自己紹介
いつもより頑張りました
「まあ、軽く自己紹介といこう。まずは私から」
赤木姉さんはそう言って席を立つ。そして机の一番手前から腕章を一つ取り出した。
「私は織田 赤城。ご存知の通り織田グループ会長、織田 源清の孫にしてその息子 清趙の娘。名義は父の会社のいくつかを私は保有しています。編入生だから私も基本的には一年生と同じかな?とりあえず、みんなとはなく仲良くなりたいです。役職は会長です」
そう言って彼女は腕に腕章を付けた。
「フフ、あなたと仲良くない方などここにはいないのではありませんか?私とアルトリアは同じクラスですし、北条様もあなた方は姉妹のような仲ですし、5人目の方の藤さんも仲がいいのは分かりますよ」
「そうだね、Miss赤城。謙遜が過ぎるよ」
そう言われると姉さんは片手で口を半分ほどかくして妖艶に笑う。
「次は副会長と言いたいところだが……」
「次はあなたに自己紹介してください。そうそう、藤君。あなたは家柄については言うことがなさそうですからね。……そうですね、他の方とどこで初めて会ったか言ってください」
僕はこまってしまった。正直考えていなかったのだ。
「藤 平太です。役職は会計で……」
僕はとりあえずそこまで言っておいた。
正直に言って察しのいい越後谷さんとアルトリア様に浅い嘘はすぐに見破られることは、知っている。…くそ、時間がない。
「『どっちにしようか?』」
小さく僕はそうつぶやくと時間が止まった。
今回決めることは『姉さんとの関係についていうか言わないか』。
だがこのこと、言わないのが結論だ。答えは出ている。
ではなぜWhich病を使用したか。
答えは簡単だ。病気の副作用である〝閲覧〟する力を使っているのだ。
「はあ」
僕は思わずため息をついた。
閲覧のレベル1が解除されているからだ。
閲覧できる情報にはレベルがある。
最高レベルは10。もしこのレベルならばその個体に関するすべてを知ることができる。
しかしこのレベルは自分自身でも不可能である。
そしてこのレベルと言うのは仲の良さ、ゲーム風に言うなら新密度の高さがが情報開示のカギとなる。
またこのレベルには同じくマイナスレベルと言うものが存在し、これはレベル5まである。
ちなみにマイナスレベル5の場合、その個体がWhich病発症中での認識、接触不可とマイナスの個体の関係のある者、関係のある者の関係あるものの情報開示レベルがマイナス1~3されると共にマイナス5所有個体に関する情報の開示不能が起こる。
ちなみに赤の他人はレベルゼロ。基本情報のみの開示となる。
そして越後谷とアルトリアのレベルが一上がっているということは……
「……まさかあのとき、相談相手を探ったのか」
情報開示レベルが1上がるということは、自分が相手のことをある程度知っていて相手もこちらの事を少なからず知っている状況の事を指す。
また、発症者による強制開示の方法がいくつかあるがまた今度でいいだろう。
話を戻すとレベル1になるクラスの情報、つまり氏名+誕生日、住所、携帯番号、家族構成、などのプロフィールに書くようなこと(どこで判断されるかはわからない)は知っていることになる。
一応、身辺整理に情報操作はしておいたからこの程度で済んでいると考えた方がいいのかもしれない。実際問題、あの二人のポテンシャルは基本的にかなり高い。
しかし、気が乗らないことはまったくやらないのだ。
この生徒会も噂では姉さんが無理やり誘っていれたらしい。
こんなところでぼろを出して興味を持たれて本格的な調査されたらたまらない。
僕は彼女たちが僕に着いてどこまで知っているのかを閲覧して、ウソを用意する。
「選択する」
時間が動き出す。
僕は何事もなかったのように語りだす。
「そうですね、実はここにいるみなさんとは同じ方法で知り合っているのですよ」
「へぇ、じゃあみんなへいちゃんになにかしらをお願いをしたの?」
ここで静香が僕に聞く。この質問は予想道理。
「うーん、まあ。お願いと言うか相談だね」
「へえ、あなたが」
