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妖精族に転生した元男の私は勇者達からスキルを回収する  作者:
3章 背中を任せられる人(笑)
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ダンジョンに現れた悪魔

「どうかしたんですか、原山さん。」


ベルがすぐに転移者組の様子がおかしいのに気づいて、話しかける。


「い、いや何でもないヨ。」


原山は誰が見ても解るような動揺の仕方をしていて、パニックにも少し陥っているようだった。


「それだったら、何を見つけたのか教えてよ。」


ベルはさらに何か聞き出そうとした時、横から栗原が出てきた。


「…宝箱に金貨が入っていたのよ。

ほら、宝箱から貨幣が出てくる事が少ない上に、こんなに高価なのが出てくれば驚くじゃない?」


栗原はこっそり密かにポケットから金貨を出して、そう言って誤魔化すが私は見ていたし、ベルもメルナも感づいているのが解った。


「ほんとうに?」


ベルは疑うような視線を栗原に浴びせると、一歩下がった後ヤケクソになったように乱暴に反論する。


「な、何で貴方達を騙さなきゃいけないのよ!

…そんなに疑うんだったらこの金貨貴方にあげるわよ!金貨一枚あれば三人位二三週間宿に止まる事できるでしょ!」


ベルは栗原からはこれ以上聞き出すのは難しいと思ったのか、金貨を受け取った後は何も聞かなかった。


「…すみません、メルナさん、ベルさん。俺達少し体力が限界に近くなっているので、もう地上に出ましょう。」


今まで宝箱から見つけた銃を上手く隠そうとしていて、必死になっていた藤宮がそう言い出した。


「解った。メルナもそれで良いよね?」


「…別にどっちでも。」


「ではそうと決まれば急いで帰りましょう。」


藤宮は急かすようにそう言うとすたすたと歩き始める。


 私は『彼らがあれを手に入れどのような選択をするのか見守ってやりたい』とも思ったが、それと同時に『強い力は人を惑わせる』とも考えたが、これまでの行動を振り返ってみると、やはりアレは彼らには過ぎたる物だと確信した。


 そして、私は隠れていた所から飛び出して、3人の前に出てきた。 


「うぇ!」


「!どうして君がここにいる?!」


「うそ……夢でも見ているの?」


「お姉ちゃん!」


「お姉様…」


「メルナにベル、さっさと決めるよ!」


私は地面を蹴りあげて接近しながらも、“マナサーベル„を取り出して藤宮の持っている鋼の大楯を斬る。


「ちょ…どう言う…」


 藤宮は明らかに動揺しながらも、斬られた盾で次の攻撃を防ごうとするが、隣からメルナが“マナサーベル„で右手を斬る。

 

 「ウガガガァァァ!!」


 「うるさいっ!お前は前から気にくわなかったんだよ!」


 斬られた瞬間、激痛が藤宮を襲い耐えきれず涙を流しながら叫ぶが、メルナは手刀で首を叩き、完全に失神させる。


 「ふ、藤宮ぁぁ!」


 「よくもッ!よくもやったなぁ!

こうなったら手加減無しでスキルを…」


 栗原は藤宮が倒れたのを見て、パニックを起こして戦いどころではなくなり、原山は怒りに飲まれスキルを使おうとしたが、そうは問屋がおろさなかった。


 「はいはい…黙ろうね。」


 ベルは原山と栗原に感づかれないように、後ろに回り込み左手脇腹を“マナサーベル„で刺す。


 「あ…」


 「大丈夫、死なないから。」


 原山は顔を激しく歪めながらその場に倒れた。


 「う、嘘っ…嘘よ…」


 栗原は目の前に起きている状況を理解したくなくって、そう溢すが現実は何も変わらなかった。


 「栗原、貴方には特段恨みは無いから大人しく…」


 「うるさいっ!」


 私は栗原に投降を進めるが、彼女はそれを突っぱねて“サンダーアロー„を飛ばすが、簡単に避けられる。


 「仕方ない…本意じゃ無いけど、痛い目みてもらうよ。」


 私は次弾を放とうとする栗原に瞬きする瞬間を許さず肉薄し、顔に拳を入れる。


 「うっぐっ………」


 栗原は殴られた拍子に数メートル飛ばされ、放とうとした魔法は消滅した。


 「一応これで一段落かな。」


 私は倒れた三人を見てそう呟いて、この後の事を考えはじめた。







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