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夢見の形  作者: あおみどり
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夢見の世界

「へぇー、夢叶くんって言うんだ。」

「ねぇ、君なんて名前なの?」

「私は...藤崎叶夢って言うの。」

「とてもいい名前だね。」

「あ、ありがとう。」


彼女は普段あまり人と話さないのか、あまり目を合わせて来ない。

(まあ、そんなこと言ったら自分もなんだけど。)


「そういえばここってどこだか分かる?」


すごく気になっていた事を聞いてみる。

この世界は見たことあるような景色だけど、スケールがまるで違う。

まるで夢見る少年少女が絵に描いたような世界だからだ。


「分かるよ。ここは夢見の世界。」


「夢見の世界?」


「もうすぐ死んでしまう人が紛れ込んでくるの。

でも多分この世界は私が作ったんだと思う。

自分の居場所、安心できる場所が欲しくて。」


彼女は優しい顔をしていた。だけどそれ以上に悲しげな顔をしている。自分自身では隠せてるんだと思う。

だけど、それは誰が見ても分かる。

どうしてそんな悲しそうな顔をしてるのだろうとその時の僕はそう思った。


この世界は常に暗いことが分かった。

他に、とにかく自由なところだと思った。

僕は彼女に案内されて、色んなところを回った。


「あそこは遊園地? ライトアップされてるのがとても綺麗だ。」


「行ってみよう」

彼女はそういうと僕の手を取って、走った。


中はとても広くて現実なら歩き疲れるくらいだ。

遊園地の真ん中にはとても大きな観覧車がある。


「乗ってみる?」

彼女は僕に提案した。

「大丈夫、遠慮しとく。」

「せっかく来たんだし乗ってみなよ。上からの景色は最高だよ。ほらほら早く〜」


彼女の言う通りすごく綺麗だった。

高所恐怖症の僕だけど、怖いよりも綺麗と思えた。


「夢叶くんはどういった経緯で、夢見の世界に来たの?」

「交通事故で」

「事故に遭ったのは覚えてるんだけど...

 そのあとの事覚えてなくて、、。」

「そうなんだね。」

「もうこれでいいんだ。

 消えたいって思っていたんだ。

 今まで甘えていたんだ。今ならすごく分かるよ。

 でも母さんに1人で育ててもらって俺先死んだら泣くよな。母さん絶対俺の前じゃ泣かない人だから。

せめて死ぬなら親孝行してからだったなー。」


その話を聞いた彼女が。


「大丈夫。君は死んだなんかいないよ。」


彼女はそう一言言い放った。

なぜだろう。今まで特に生きたい理由とかなかったから

後悔は無かったけど、母さんには悲しい思いをしてほしく無い。そんな事を思っていたら自然と涙が出ていた。


「君は死んで無い。だからお母さんに会って親孝行しなよ。あとちゃんと生きる事。わかった?」


僕は自分の顔を隠すかのように首を下げた。

観覧車が一周回る時には、もう涙は止まっていた。


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