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オンラインで間違って最弱な鬼を選んでしまった件  作者: あるすれっと
クイーンクエスト またの名を 糖党撲滅大作戦!
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11-8

ここで突然だけど、私の武器について話そうと思うわ。


私の武器、形状は漆黒の鎌。


2m以上の大型武器で、ところどころに金装飾がなされた、我ながらハイセンスでカッコいい武器となってるの。


それでここからが最も重要。


武器群『オータクオブキングス』


武器名『ブルートズィッヒェル』


これだけでも気付けると思うのだけれど、あえて言うわ。


この武器は王族ユーザーのみが所持を許された、最終兵器。


運営という立場をフル活用して作られた、最強のチート武器。


誰にも絶対負けない絶対勝者を約束された、至高の装備。


それが『オータクオブキングス』という武器群なの。


私のみが所持を許されるブルートズィッヒェルも同様。


“緊急時以外は使わない”という制約があるから殆ど使えないけれど、それが納得できるくらいの威力を誇るわ。


最強の威力、最強の特殊能力、最強の強度。


語ると長くなるから、実際の強さはこの戦いで見せようと思うわ。


「何だ、カッコつけたくせにそこで止まりやがってェ!!」


ーー何てやっていたら糖党の大剣男が、全く動かない私を薙ぎ払うように攻撃してきた。


あら、刺された筈なのに元気じゃないの。


回復でもしたかしらー?なんて思いつつ悠長に構える。


勿論本来だったら避けるべきだけれど、この武器を装備してしまった今の私は全くの無問題。


敵の剣は私の武器に当たった途端、大きく弾かれ後ろに飛ばされてしまった。


「ーーは?」


遠くからカランと転がる武器の音。


予想だにしない出来事に敵は唖然としていた。


一方私は当たっても壊れなかった武器に称賛しつつ、その敵の間抜け面に一発軽くパンチをお見舞い。


大剣男は後方に勢いよく吹き飛び、ドゴォ!と凄い音を立てながら壁に激突した。


「な、ななななんなんです!?」


またも声を上げるフード男。


恐らく予想以上の強さに驚いているんだろうけど。


でもさ。


「そんな素っ頓狂な声、出してる余裕ある?」


「は、はい?」


あらら、意外と予想付けができない残念オツムだったのかしら。


私がどのタイミングでここにいたのか分からない以上、全てを疑うべきなのがインテリキャラだと思うけれど。


例えば “倒した敵が実は倒していなかった” とか。


「光牙一閃!」


「!?」


フード男の正面から、光の様な速さで突きを放つ白い影。


そう、超巨大の火球によって燃やされた筈のショウだった。


ショウの一撃は敵が磔にされていることもあり、攻撃が腹部を綺麗に貫いた。


この状態に更に慌てるフード男。


痛みよりも驚きの方が強いみたいで、ものすごい変な表情をしていた。


「なっ、何故生きているのですか!?」


「さあな!」


ショウは武器を引き抜き、今度は頭から一刀両断しようと斬りつける。


けれど磔からどうにかして抜け出した様で、みっともなく転がり逃げ惑う敵。


あらあら随分と情けないわねぇ。


「も、もう全くもって分からない!何故俺は磔にされた、何故攻撃が弾かれる、何故吸糖鬼が生きている!!?」


「ーー本気で言ってるの、アンタ」


地面を這いずり、口調が乱れ、叫びまくる男。


最初のインテリキャラ、策略キャラからかけ離れた状態。


そんな情けない姿に思わず本音が出てしまったわ。


もっとデキる人間かと思ったけど、見当違いだった様子ね。


しょうがない、可哀想で哀れなこの人物に教えてあげましょう。


一体誰に喧嘩を売ってしまったのか。


一体誰を怒らせてしまったのか。


「その前に……本当に貴方は丈夫なのねぇ」


私は振り向かず、背後に立つ大剣男に声をかける。


ボロボロで満身創痍、焦点も合っていない彼。


けれど気迫は変わらず、むしろ強まっているように感じた。


こっちの方が幾分もボス感あるわ。


「ど、どうする?」


ショウが私に聞いてくる。


ここで言う「どうする」は私が戦うかショウが戦うかって事なんでしょうけど。


