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ハッピーエンドを求めて  作者: 蓮翔
第二章 真相編
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第2-4話 リスタート

この作品は全三章で構成するつもりです。また、私は意図せず、この作品のタイトルをこの小説家になろうに投稿されているものと全く同じのものに設定してしまいましたが、ご本人の作者様から使用の許可を頂いています。作品を読む際、どうか間違えないようにお気をつけ下さい。

花城如音「参加者全員とはまた大きく出たな。」

伊敷季毎伽「これは勝利した佐藤要、才原清一も含まれる。」

花城如音「ついに極楽人はルールも守らなくなったのか。」

伊敷季毎伽「ルール?勝利したら極楽に行けるというルールは従っているだろ。」

花城如音「あの【坂縞雷火(さかじまらいか)】のことはどう説明する?」

その人物の名を出され、伊敷季の表情は少しだけ曇んだ。だがそれは伊敷季だけではなかった。二人とも坂縞雷火という男のことを思い浮かべ、表情は暗くなっている。

伊敷季毎伽「あの女には確かに、同情する…だが!そいつとルールのことは全く関係ない。極楽に行ったあとのことはなにも明記されていないんだからな。」

花城如音「何も言わなければ、何をしてもいいのか!!」

花城如音「何も伝えない、説明しない、そんな中でデスゲームを強いられるお前らのあり方が気に入らないから、俺は極楽を出たんだよ!!」

伊敷季毎伽「一つだけ言っておこう。何も伝えない、説明しないは因果応報なはずだ。」

花城如音「…というと?」

伊敷季毎伽「獄人が殺したきた、傷つけてきたやつらだって、何も知らないままそうされたんだよ。ある日突然、その人の未来を失わせて、その人を大切に思っていたやつらの心を狂わせた。怒りや恨みは死んでも尚消えない。」

花城如音「……」

伊敷季の言葉に花城は黙り込むことしかできなかった。彼の過去を知っているからである。生前、彼の家族は全員、とある組織に殺された。正確にいうと、精神を狂わされていたらしい。組織のメンバーに脅され、犯罪を強いられ、傷つけることを強いられた。最終的に伊敷季家は伊敷季毎伽を残して、あの世へいった。

