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ハッピーエンドを求めて  作者: 蓮翔
第一章 ただの殺し会い
64/73

第64話 自分探し

この作品は全三章で構成するつもりです。話の更新される日が不安定なことがあります。一応週一以上の頻度で更新するつもりですが、できなかった場合はどうかご容赦ください。

また、主人公を決めつけてこの作品を読み進めると、その主人公と決めつけたキャラに対して落胆の感情を抱く可能性があるので、この作品に主人公はいないと思いながら読むことをおすすめします。

この作品は全三章で構成するつもりです。話の更新される日が不安定なことがあります。一応週一以上の頻度で更新するつもりですが、できなかった場合はどうかご容赦ください。

また、主人公を決めつけてこの作品を読み進めると、その主人公と決めつけたキャラに対して落胆の感情を抱く可能性があるので、この作品に主人公はいないと思いながら読むことをおすすめします。

才原清一「大分エリアか狭くなっている。」

学校から出て、少し辺りを歩き、周りを見渡す。辺りには紫根に染まった結界の壁が四方を囲み、徐々に迫っている。

才原清一「もう本当に、終わりが近づいているってことか。」

桐生亜衣「そりゃそうでしょ。もう参加者は7人しかいないんだし。」

背後から聞き覚えのある声がした。振り返るとそこにサイドテールの茶色ががった黒髪を模した二十分前にも会った女性が立っていた。

才原清一「お前、、あいつはどうした?」

桐生亜衣「参加者が7人しかいないっていうのが答えなんじゃない?」

才原清一「…即席の協力者じゃこの程度か。めんどくせぇ。」

桐生亜衣「君に愷くんは消させない。何の恨みがあるのかは知らないけど、私は彼の味方でいるって決めたの。」

才原清一「わかんねぇな。あいつにそこまでする価値があるとは到底思えない。」

桐生亜衣「そんなもの私だって分かんないよ。」

才原清一「…セカンド」

武召喚を行い、両手にハサミ型の武器が投影される。

才原清一「最後の忠告だ。俺の邪魔をしないなら見逃してやる。勝利条件次第ではお前は極楽に行けるかもしれない。」

桐生亜衣「私一人だけ行っても意味がないの。ファースト。」

最後の忠告を当然のように、拒絶し武召喚を行う。彼女の右手に巨大な槍が投影される。

才原清一「…消えろ。」

目の色を変え、殺戮と無情の表情へと変貌を遂げる。そうして、榎宮愷をかけた戦いが始まった。


~一方その頃~

木々が繁茂し、風は吹き荒れていた。もし、ここに参加者以外の生態系がいたら、虫の鳴き声や日照りの熱を感じ取れていたのだろうか。そう思えるほどに爽やかで、晴々とした風景だった。その風景を台無しにするかの如く、現在、二人の男と一人の男が殺意を交わし、対面している。

福山幸多「フフフフフ、、はははははははははははははは!!!!」

自身の正面にいる二人の男、榎宮愷と我殺狂助の姿を確認し豹変したかのように爆笑する。

福山幸多「いやーよかったよかった。これで監視者になることができそうで何よりだよ。」

福山が監視者になる条件。それは榎宮愷と我殺狂助を消滅させること。

我殺狂助「榎宮愷、分かっているな。お前はここで消える確率が非常に高い。それは、自分が一番理解しているはずだ。」

榎宮愷「あぁ、わかってる。でも、俺はここで消えるつもりはない。」



数時間前のこと

榎宮愷「俺を福山を倒すのに利用する?」

我殺狂助「今の俺は満足に戦闘を行える状態にない。腹部の傷だけじゃなく、何ヵ所か骨もやられた。おまけにあいつは莫大な数値でソイーブルをしている。俺一人では勝てん。」

榎宮愷「それが条件ってことか。」

我殺狂助「俺はお前のことなどはなから微塵も信用していない。最初はお前のことを消すつもりでいたしな。正直今すぐにでも消してやりたいと思っている。だが、今のお前は現界にときに会ったお前とは少し違うように見える。だから少しだけ消すのを遅くしてやる。お前が少しでも変な動きを見せる、使えない状態になったと判断したら即座に切り捨てる。福山を倒したときにお前がまだ残っていたらそのときは教えてやる。お前の犯した罪をな。」

榎宮愷「……わかった。」



福山幸多「フンッ!!」

福山の右手に握られている剣を上から下へ直線的に振るう。振るわれたその剣先から棒状の光線なようなものが放たれ榎宮と我殺のもとへ直進する。

榎宮・我殺「ファースト」

二人の右手にそれぞれ大きさは違えど剣が投影される。投影された瞬間にその剣を光線に向けて振るう。振るわれた二つの剣はクロスし、光線の威力を相殺する。相殺したとほぼ同時に二人が持つ剣は崩壊する。

我殺狂助「ファーストだったらこんなもんか。」

榎宮愷「あいつの数値あとどれくらいあるんだ?」

我殺狂助「知らん。500くらい?」

榎宮愷「それに対して俺らは?」

我殺狂助「俺の数値はあと110。」

榎宮愷「俺はあと50。まずいな。」

三倍以上ある武召喚数値の差。万全ではない状態での戦闘。この戦闘は榎宮と我殺にとって不利であることはいうまでもない。

福山幸多(ただ、ここまで残ってきた連中だ。簡単に倒せる相手ではない。少なくとも我殺狂助は腹部に大きな傷を抱えているにも関わらず、自身に攻撃する隙を与えず、ギリギリのところまで私を追い詰めた。)