僕がお願いと言う部分を否定しようとすると、 先にアルトリアが訂正をしてくれて越後谷はそれを意外そうに言う。
「まあ、幼馴染の私ではなく彼に相談したことは予想が付きますがね」
越後谷はそうため息をつきながら言った。
「そうですね。あなた方お二人に相談を受けたときは驚きましたよ」
「Mr.平太。敬語をやめないか?少しむず痒い」
「そうですね、ここはどうせ私たちの秘密基地ですし。ね?」
「そうです……もういいや、そうだな。ここは学校の中にある休憩所みたいになるでしょうからね」
僕はなんかやけくそ気味になっていた。確かに少しここにいる4人は少しくつろいでいる。
制服を少し崩しているし、よく見ればアルトリアの机の上にあるのはラノベだったりする。
「そうだったな、よし、この場所でこのメンバーの時は敬語禁止」
「了解!」
「いいわ」
「good」
「はは、……もう笑うしかない」
反対できない空気で僕は敬語扶養を反対できなかった。
そして、反対意見は出なかったので姉さんはうれしそうに笑う。
「では次は私かしらね?私は、食品界で№2の越後谷商会 会長の娘 越後谷 公美。役職は副会長。藤君も知っていると思うけど私は興味ない事には参加しないから。よろしくね」
「同じく副会長のアルトリア・ユグドラシル。イギリスの2大派閥ユグドラシル家の娘よ」
二人は自己首魁を終えるとそれぞれ腕章をつける。
そして最後に僕の隣の子が席を立つ。
「北条 静香です。えーと、北条家本家の娘で運動が得意です。役職は庶務です」
実に静香らしい自己紹介だった。彼女もそう言って腕章をつける。
さて、ここで質問です。この中で一人だけ腕章をつけていない人がいます。誰でしょう?
……………はい、正解は僕こと、藤 平太君でした!
あーやばい。こんなへんな問題考えて気づいてもらおうとちゃうほど仲間外れ感がしてならないこの状況。とても悲しい。
僕は渋々と言った感じで姐さんに聞いてみた。
「あの、会長。自分の腕章が無いんですけど……」
「え?……ああ、そういえばどうしたっけな~?」
あ、今姐さんまずいって顔した。
一生懸命取り繕うとなりもしない口笛を吹いている。
「正直に言ってください」
「い、いや、別に準備してないわけではないのだ。ちょっとした、仕掛けをはどこ師損ねただけで……」
「はあ、その仕掛けとやらあとで教えて下さいよ」
僕はそう言ってあきらめた。と言うより引き下がった。
正直ここで食って掛かるとどうなるかわからないからだ。
……また盗聴器&カメラかな。
僕は心の中で又ため息をついた。
「さて、自己紹介が終わったところでいきなりだが最初の議題だ」
すると、すると机の液晶が起動する。
「急だが明後日の土曜日、日ノ本高校との生徒会交流会の話が来ている」
「へえ、あのですか。正直意外ですね。あなたがいるからですか?」
「うん?違うぞ。まあ、正直あちらとしてはこちらと手を結び労力を手に入れたいみたいね」
越後谷の疑問に余裕で答えを返す赤城。はたから見ればかなりしっかりしているようなものだろう。だがこの二人の言っている事、全部感覚的なことなのだ。
自分の直感で判断する。しかもそれが当たっていて、それを行動に移せるだけの行動力があるからすごいのだ。
指導者やトップとしては優秀だ。しかし、自分の興味のあること以外では発揮しないダメダメなのだ。
しかし、姉さんは気になることを言った。
『労力を手に入れたい』これは何か大きなことをしようとしていることをにおわせる。
「会長、あちらは近いうちに大きな行事……それも他校を巻き込むほどの事でもするですか?」
「こら、敬語!」
「これが譲歩出来る誠意いっぱいです。許してください」
「……まあ、いいか。それでその質問の答えだが答えはYESだ」
その言葉に全員の視線が会長に集まる。
会長は視線が集まると嬉しそうににやりと笑うと……
「さあ、これを見てくれ」
……一枚の計画書を液晶に表示させた。
それを見て僕は今日何度目かわからにため息をついた。
ため息つくと幸福が逃げるというけどため息つきすぎているせいでこんな大変な目に合うのかな?
