157話 家族のため
『いくぜ、固有スキル発動、水撃砲!』
『ガパッ』
玄武は、大きく口を開き、大きな水の砲弾を生成した。
「な、なんだそれは」
『ズドォン』
そして玄武が水弾を放つと即座にルシファーへと命中し大きな爆発を引き起こす。
「ナイス玄ちゃん!」
『おう!でも碧ちゃん、あいつ全然効いてないみたいだぜ……』
玄武が苦い顔を浮かべてそう話す。
『シュゥゥゥ』
「俺に爆撃は効かんぞ、攻略者よ」
水弾をモロに受けたルシファーだったが、ほぼダメージはなく無傷だった。
「激ヤバなんだけど……」
雛菊は短くそう呟いた。
「爆撃以外の攻撃手段はあるのか?あるなら試してみろ、ないのであればこちらから仕掛けるぞ」
『シュッ』
そうしてルシファーは標的を玄武に絞り、玄武へ攻撃を仕掛ける。
「エンドスキル発動、プロミネンスインパクト!」
『ズドォン』
「げ、玄ちゃん!!」
ルシファーのプロミネンスインパクトが玄武に直撃し、心配した雛菊は玄武の名を叫んだ。
『シュゥゥゥ』
「まぁそうなるか」
しかし玄武の身体は全くの無傷であった。
『良い一撃だったぜ、まぁでも火力不足だよな』
「相手にとって不足はないようだな」
玄武とルシファーはお互い顔を見合わせそう言葉を交わす。
ルシファーと玄武の力はほぼ互角。
しかしこの戦い、ルシファーは玄武を倒す必要はない。
本当に倒さないといけない相手、それは。
「まぁそれなら狙いを亀の適合者である、そこの女にすれば良いだけの事、だが水の女とて俺のプロミネンス程度では防がれてしまう」
『バッ』
そう言ってルシファーは来ている服を脱ぎ上半身裸となった。
「ちょ、いきなり何するしー」
「きゃ、キャー」
そう言って雛菊と長谷川は突然露わになったルシファーの上半身から目を背ける。
「ふっ、すまんな、だが別に俺は露出狂という訳ではない安心しろ、これは必要な儀式でな」
上半身裸となったルシファーの胸には、グレネードのピンのようなモノがあった。
『や、ヤベェ、碧ちゃん急いで逃げるんだ!!』
ルシファーの裸に目を背けていなかった玄武だけがそのピンの違和感にいち早く気づき、雛菊達にそう告げる。
「もう遅い、俺の自爆の範囲は半径5キロ、辺り一帯を更地にすること、それこそがそもそもの俺の仕事だ、さらばだ攻略者よ」
そう言ってルシファーは胸のピンに指をかける。
おそらくこの自爆攻撃でも玄武は耐える事ができる、ただ雛菊や長谷川、そして周辺にいる自衛隊は全滅するだろう。
そしてこの攻撃はもう防ぐ事は叶わない。
それがわかった雛菊は自然と長谷川の前に立っていた。
「お、お嬢様!?」
「あーしの全力の、この身を捧げた水障壁ならあいつの攻撃を防げるかもしんねーから、長谷川だけでも生きてくれ」
「な、何を言ってーー」
『ピンッ』
その時、ルシファーはピンを勢いよく引き抜いた。
「魔王様万歳!」
『ドゴォン』
そうして爆発は瞬時に雛菊達を飲み込んでいく。
『ザッ』
「まったくよぉ、花のねぇ爆発だ」
その瞬間、1人の花道に生きる漢が雛菊と長谷川の前に現れるのだった。