伊敷季毎伽「俺の家族がその証明だ。ちょくちょく顔を出しに行くけど、現界での話になるといつも悲しい顔してんだよ。」

花城如音「それでも、俺はこれが正しいとは思えない。」

伊敷季毎伽「そりゃそうだ。人間、自分の考えはそう簡単に変わらない。皆、自分が正しいと信じ込むんだ。そしてその中にある間違った信仰はいずれ誰かを傷つける。」

その言葉と同時に、伊敷季は椅子から立ち上がり、花城如音に背を向ける。

伊敷季毎伽「まだ猶予はある。お前が管理者に戻れば、少なくとも参加者全員に残在の可能性はある。まぁ、期待はしてない。」

そして彼は歩きだした。

花城如音「伊敷季!!」

その呼び掛けに振り返りはしなかったが、一度足を止める。

花城如音「佐藤と才原の二人にも坂縞雷火と同じ道を歩ませる気か?」

伊敷季毎伽「……」

花城如音「答えろよ。ナンバー2。」

伊敷季毎伽「……俺はまだナンバー3だ。」

そうして再び彼は歩きだし、振り返ることも歩を止めることもなかった。伊敷季は花城の前から姿を消した。



伊敷季はこの地下牢から関係者以外入ることができない昇降口へ向かいパスワードを使った認証必須の扉を開け、昇降口へ乗り出す。

扉は自動的に閉まり、極楽の地上へと上がっていく。

伊敷季毎伽「どうしようもねえだろ。」

花城の「佐藤と才原にも坂縞雷火と同じ道を歩ませるのか?」という言葉を思いだし、思わず本音が漏れ出る。

そのとき、伊敷季のズボンのポケットに封入されていた端末がプルルルと音を出し、太ももへ振動が伝わった。それに気づいた伊敷季は端末を手に取り、着信ボタンを押す。

伊敷季毎伽「もしもし、葛西か。どうした、急に電話してきて。」

端末を耳にあて、葛西という人物と話す。彼のフルネームは葛西水引(かさいみずき)伊敷季と同じ管理者でナンバー7の地位を保持している。

葛西水引「あぁ、伊敷季さん。そのー、幸奪戦争の会議のことなんですけど、、」

伊敷季毎伽「何か動きがあったのか?」

葛西水引「それが、何やら10日後に八次を始めると言っているんですよ。」

伊敷季毎伽「は?結局、花城を含めた七次参加者の処遇はどうするんだよ!?」

葛西水引「とにかくすぐに来てください。詳しいことは会ってお伝えします。」

その言葉を最後に電話は途切れた。伊敷季の中で疑惑と焦りが加速される。

伊敷季毎伽「何で急に決まってんだ?しかも10日後って。あぁもう、、腹立つ!!」

頭をかきむしっていると、昇降口の扉が開かれ地上へとたどり着く。扉が開いた途端、伊敷季は走りだし、すぐさま葛西のところへ向かった。走ること約5分、葛西がいる、幸奪戦争の今後を決める会議の場へ到着し、葛西と合流する。

葛西水引「伊敷季さん、早いですね。もしかして武召喚しました?」

伊敷季毎伽「ベーシックだからな。使ってもあまり問題がないんだよ。」

葛西水引「とりあえず、今から情報送るので頭貸してください。」

伊敷季毎伽「え、あ、あぁ。そういやお前アナリストだったな。」

そうして額を葛西の前につき出す。つき出した額に葛西の右手が触れられ、伊敷季の脳内に記憶の映像が流れ込んでくる。

伊敷季毎伽(これは、、)



黒田竜位「幸奪戦争などもうやめるべきだ!!今回のように在り残る参加者が多ければ、クーデターやテロの可能性も拭えなくなる。六次までは花城如音という存在がいたからよかったものの、今は我々の脅威となった。早急に彼らを処分すべきだ。」

きれいな会議室。高価な黒い椅子が五つ並べられ、一つのテーブルを囲んでいる。その中で60代ほどの白髪の黒田という男が声を張り上げていた。

石井泰和「落ち着いてください。そもそも七次の参加者を倒す力が我々にあるんですか?花城如音だけじゃない。我殺狂助や伍代翔地なども管理者の手に負えるか少し怪しい。」

今度は30代くらいだろうか。メガネをかけたスーツ姿の男性が丁寧な口調で話している。

桝田小春「確かに、そこは聞いておきたいですね。管理者ナンバー1と言われている【榎宮優】さん。あなた、もしくはその部下に七次の参加者を抹消できますか?」

今度は女性だ。恐らく桝田の秘書的な役割を担っているんだろう。そして問われている男は自分も知っている。現管理者ナンバー1の男だ。

榎宮優「まず、皆さんにお聞きします。彼らを抹消する必要性はどこにあるんですか?」

石井泰和「喧嘩売ってるんですか?七次の幸奪戦争は明らかに異常だった。在り残った参加者の数、その参加者の実力、花城如音という最大の味方が敵に回る可能性、第二次以来の勝利者が出てきたこと、これでクーデターでも起こされたら我々は勝てないと言っているんです。」

榎宮優「そうですね。確かに我々なら七次の参加者たちに勝てる、と啖呵を切ることは言えません。幸奪戦争の勝利者が新たに2名増え、そのものの監視に一人ずつ管理者を削がないといけなくなりました。地下牢に封鎖されている花城如音にも監視を置くので、機能する管理者は私を含め5人しかいません。」

