35話 再会
蘭方くんと別れ、俺と仙道さんは階段を降りて下の階へ来ていた。
「東條さん、大丈夫ですか?」
「うっ……なんとかな」
俺は背中に担いでいる東條さんに声をかけた。
良かった意識はあるみたいだ。
とりあえずは安心だけど、怪我が酷過ぎる。
「仙道さん、東條さんは大丈夫なのか?」
「……傷は塞いであるし死ぬことはないと思う、でも何かしらの傷害が残るかも」
「……障害か、まぁいい仕方のないことだ、それよりも仙道治してくれてありがとう、柴崎も運んでくれてありがとな」
仙道のその言葉を聞いて東條さんは悲しいそうな顔を一瞬したが、すぐに元通りの顔になり仙道と俺にそうお礼を伝えた。
まただ、若織さんに続いて東條さんまで大きな怪我をしてしまった、俺があの時一緒に行っていれば。
「東條さん俺……」
「気にするな柴崎、それよりもお前は早く役員室へ行け、俺と仙道のことなら心配するな」
「そうだよ拓っくん、早く行って!」
「2人とも……」
そうだ俺にはやる事がまだあるんだ、早く役員室へ行かなくては、
「だ、誰か助けて!!」
役員室の方から女性の声がした。
「今のって溝口さんじゃない?」
「ああ、溝口だ、柴崎行ってくれ」
「わかりました、行ってきます」
そうして俺は役員室へと向かった。
『ガチャ』
「誰かいるのか?」
「あ、柴崎さん助けて下さい!父が」
役員室へ行くと、溝口さん父である溝口忠信が魔族に首を絞められていた。
「し、柴崎か、ぐはっ」
「はぁ、なんて退屈な仕事なのだろう、私はもっと強い者と戦いたい……ん?お前は……」
こ、こいつは、もしかしていつかの魔族か。
こいつも来てたのか。
「久しぶりだな」
「おお!お前か強き攻略者よ」
そう言って昔戦った魔族は溝口さんの父を床に投げ捨てた。
『ドサッ』
「父さん!」
溝口さんはすぐに倒れた溝口忠信に駆け寄った。
「おい、もっと優しく扱えよ」
「ククッ、つくづく名優よな、お前も」
「は?何言ってんだよ」
誰が名優だよ、俺は芸能活動なんてやったことないぞ。
『グサッ』
「え?」
「ゴフッ、ゆ、唯、どうして?」
見ると溝口さんは実の父の胸を手刀で貫いていた。
「ふふふっ、私、あなたの娘をちゃんとやれてたかしら?」
「み、溝口さん何やってるんだ!」
「うるさいよそこのクソ人間、せっかく父が娘に刺される瞬間なんだ、見てごらんこのクソ親父の顔、たまらないねぇ」
そう言って溝口さんニタァっと笑った。
こいつ溝口さんじゃないな。
「お前、誰だ?溝口さんじゃないだろ」
「ふふっ、私はベルフェゴール、魔族よ」
そう言うと溝口さんの顔が剥がれていった。
まずいなこの部屋には俺1人と魔族2人。
結構ピンチだぞ、これ。




