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オンラインで間違って最弱な鬼を選んでしまった件  作者: あるすれっと
開催、ゲームの祭典オタ杯闘争!
33/104

5-1

「けん、けん、ぱ!つきましたよーエイレちゃん、ショウさん!!」


皆様、おはよう、こんにちは、こんばんわ。


ヘロヘロヘトヘトになっているショウでございます。


なぜ疲労困憊なのかは、前にも言った宇佐美さんの天然から。


乗り場間違えて、一人だけ真逆の方向行ったからね、宇佐美さん。


それを追いかけたり、抑止するのにあり得ないほどの時間を要した。


そんなお陰で体力限界、おまけに祭りの前々日に到着という素敵仕様。


あり得ないくらいの人の量に、俺の動悸は高くなるばかりだ。


空を見て気分転換をはかる中、エイレと宇佐美は歩きながら会話をしていた。


「一先ず大会にエントリーしてから、宿を探しましょう。馬車置き場あるみたいだし、それでいいわよね宇佐美さん?」


「そうですね。強いて言うなら軽食をとりたいところでしょうか。体力がちょっと減ってしまいましたので」


「じゃあサンドイッチとか食べながら行きましょうか」


そう言って彼女らは早足で行ってしまい、俺を置いていってしまった。


いや、俺に声かけろよ。


一声くらい何の労力にもならないよな。


最悪引っ張ってくれても良いじゃないか。


俺、ずっと空を虚ろに眺めている、危ない人みたいになってるけどさ。


そんなやつ仲間と思いたくないだろうけどさ!


と、そんな責任転嫁からの自暴自棄になっていた俺だったが、ここで正気に戻る。


そんなこと考える前に、何とか合流しないといけない事に気付いたから。


さてどうしよう。


動きたいが、前を見たら間違いなく動けなくなる。


上を見ながら歩くのも自殺行為だし。


あれこれ悩む内に、俺はあることを思い出した。


そう、俺には非リア充という縁で結ばれた、ナビ子さんがいるじゃないか!!


ナビ子さんがいれば、なんとかたどり着くことができるはずだ。


俺は早速小さな声で呼ぶ。


「ナビ子さーん」




「……あれ、ナビ子さん?」




「ナビ子さん、もしもーし」




あれ、いくら待っても何の返答もない。


何でか悩む内、俺は大事なことを忘れていたことに気付いた。


それはナビ子さん、お休みの件。


何やら大会の準備や防犯の為やらで、ナビ子がアップグレードするらしい。


それ故今は反応できないとのこと。


……うん、俺やばい。


ちょっと動悸が強くなりすぎて気持ち悪くなってきた。


俺は思わずしゃがみこんだ。


「おーい、大丈夫ー?」


そんな時、どこかで聞いたことのある声が聞こえた。


これはチャンス!


見知らぬ人ら駄目だが、知ってる人物ならまだ大丈夫なはず。


俺は全ての気力を振り絞り、顔をその声のする方に向けてみた。


「えっ?」


「やっぱ君か。コート着てたから最初は分からなかったわ」


「えっ?えーっ!?」


俺に声をかけてきた人物、それは──


一話の1-5に出てきて、ゲームの商品を現実の金で売りさばいたところを、ナビ子さんの通報で逮捕されて、犯罪臭香る言葉をを言い捨てた武器屋の女の人じゃないか!!


何故こんなところにいるんだろう。


というか逮捕されたんじゃなかったっけ?


そう考えた途端、武器屋の人はいきなり口を開いた。


「何でここに、しかも逮捕された筈なのにいるんだー!!……って考えてるわね?」


「よ、よく分かりましたね」


「商売者たるもの、人の表情から何を考えているか読まないといけないからね。それくらい分かるっての」


自信満々にいう武器屋の人。


凄いと思うけど、それを詐欺に使うなんてな。


なんか勿体ない。


「詐欺ではない、ただの金集めだ」


勿体ないを通り越して、宝の持ち腐れだ、これ。


というか毎回毎回読むのをやめてほしい。


会話パートしか続かなくなるじゃないか。


「メタ発言おつかれ。さて私が釈放されてる訳は、ただ単にちゃんと賠償金を払ったからよ。んで、それから別アカウントでこのキャラ引き継いで、祭りに出るためにここに来たからいるの。理解した?」


「把握したよ」


何故だろう、嘘を言っている気がする。


だが、取り合えずは良しとしよう。


ツッコミ入れた後が怖いし。


そう心に刻んでいると、相手が話題を変えて話してきた。


「ところで君も祭りに出るの?」


「まぁ、ね。仲間が2人いるから一緒に出ようって誘われていたんだ」


「ふーん……」


何やら明らかに考えてるようなポーズをし始める武器屋の人。


なんだろう、嫌な予感がする。


「じゃあ私が会場に案内してあげるわ。見た感じ君1人で行けなさそうだし」


それはありがたい。


ありがたいんだけど、裏がある気がしてならない。


多額の金を請求するとか、ぼったくりな値段で武器を買わされるとか。


でも俺1人で行けないのも事実。


「……ありがとう、よろしく頼む」


俺は武器屋の人の提案に同意した。


どうなるか怖いが、会場に行く事が先決だ。


何かあったら、最悪エイレに押し付ければいいだろうし。


お金の恨みは大きいのだ。


黒い笑みを浮かべる最中、武器屋の人は胸に手を当てて、改まった表情で口を開いた。


「折角だし自己紹介しようっか。私はヴァイオレント=シーメルネレット。長いからシーメルって呼んで頂戴。種族は人間で、職業は商人よ」


と、そう言って武器屋の人──もといシーメルが手を差し出した。


俺は立ち上がりながらその手を握り、後に続いて名乗った。


「俺はショウ。種族は吸糖鬼だ」


「ショウ、ね。じゃあ早速案内するから、ちゃんと遅れずついてきてよ?」


「了解だ」


それを聞いたシーメルは少し口角を上げ、直ぐ様前を見据え歩いていく。


俺は遅れないよう深呼吸しながら、シーメルについていった。

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