表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
オンラインで間違って最弱な鬼を選んでしまった件  作者: あるすれっと
開催、ゲームの祭典オタ杯闘争!
38/104

5-6

俺は右腕に感じる、鈍い痛みで目を覚ました。


視界に映ったのは、見知った見知らない天井。


つまりは先程の控え室だ。


そこで、またもや横になって寝ていた。


ただ違うのは痛みがあること。


気になった俺は顔だけ起こし、右手のある方を見、


「うおぉい!」


変な声をあげながら、勢い良く起き上がった。


不自然な物音──まるで頭を床に叩きつけたかのような音と共に。


頭で状況を整理している中、その音の発した主は頭を抱えながら、俺に向かって発言した。


「おはよう」


「おはよう、じゃねぇよエイレ!!」


そう、物音の主はエイレであった。


あろうことかこのエイレ、俺の右腕にかぶり付き、血をちゅーちゅー吸っていたのだ。


寝ている味方なのに。


敵なら分かるが、俺の血を吸う理由が皆目見当つかない。


「にしても痛かったのだけれど。コブになったらどうするの?」


俺が必死に理由を考えている最中、エイレは頭を指で指しながら言ってきた。


若干怒りつつ。


だが自業自得といえばそうなので、完全に発言をスルーして、逆にこちらから訊ねた。


「それよりなんで俺の血を?」


「もうすぐ試合が始まるからエネルギーを溜める為よ。本来は苦いの嫌いだからしないんだけど、ショウの血が甘そうだから飲んでみたの」


少し拗ねつつエイレがそう返答した。


そう言えばエイレはおこちゃま味覚だった。


苦いの酸っぱいのが苦手で、味が薄いのを嫌がる、ついでに野菜嫌い。


思わず納得してしまった。


なお、味はどうだったか聞いてみたところ、「熟していないスイカだった」そうだ。


つまり甘いっちゃ甘いが、味が殆ど無かったってところか。


無駄知識が増えてしまった。


「ところでエイレ」


俺の声に「うん?」と言って顔を見るエイレ。


それにちょっと恥ながらも、別な質問を投げ掛けた。


「もうすぐ試合始まるって言っていたけど、あとどの位なんだ?」


それを聞いた瞬間、大きな太鼓の音が鳴り、歓声が部屋の中に響いてきた。


そしてエイレが一言。


「丁度今からよ」と。


──南方でのオタ杯闘争の始まりだ。


俺は期待と興奮が満ちる中、武器じょうぎを取った。


もう待ちきれない。


大勢の人は嫌だが、戦いに参加するのが楽しみでしょうがない。


そう興奮を高めていると、シーメル達が部屋に入ってきた。


「準備できたわよ!」


そう言って入ってきた3人は各々武装していた。


だが武器は今まで使っていたものではない。


まじまじと見、それがなんなのか気付いた時、俺は彼女らに驚愕した。


何故なら武器が高レアリティーで、どれも名が知れてるものだったから。


宇佐美は、重力を支配する木槌の模造品【月天複品ムーンヘヴン・レプカ


ミーシャは、火炎を生み水流を操る夫婦剣【誕炎候たんえんこう操水候そうすいこう


シーメルは、風のように軽く旋風を巻き起こす旋棍トンファー【エアミドナ・レヴェア】


もう、開いた口が塞がらなかった。


それほど、彼女らの武器は協力な物ばかりなのだ。


「ショウが変な顔をしているわ。面白いわね」


シーメルが笑いながら言った。


少しイラつく言い方ではあったが、その声のお陰で俺は正気に戻れた。


「この武器どうしたんだよ!?」


「今、前作である北方のデータを、ある程度引き継ぎできるキャンペーン中なのですよ。お金がメインなのですが、前作と種族が一緒ならば武器も持ち込みできるのです」


声を荒げて訊ねる俺に、宇佐美さんがそのように答えてくれた。


買った当初引き継無しと言っていたのだが、大会があるからできるようにしたのだろうか。


まぁ俺には関係ないことだ。


前作と種族が違うから。


それにまともな武器が装備できない吸糖鬼だ。


恐らく引き継ぎできても無意味に終わってしまうだろう。


と、考えているとき、ひとつ気になることが出てきた。


それはエイレだ。


エイレも引き継ぎしたのだろうか、したならどんな武器なのか。


俺は興味本意で聞いてみた。


「私はしてないわ、種族違うし。しかもそれほどな武器じゃないし」


するとこのような返答が返ってきた。


強そうなのを期待してただけあり、ちょっと残念である。


そんな俺を気にせず、エイレは咳払いを一つすると、真っ直ぐ俺らを見て言った。


「さて、雑談はこれくらいにして行こうじゃない。決戦の舞台へ!」


「「「おー!!」」」


みんな掛け声合わせ、右腕を高くあげる。


そして俺を完全に置いてきぼりにして行ってしまった。


「……って待てや!」


俺は慌てて彼女らの後を追っていった。


──遂に祭りが始まった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