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魔王を殺した王子、私を救った恋人  作者: 凪塩 未来


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シーズン2 外伝第5話 :永遠の誓い

シーズン2の外伝シリーズ最終話となる第5話「永遠の誓い」をお届けします!

王国の復興とすべての戦いを終え、一人の女性として、そして誇り高き女王として新しい未来へ歩み出すミリー。ロイの思い出を胸に刻み、彼と共に生きる決意を新たにする感動のフィナーレです。


それでは、外伝第5話のスタートです。

アストレア王国の中心にそびえ立つ大聖堂の巨大なステンドグラスから、黄金色の夕陽が燦々と降り注いでいた。

半年前まで戦火の傷跡に震えていたこの場所は、今や美しい彩色ガラスを通して柔らかな光に満たされ、王国全体が完全な平穏と新しい時代の息吹に包まれていた。


大聖堂の中央祭壇の前。

そこに佇む一人の少女――アストレア王国の女王、ミリーの姿があった。


純白のフォーマルなドレスに身を包み、その頭上にはアストレアの王冠が気高く輝いている。しかし、即位した当時に彼女がまとっていた、どこか張り詰めたような緊張感や孤独の色はもうない。その瞳には、未来への希望と、揺るぎない覚悟をたたえた穏やかな光だけが満ちていた。


彼女の胸元では、『真実の眼』のペンダントが夕陽を受けて美しく、どこか温かな青い輝きを放っている。


(……ここまで、長かったな)


心の中で呟きながら、ミリーはゆっくりと目を閉じ、これまでの歩みに思いを馳せた。

魔王との死闘、ロイの自己犠牲、エンペラー将軍の呪い、そしてシーズン2での数々の試練。失ったものの大きさに涙を流した夜も、孤独に押し潰されそうになった瞬間も数え切れないほどあった。


けれど、彼女は一人ではなかった。

アルフレッドをはじめとする忠実な仲間たちが支えてくれ、そして何よりも、胸の奥とこの世界の風の中に、彼が――ロイがいつだって寄り添っていてくれた。


足音が静かに響き、祭壇の横から近衛騎士団副官のアルフレッドが歩み出てきた。彼は恭しく頭を下げると、静かな声で告げた。


「陛下。王国全土からの使節団の到着が確認されました。これより、平和の確立を祝う戴冠記念の式典を執り行います」


「ええ、分かったわ。アルフレッド、ありがとう」


ミリーが微笑みを見せると、アルフレッドは少しだけ表情を和らげ、深く一礼して下がっていった。


式典の始まりを告げる鐘の音が、夕暮れの王都へと高らかに響き渡る。

大聖堂の大きな扉がゆっくりと開き、外に広がる広場には、新しい平和を喜ぶ無数の民衆たちの歓声と笑顔があふれていた。


ミリーは背筋をすっと伸ばし、祭壇の階段を一歩ずつ、力強く登っていった。

そして、大聖堂の開かれた扉の向こうに広がる、どこまでも高く澄み渡った美しい夕空を見上げる。


(見ていてね、ロイ)


心の中で、愛しい人の名をそっと呼ぶ。


(私はもう迷わない。あなたが命を賭して守り抜いたこの世界を、そしてあなたが愛してくれた私自身を、これからもずっと大切に生きていくわ)


風が吹き抜け、ペンダントの青い宝石がまるで返事をするかのように、ふわりと温かな光を強めた。

それは、遠く離れた場所から、しかし誰よりも近くで彼女を見守る恋人からの、優しいキスのような温もりだった。


ミリーはきらめく夕陽に向かって微笑み、新しい未来へと続く扉の向こうへ、堂々と一歩を踏み出したのだった。


(『魔王を殺した王子、私を救った恋人』 — 完)

外伝第5話「永遠の誓い」をお読みいただき、そして『魔王を殺した王子、私を救った恋人』のすべての物語に最後までお付き合いいただき、本当にありがとうございました!

本編、シーズン2、そして外伝を通じて描いてきたロイとミリーの愛の軌跡と奇跡の物語は、ここでひとつの結末を迎えます。


二人の歩んだ未来が、皆様の心にいつまでも温かな光として残り続けますように。

長い間、本当にありがとうございました!

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