僕は君を必ず助ける、お金から。

　瀬楠《せくす》望《のぞむ》は、彼女が欲しいと思っている普通の男子高校生。
　通う高校は、経済やビジネスに特化した学校。
　望(のぞむ)は部活動として、成功研究部に入っている。強制入部させられた。
　部長は、部活の発起人である才籐《さいとう》一《はじめ》。自他ともに認める天才。
　副部長は、天羽《あまは》彩《あや》。
　神秘的な雰囲気と顔立ち、素晴らしいボディラインで日夜、一(はじめ)に告白を迫っている。
　この部活動の趣旨は、『社会に貢献し、如何に成功するか』。
　しかし発起人である一(はじめ)の裏の活動は、『性交をなす為には、どの様にすれば良いか』、と自身の研究開発費を得る為。
　新入部員には是非、裏の目標を達成させたいと、望(のぞむ)が持つステータス確認を始めるが、一(はじめ)が作った評価ソフトは“ランク　Ｄ”を示す。
　そして誰が見ても気付く、パソコンの左下の隅に１ｃｍ角で、七色に明滅する部分を指摘すると、不甲斐無い後輩の為に追加した、法定基準を除外した裏モードだと言い、懐中電灯で下から顔を照らし、「・・・試してみるかね」と詰め寄る。
　固唾を呑む中、裏モードが実行され、金髪ツインテールロリ仕様、身長は画面の高さの２／３程度の女の子、ＡＩのあいちゃんが現れる。
　あいちゃんの秘策は、経済的に困窮する女の子を援助すると言うものだった。
　望(のぞむ)は躊躇するも、あいちゃんの全面バックアップで捕まる様な痕跡は残さないと言う。
　まず一番の問題点、金銭面の指摘にも３つの候補が上げられた。
　Ａ．お札を自分で作る。
　Ｂ．一(はじめ)が試作した薬を使う。
　Ｃ．もう直ぐ夏休みなので、あいちゃんがバイトを探してくれる。
　無難にプランＣを選択し、聴いて欲しそうにしている一(はじめ)に一応尋ねると、ドヤ顔でタイムリープを誘発する薬だと言う。
　有名な短篇小説を思い出し、香りを尋ねると、ラフレシアの香りで異臭が酷く自身では試せなかったらしい。
　しかし肝心の女の子をどうして探すのかとあいちゃんに聞くと、候補は既に絞ってあって、不定期に援助を求めている子だと言う。
　ただ、他と違ってひと月前ぐらいからの、完全予約制だとか。
　夏休みに入った望(のぞむ)は、あいちゃんの助けを借りて、女の子といちゃいちゃ出来る事を楽しみにバイトに勤しむ。