岸壁、貨物の積み下ろしを行うガントリー、貨物の保管を行う港湾倉庫、人の出入りを管理する税関、船舶の補修から造船までをこなすドック、それらすべてを管理する港務局で構成されています。このうち港務局の機能は、人員が全くおりませんので当面この執務室で代行することになるでしょう」
「人手不足、て事だと税関やドックも機能しなさそうね」
「はい。こればかりは電力があっても万全とは。ですが、ドックに関しては船舶の出入り自体はできますし、エネルギーパックの自動生産が稼働可能です。現状で汎用小型のものが日産2000、中型動力用が日産200、船舶用が日産2のペースで生産できます。ただし、島内の保有資源があまり無いのでそのペースで4日作ると操業不能になります」
「では3日動かして。その先は資源が確保できてからとしよう」
仮想キーボードを操作してドックのパラメータを設定する。
「港湾倉庫は当然空よね」
「そうでもありません。この8日間の余剰生産食料をそのまま保管していますので、倉庫使用率は40%ほどになっています」
「…それって、実はめちゃめちゃ多くない?」
「はい。一日6000食分余りますから」
「…当面農業プラントは休止で」
「はい。再開指示があるまで休止とします」
稼働率は1%に満たないとはいえ元の数字が280万人分供給してなお余剰があるのだからちょっと動かしただけで大量に余る、という事らしい。
「ふう、それにしても人手は必要だね。全部一人で何とかしようとしたら、そのうちログインしてる間ずっとデスクワークしてなきゃならなくなりそう」
ぽーん
「クエスト、職員配置、岸壁作業員が発生しました。基準達成ポイント2.成功報酬、船舶離着岸の自動化」
「クエスト、職員配置、ガントリー作業員が発生しました。基準達成ポイント2。成功報酬、貨物作業の自動化」
「クエスト、職員配置、港湾倉庫職員が発生しました。基準達成ポイント2。成功報酬、在庫管理の自動化」
「クエスト、職員配置、税関職員が発生しました。基準達成ポイント2。成功報酬、入出島名簿自動作成、貨物検査自動処理、防疫自動処理、関税自動処理」
「クエスト、職員配置、ドック作業員が発生しました。基準達成ポイント2。成功報酬、船舶修理、補給の自動化」
「クエスト、職員配置、港務局職員が発生しました。基準達成ポイント2。成功報酬、港湾業務半自動化」
「クエスト、住宅建設が発生しました。基準達成ポイント、1世帯分につき1.成功報酬、ゲーム内時間月額50000cr」
「…なんかいっぱいでた。もしかして、職員の必要を認識するのがトリガーなのかな?」
ゲーム自体思考操作の一種だからその程度の表層思考はモニターされていて不思議はない。
「最後の住宅は報酬がゲーム内通貨なんだ」
「内訳は借地料と住民税、という事でしょう」
「金額は固定?」
「今のところは」
「建築技能なんかとってないよ」
「おひとりでなさる必要はないかと。姫様は万能になられる資質は備えておいでと思いますが、今すぐ万能にはなれませんし、その必要もございません。必要なのは適所に適材を配ることかと」
「…それがオーナーの仕事、か」
「はい」
「よしわかった!でも自分でも手は出すよ?指図して見てるだけなんてつまんないからね?」
「それがよろしいかと。ともあれ、計画だけは立てておかれるのをお勧めします」
「どうせ一度に全部はかかれないしね。クオも手伝うこと!」
「なんなりと」
「ん、頼もしいね」
「夜伽機能が実装されていないのが悔やまれます」
「悔やむなばか」