僕のそんな心情もつゆ知らず、姉さんは計画書を説明し始めた。
「さてこの企画書だけど製作者は書いてある通り、日ノ本校よ」
一枚目?一ページ目?とにかく液晶には『マル秘企画書 立案者 今井 雫』と書かれていた。
「画面を上にスライドさせなさい。そうすればめくれるから」
そう言って全員その通りにすると次のページが現れる。
そこで出た表情は様々だ。
「へえ」
「ふーん」
「うわーぁ!」
僕はすでに次のページをめくって読んでいた。
「2ページ目を見てもらうとわかると思うけどこれは複数校の生徒会による合同行事を予定しているからこれに参加して欲しいという参加勧誘ね」
「ふむ、全部読んだけど、うちはすべてに参加するのは難しいんじゃないんですか?」
「早いな。でもそうだね。この学校は部活動に重点を置いているからね。それにさっき言ったようにこの学校からは労働力が求められていると思うんだよねだからこのうちいくつかだけ参加。それ以外は手伝いを少々と言ったところで話をつけようと思う」
「そうですね、それがだと私も思うわ」
「でも、それに気づくMr.ヘイタもすごいです」
「へいちゃんは管理、運営するの得意だもんね」
「まあ、中学も生徒会で財務担当だったので」
ぼくは謙遜しながら言う。
「じゃあ、私の意見が通ったということで。それで明後日。生徒会の主要メンバーだけでもいいからと言われているわ。場所は日ノ本校。一応東京都の一部の優秀な学校、埼玉と神奈川と千葉の一部が来るらしいわ。どうする?来る人、挙手!」
姉さんはそう言って挙手を求めるが手を挙げたのは……誰もいなかった。
「えー!あ、でも平太。君は会計だ来なきゃだめよ。話聞いて予算の目算と計画を簡単に立ててもらうわ」
「ふふ、会長。その子随分とかっておりますね。普通の子ではないことはわかっておりましたが、ちょっと気になってきますね」
「教えてほしい?でもだめー。これ私の秘密兵器だから」
ねーさん。そんなこと言わないで。……ほらもう二人が獲物見つけた蛇みたいにキラキラしてるよ。
「miss赤城。そんなこと言われたら気になるではありませんか」
「あの織田 赤城の秘密兵器。……とても気になるわね」
「ひいっ」
僕は思わず身震いしてしまった。
「ねえさん。会議終わったの?私は部活の助っ人があるからいけないからごめんね」
「ああ、そう言えば話がそれたな、すまない」
静香の一言で今、話合い中だったことを思い出した姉さんは咳払いをして空気を換える。
「それで、静香のいけないわけはわかったが二人は?」
「その……こんなこと聞くのはあれですけど、会長はいいのですかその日?」
「うん?どうして?」
「だって、月に一回の上位企業による交流食事会の日ですよ」
するとねーさんは少し思案するような顔になる。
あ、これは完全に忘れていたパターンだな。
数秒すると、姉さんは考えがまとまったようで難しい表情から会長モードの明るい顔に戻る。
「私は欠席します。まあ、お父さんには何とか言っておきますから大丈夫でしょうけど。でもあなたたちはまずいかしら?下手に休むと目をつけられるから」
「ええ、気遣いありがとう。と言うことで藤君。あーちゃんをお願いね?」
「miss赤城。私はあなたのその判断の速さに驚かされますわ。すこしうらやましいです」
越後谷とアルトリアは申し訳なさそうな顔をしていた。
「まあ、一応がんばりますけどあまり期待しないでくださいね?」
