19話 定例会議
ーー1ヶ月後
「あ、拓っくん?」
「仙道さん久しぶり!」
組合本部のロビーに着くと元パーティーメンバーの仙道遥がいた。
俺は定例会議に参加するため、宮城から帰って来て、今組合本部にいる。
結局あの後、俺も一応検査入院をしたり、温泉に行ったり色々していて、東京に帰って来たのは昨日の夜だった。
「聞いたよ、宮城で大変だったらしいね」
「まぁね、でもまぁ若織さんと雛菊のお陰でどうにかなったよ」
「そうなんだ、若織さんね……」
若織さんの名前を聞いた遥は表情が暗くなっていった。
あの後、病院に連れて行き若織さんは2週間ほど入院した。
幸いにも入院2日目には目覚める事ができたのだが、右腕は完全には治っておらず、今後も完治せず障害が残るらしい。
あと内臓も、流石にダメージがデカすぎたらしく、食事制限で消化に悪いものは控えるようにと言われている。
それよりも重症だったのは精神で、目覚めてから数日は錯乱し大声を上げたりして大変だった。
今は落ち着いているが、また攻略者としてダンジョンに戻れるかは不透明である。
「今日も会って来たけど元気そうだったよ、若織さん」
「そ、そうなんだ」
「明日の会議には出席できるかわからないけど、とりあえず今は落ち着ついてるよ」
明日の会議に来れるといいけど、無理はしないで欲しいな。
あ、そういえばアイツらとここで待ち合わせしてるんだった。
「拓真っちー!あ、遥もいんじゃん、ういすー!」
「お久しぶりです、柴崎さん」
待ち合わせのことを思い出していると、タイミングよく待ち合わせ相手である、雛菊とジンさん、それに長谷川さんが来た。
ジンさん……すっかり馴染んでるな。
「ジンちゃん、飲みもんいる?」
「ありがとうございます、ではコーラをお願いします」
俺たちは組合本部内にある小会議室に移動した。
そこなは大きなテーブルと椅子が6つ、そしてウォーターサーバーと自販機が置いてある。
ジンさん、コーラ飲むんだ。
「んで、明日の会議、誰が来んの?」
ドクターペッパーを飲みながら雛菊は、俺と仙道さんにそう訊ねた。
「確定なのはここにいる俺達と、東條さん、不動さん、屋敷くん、火野さんあたりじゃないかな?」
「確定枠少ねえな……」
祭さんはおそらく来るが、100%来るとは保証できない。
四季さんと蘭方くんは、今海外に行っているから不参加だと聞いてるし、神宮寺はいつもの如く行方不明。
若織さんは多分来ない。
「ま、毎回こんなもんだよね」
「まぁね、祭さんと神宮寺は来るか来ないかはその日にならないとわからないし」
ちなみに俺も過去に仕事で不参加を2回ほどしたことがあり、定例会議で全員揃うのはそうそうない。
「すみません、来ていてあれなんですが定例会議とは一体何を話す場なのですか?」
ジンさんが申し訳なさそにそう訊いてきた。
「私が説明しますね!」
「ありがとうございます」
ジンさんの問いに仙道が手を挙げて答えた。
「まず定例会議は、3ヶ月に一回開催されます、そこでは自分のその3ヶ月での成果を発表したり、今後の活動に向けた報告などをします」
「なるほど、本当に会議なんですね」
え、逆になんだと思ってたの?
多分だが、雛菊から強い奴がいっぱい来る会とかでも聞かされていたんだろうな。
だって雛菊も驚いてるもん。
「そんなまともな会だったのか」
「碧ちゃんは毎回寝てるからわかんないよね」
「おう!座るの苦手なんだー私」
23歳にもなって座るの苦手とか言うなよなほんと。
学生時代どうしてたんだよ、こいつ。
「まぁざっくりしてますが概ね仙道さんの説明の通りです」
「なるほどわかりました、それでその会議で話すんですね、私の事を」
「はい、そのつもりです」
今回の定例会議で俺は東北遠征についての報告をする。
そこで魔族のこと、ジンさんのことを話すつもりだ。
そしてその流れで祭さんに色々訊く、核のこととか竜人族の事とかを。
あー、マジで来てくれよな祭さん。