黒田竜位「ならば我々にはどうすることもできんのか…?」

榎宮優「そこでみなさんに一つ提案があります。」

石井泰和「提案…?」

榎宮優「みなさん、冥界で二度命を落とすと存在が抹消されるのはご存知ですよね。」

石井泰和「えぇ、その原理はみんな知っています。二度死んだものは例外なくいずれ完璧にその存在を忘れてしまう。」

榎宮優「我々はその存在が抹消された魔物を利用して参加者を倒そうと考えています。」

榎宮優の言葉に黒田、石井、桝田の三人は困惑の表情を浮かべることしかできなかった。彼の言葉に理解を得られないからである。

榎宮優「ここからは、この男に説明してもらいましょう。神楽士郎、発言を許可する。」

ここで五人の中で唯一何も喋ってなかった男がついに口を開く。

神楽士郎「はい、それでは魔物の説明に…」

黒田竜位「まてまてまてまて。」

神楽士郎「はい?」

黒田竜位「おい、榎宮。もしかしてお前のいった提案とやらはこの監視者が出したものか?」

榎宮優「はい、そうですが?」

黒田竜位「ちっ、話にならんな。」

呆れた物言いで席を立ち、会議室の扉へ足を向け出した。

神楽士郎「監視者の出す提案には、聞く耳持ちませんか?」

その問いかけに黒田の足はぴたりと止まった。そして蔑んだ目を神楽にやり、こう言い放つ。

黒田竜位「そうだ。監視者の言葉に信頼も信用もない。お前ら監視者はいわば模範囚のようなものだ。我々に媚びるのが上手かっただけの薄汚い豚と同じ。」

榎宮優「ですが、私は彼の提案に心を惹かれましたよ。」

黒田竜位「管理者も堕ちたな。この冥界で警察の役割をしているトップのお前がそんなことを言うとは。」

榎宮優「神楽の提案は我々の理想と合致しているものでした。我々に何の損害もない。」

黒田竜位「この年になると、何の損害もないという決まり文句が一番恐れる対象になるんだ。それと、私は昔からこいつを信用していない。」

石井泰和「黒田さん、一度聞いてみてはいかがですか?」

今度は石井が口出しし始める。蔑んだ視線の対象は神楽から石井へと移り変わる。

黒田竜位「ここを出るのは聞いてからでも遅くないと言いたいのか?」

石井泰和「えぇ、その通りです。さすが冥界の総理大臣。」

皮肉とも煽りともとれるその言葉に対する怒りを黒田は深呼吸で一旦沈め、静かに席へ戻った。

黒田竜位「無駄な時間をとらせた。説明してくれ。」

そしてようやく神楽の発言に全員が許可をする。

神楽士郎「はい。ては、まず皆さんが謎に思っている存在を抹消された魔物について説明致します。あの魔物は…」

その言葉の続きを伊敷季は見て聞いて、絶句してしまった。そして神楽士郎の魔物の説明、その説明をきいたのちに、石井と桝田は快諾し、黒田もしぶしぶ承諾した。八次の幸奪戦争を始めることを。神楽の提案を受け入れることを。そうして、葛西水引が与えた情報の映像は途切れ、現実へと引き戻される。


伊敷季毎伽「これが、可決されたのか…?」

葛西水引「えぇ、もうその準備に取りかかっています。招待状の配布も。」

伊敷季毎伽「…榎宮優は?」

葛西水引「もういかれました。」

伊敷季毎伽「もう止められないか…」


それから数時間後、地獄で招待状の配布、失格者たちに召集の知らせが伝えられた。それぞれの家のポストに切手型の紙が入れられる。その紙に場所と日時が記されていた。

榎宮愷「10日後に幸奪戦争を始める。指定の時間と場所に向かえ…」



伍代翔地「いよいよか…」

互いの思いや思惑が交差し、ぶつかり合う。幸せを奪い合う戦いがまた始まる。

最後まで読んで頂き誠にありがとうございます。初の投稿作品ですので、まだ粗削りで不出来なところもあるでしょうが温かい目でこれからこの作品を見守って頂ければ幸いです。作品を読む際に【ハッピーエンドとはどういうものなのか】このことを念頭に置きながら読んで頂ければ、より一層深くまでこの作品を楽しめると思います。これからもこの作品を皆さまに楽しんでいただけるよう、精進して参ります。

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