生憎私はこのクソフード……おっといけない、言葉が悪いわね。


私はこの非常に憎たらしく葬りたいフード男をこの手で倒したい。


けれどショウもフード男と戦いたいに違いない。


かと言って疲れ切っているマモリを戦わせたくは無いし。


「ーーしょうがないから、そいつの相手をお願いしてもいいかしら?」


私は振り向かないまま、後ろに向けてロングソードを投げる。


大剣男はなりふり構わず--と言うよりも見る気力が無いといった感じで正面しか見てない。


私がしたこの行為の意味に気付けたのは、唯一正面を向いていたフード野郎だけだ。


【了解しました、王女様】


宙を舞う剣を掴み、大剣男に突き立てる一つの影。


アンドロイドのナビ子である。


不意をついた一撃だったけれど、男は殺気を感じ取ったのか大剣で何とか防ぐ。


だが、そのすぐ後ろにはーー


「よく分からないけど、貰ったわ!!」


両手に拳銃を持ち、それを放つ女性ーーシーメルがいた。


今度こそ決定打となるか、と思いきや大剣男は無理くり剣を動かして銃弾を防ぎ、その勢いのまま攻撃をしてナビ子を退ける。


あらあら、もしかして傷付けば傷つく程強くなるタイプだったかしら??


さっきより動きがいい気がするわ。


「まぁでも任せて問題ないでしょう。あくまで私たちはこっちよ」


「お、おう」


何が起きたか把握しきれてないようで、どもった返事をし、私とナビ子たちを何度も見直しているショウ。


まぁ打ち合わせ無しであれほど綺麗な連携取れたら、呆けてしまうのも頷くけれど。


私もこの状況でなければ自画自賛したいところだし。


フード男がまだ生きているこの状況でなければね。


「さて、そこの愚者。準備はできている?」


私は怒りを込めつつ武器を構える。


さっきは「ショウも戦いたいだろう」と思ったけれど……悪いけど、私は私のやりたいように戦わせてもらうとするわ。


「まぁーー準備出来てなくても殺るけれど」


私は超速でフードの側面に移動、頭目掛けて振り下ろした。


これで倒したと思ったけれど、流石は敵の親玉。


私の一撃に気付き、防ぐ為か武器を頭上に構える。


ギィン、と金属同士がぶつかる鈍い音が部屋に響き渡る中、フードの腕の至るところから血が吹き出した。


「なぁぁぁぁぁっ!?」


泣き叫ぶフード、私はその姿を鼻で笑いながら次の行動に移る。


狙うは側面。


目で追えるように死角ではない、よく見えるところをワザと狙って振りかぶる。


フードはボロボロになった腕を動かし、またもや攻撃を防いでくる。


が、その防御は意味をなさない。


武器同士がぶつかった瞬間、その威力・衝撃で武器どころか腕ごと空中を舞ってしまったから。


……全く、気付きもしないのかしら。


私の攻撃、“軽く放った”あのパンチで大剣男を吹き飛ばす威力を持つのに、渾身の一撃をその細腕で耐えれるわけがないじゃないの。


流せばまだ違うのかもしれないけれど、どれも馬鹿正直に正面からの受け止め。


腕が吹き飛ぶのは必然と言えるわ。


「あら、意外」


けれど、ちょっと驚くことが起きていた。


ふと目を離した間に、無くなった筈の腕が何故か元に戻っており、同じくふき飛ばされた筈の武器を持って、それで斬りかかろうとしていた。


察するに超再生か瞬間移動の類、またはその両方を使ってかしら。


どちらにせよ、実力じゃなくて道具とかによる効果なんでしょうけど。


「うがぁあっ!!」


「正直なところ、道具だろうが魔法だろうが効果だろうが、今の私に無意味なんだけどね」


死物狂いで放ってくるなぎ払いの一撃。


それを私は武器で堂々と正面で受け止めた。


するとどうでしょう、敵は一瞬にして消滅。


チリ一つすら残らなかった。


……けれど先程の感じから察するに、まだ生きてそうな気がするわね。


そう構えていると、今度は背後から無傷の敵が現れた。


目を血走らせて、狂った表情を浮かべた敵が。


私はこの姿ににっこり笑みを浮かべる。


「あら、いい表情になってきたわね」


でもまだ足りないわ、と付け加えーー


「さあショーを続けましょう?だってまだ許されるには早過ぎるもの」


大きく鎌を振りかぶり、振り下ろした。


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