「ふふ、いいわ」
「そこは『任せろ!』と言うべきですよ。Mr.ヘイタ」
僕は思わず苦笑いになった。
それからもう少し話し合いが行われ、6時を回ろうとしたところで姉さんが切り上げた。
僕は途中から資料作成、企画書作成と隙を見ていつもの一斉メールを出していた。
この会議を見ていて思ったのだが見た目だけいい人と言うのは少し違うみたいだ。
ここにいる人たちは指導者に向いている。でも、王様のような感じだ。
発言や意見は的確。でも雑事はやらない。
企画書作成をやらせようとしたところ、断られてしまった。
「これで今日の生徒会は切り上げるが、平太どうする?もう少し使うか?」
姉さんが僕の横まで来て問いかける。
そして僕はその奥の静香が目をうるうる指せているのが見えたので今日はこれで切り上げることにした。
「いや、今日はこれで切り上げます。まあ、多少は家出もできますので」
「そうか。では鍵を閉めるぞ」
姉さんはそう言って自分の机の上に擁していたカバンを持つ。
「へいちゃん、一緒に帰ろう!」
「ああ、わかった」
静香がそう言ってきたのいつも通り返すと、越後谷とアルトリアが尋ねてくる。
「フフ、仲がいいのですね」
「二人は付き合っているの?この間も二人で帰っていたでしょ?」
その言葉に少し驚いてしまった。
見られていたとは。でもこのままでは静香の名誉のためにも否定しなくては。
「はは、何言っているんですか。そんなわけないでしょ。今家が隣なんですよ。帰り道一人じゃ寂しいじゃないですか。お互い、いい話し相手と言う認識ですよ」
すると、3方向から嫉妬と侮蔑、軽蔑の視線が来る。そして極め付きは悲しみも視線もだ
悲しみは静香。嫉妬と侮蔑と軽蔑はほか3人だ。
え?なに?なんで!?
僕は、驚くことしかできなかった。
「フフ、物語りのような鈍感な男とはこういう方の事なのですね」
「オー、これがジャンパン・サブカルチャー 『ドンカン』」
アルトリアのドンカンの発音が土管のようなのに吹き出しそうになるが笑ったら殺されそうなので黙る。
そして、会長が出口の方を指さす。
出口のドアはいつの間にか開いていてその代わり隣の静香はいなかった。
つまりそういうことなのだろう。
僕は大急ぎで鞄い荷物を詰めると「お先に失礼します」と言って走った。
自転車置き場へ着くとそこには僕の自転車に蹴りを決めている子がいた。
「その、怒ったならごめん」
彼女は僕の方をちらりと見ると自転車を蹴るのをやめた。そして自転車の方を見たまま言葉を話す。
「どうせどうして起こっているのかわかっていないんでしょ?」
「うっ……」
「仕方ないな。もういいよ。その代わりお願い聞いて」
「……しかたない。それで機嫌治してくれるなら」
すると、静香はうれしそうな子でこちらを見るとこういった。
「今日、あなたの内でご飯食べていい?」
僕は、ため息をつきながらも笑顔で言った。
「いいよ。今日は君の好きなハンバーグだ」
僕はそう言って自転車を取り出し、乗ると彼女は今日は走って学校に来たようで僕の後ろに座る。
「二人乗りは禁止だよ?」
「気にしない、気にしない」
そういう彼女はとてもうれしそうでその顔に僕はそれ以上何も言うことはできなく、そのまま夕日沈む夜の街を走り出したのだった。
<副会長1>Miss 赤城うらやましいのですか?
<会長>うん……じゃなくて、いや心配だっただけだ。
<副会長2>ふふ、あーちゃんかわいい。




