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妖精族に転生した元男の私は勇者達からスキルを回収する  作者:
1章 ポンコツ気味の女神からの信託と勇者一行
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強襲直前

 今私達は作戦会議をしていた。


 「お姉様はいつ、どこ辺りで勇者に攻撃を掛けるのですか?」


 「…夜営をしている時に攻撃を掛けて、出来るだけ時間をかけないようにしたい。」


 「そうするとお姉ちゃん、寝ている時に攻撃を仕掛けるの?」


 「そうよ、“認識阻害„の魔法を掛けて勇者を強襲する人が2人、従者が起きていたり、起きてきた人と起きている人を倒すのが1人、これでやるわ。」


 その事を聞いたベルは嬉しそうに手を上げる。


 「じゃあ、私は後方から従者を殺す役割をやる!」


 「ベル、残念だけど今回は私と一緒に勇者を強襲するのよ。」

 

 「何で!別にいいじゃん。」


 どうやら断られるのは想定していないようで、うらめしそうに私を見る。


 確かにいつもだったら、メルナを前衛で、ベルを後衛にするのだが今回は敢えてそうしない。


 「…あなた絶対従者起きてきた人を全員殺すつもりでしょう!」


 「さすがに非戦闘員は殺さないよ!」


 「でも、あなたは動ける人は生かすつもり無いでしょう!

 それに、私は倒すと言っただけで、殺せとは言っていないでしょ。」


「うっ…」


 ベルは図星だったようで言葉に詰まる。

 

 ベルの方も、メルナ程攻撃的では無いのだがそれでも狂暴な面は持っており、特に暇でうっぷんが貯まっている今辺りが1番やりかねない時なのだ。


 「だから監視を含めて、私と一緒に勇者を強襲するの。

解った?」


「…了解」


 ベルはしぶしぶ納得したようだ。


 「役割も伝えた事だし、勇者がこっちにくるまで自由行動!」


 「解りました。」


 「了解ー」


 そう言うとメルナとベルは部屋から出ていった。


 メルナの方はたぶん、珍しい武器と屋台巡りか、ベルの買い物に付き合わされるだろう。


 「…さて、私は何をしようかなぁ。」


 そう呟きながら私は部屋ですのんびりとこの後の時間を過ごした。




















 その日、街は普段の何倍も騒々しかった。


 その理由はもちろん言わずもがな勇者がこの街にくるからだ。


 「じゃあこれから作戦の最終確認をするわよ。

 勇者の事でしょう、襲うのは今日で、勇者がこの街を通過して数時間後に私達も出ていって一定の距離を保ちながら追跡、夜になったら襲う。

 これで良いわね!」


 「了解しました。」


 「了解!」


 私が言うと2人は頷いて、返事をした


 「じゃあ、勇者達の様子でも来たら見るとしましょう。」










 その日の午後の事だった。


 この国の人からしたら、未来の英雄で、私達からしたら今日の標的である勇者達が街を訪れた。


「勇者だ!」


「うわーー!」


「よってらっしゃい、みてらっしゃい!」


 街は一段と活気があり、歓声を送る人もいれば、この商機を逃すまいと店員は大声を上げる。


 「勇者とはこんなに人気なのですね。」


 ベルはその様子を見ながら呟く。


 「まあ、勇者って言えば正義の象徴だもの。」


 「…でもその正義の象徴を今日倒す私達は一体…?」


 中々痛い所を突かれ、つい苦い顔をしてしまう。


 「…そんな事言わないでよ……

 でも世の中的には…身の程知らずの悪党って所だと思う。」


 「あははは、確かにそうだねお姉ちゃん。」


 そんな事を話ながら勇者達の事を()()()()()()()()()()()
















 数時間が経過して、辺りは暗くなった


 近くには森がありそこでは勇者達が夜営をしていた。


 そして、その姿を監視しながら何時仕掛けるか機会をじっくりとうかがっていた。


 そうしていると、少し前に別方向に偵察に向かわせたメルナが報告を始めた。


 「お姉様、勇者達はもうそろそろ寝るようですよ。

 起きている人は三人ですけど、どれもただの騎士で勇者はいません。」


 「それじゃあ呑気に寝ているって事ね。」


 知らない人が見れば、美少女が可愛いく笑みを浮かべているだけに見えるが、何度もみてきた私とメルナからしたら、何時もは隠している闘争本能全開になっているという印にしか思えなかった。


 「じゃあ、1時間後に攻撃を仕掛けるとしましょう

 あと、メルナとベルにこれを渡すわ」


 そう言ってフードの付いた上着を渡した。


 「これにはお馴染みの、“認識阻害„がかかっているわ」


 「本当に“認識阻害„の魔法って便利だけど、確か物に“認識阻害„の魔法を掛けるのは物凄く難しかったと思うんだけど…」


 「確かに…少し難しかったけど、そこまで難しい事では無かったわ」


 「…多分それはお姉ちゃんだけだと思うよ…」


 ベルは呆れたようにそう言った。


 「まあそんな事より早くそれを着て、勇者達に攻撃を掛けるよ」


 「解った!」


 「了解です」


 そう言ってメルナはマナスナイパーライフル、ベルはマナサーベルとマナシールド、そして私はマナマシンガンと、マナサーベルを装備した。


 「じゃあ私とベルは勇者達を、メルナは従者達をお願いね」


 メルナとベルはうなずいて、私達は勇者達が夜営している所へ歩き出した。





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