何の考えもなしに戦いを挑んできたわけではないだろうという福山の予想は当然、当たっている。福山幸多と遭遇する二時間前に打ち合わせは行われていた。


我殺狂助「福山の持つ武召喚数値は恐らく、この幸奪戦争の参加者の中で最も多い。それも断トツだ。だからその数値を可能な限り減らす必要がある。」

榎宮愷「できるだけ長期戦に持っていくってことか?」

我殺狂助「そうだ。ソイーブルは一度効力を失うと二度と使えなくなる。アンティワームにとってソイーブルが切れることは避けたいはずだ。効力を持続させるためには武召喚数値を消費しなければならない。あいつの数値がどのくらいあるのかは知らんが、最低でも200まで減らせ。」

榎宮愷「ソイーブルをすることによって減る武召喚数値のスピードはどれくらいだ?」

我殺狂助「ソイーブルだけで100減らそうと思ったら、一時間は耐えないといけないはずだ。」

我殺狂助「やつの数値が200以下になったら必ず勝たせてやる。」


榎宮愷(てことは、3時間粘れってことかよ。)

我殺狂助の考えた作戦というのはもはや、作戦といえるのかすら怪しい。【福山幸多の武召喚数値が200以下になるまて囮になれ】とかいう脳筋じみたものだった。

榎宮愷(三時間囮にならなければ、俺は消える。やるしかない。)

榎宮愷「フイフズサモン!!」

五つの武召喚数値を自身の身体強化に費やす。

榎宮愷(武器を投影したところで、福山が素振りすればすぐに壊れる。なら、、)

強化されたその足をバネのように扱い、飛び出るかのように福山に急接近する。

榎宮愷(攻撃はしない。あくまで膠着状態を保つ。)

福山幸多「…小賢しい。」

榎宮愷のやりたいことをなんとなく察し、ある決断に至る。

福山幸多「フィフティ」

クジャクの羽のように大量の剣が空中で投影される。空中で止まっているその剣は全て榎宮愷を向いている。

福山幸多「消えろ。」

その言葉と共に、空中にある剣は全て榎宮のもとへ向かう。50本の剣の雨が榎宮を襲う。

榎宮愷「くっ!!」

我殺狂助「怯むな!」

榎宮愷「!?」

50本の剣の雨が降り注ぐ。いつの間にか榎宮の近くにいた我殺はその降り注がれた剣を二本掴み取る。両手に福山が投影した剣を持ち、榎宮に向けた残り48本の剣をその二本の剣で全て弾き返す。弾き返された剣は衝突した衝撃とともに遥か遠くへ宙を舞いながら落下する。

我殺狂助「さすがだな。課金した武器は伊達じゃねぇ。」

福山の投影した武器の威力や強度に感心しつつ、一本を榎宮に投げ渡す。

福山幸多「ちっ、ならば!!」

複数の武器を投影する、数で攻めるやり方は我殺狂助には通用しないと理解し、サモンを使った武召喚を行おうと口を開く。

福山幸多「フィフティさ、、」

榎宮愷「フッ!!」

言い切る前に、榎宮の拳が福山の腹部を凹ませる。その腹部の衝撃で福山の口から唾液が吐され、数メートルほど後ろへ飛ばされる。

福山幸多「ガハッ!!」

我殺狂助「ボコボコにすれば数値の消耗も激しい。遠慮はいらない。」

榎宮愷「言われなくても。」

そうしてまた福山幸多のもとへ急接近する。福山はその反応に一瞬遅れ、焦って、戦闘の体制を整えるのに全ての意識を注ぎ榎宮の攻撃を防ぐことができずに終わる。福山が動揺している隙に榎宮は風呂場で足を伸ばすかのような動きで福山幸多の腹部を蹴る。体は後ろへ移動しながら仰向けの状態で地に伏し、その上から榎宮が馬乗りになる。焦る福山の顔を確認した後、その顔面を右手、左手、交互に手をグーにして思いっきり激突させる。激突する度に福山の口や鼻から血が放出される。

福山幸多(まずい、まずい、まずい!!)

殴られる度に焦りが増幅する。今、自身を殴っているその手を止めなければ福山幸多という男は数値を失い敗北する。自身を殴っているその手の動きを止めようと自身の右手をちょうど自分を殴ろうとしている左手で受け止めようとする。

福山幸多(一瞬でも隙が生まれれば武召喚ができる。)

だが、榎宮の左手を自身の右手で受け止めたと同時にすぐさま榎宮の右手が福山の顔面を殴る。

福山幸多「がはっ!、ガバッ!!グハッ!」

我殺狂助(やはり攻撃スピードでごり押すというのは福山には効果的みたいだな。アンティワームの弱体化はソイーブルで賄えると思っていたがそうではないらしい。どこかの身体能力が劇的に弱体化している、または武召喚が適用されないのかもな。)

福山幸多(まずい、このまま殴られ続けれられると本気で消える…)

あまりに単純な方法で追い詰められていることに対し、屈辱感を覚えつつどうにかこの状況を打開できないか思案し、彼は一つのことを思い出した。

福山幸多「君は、、才原祐一という男を知っているかい?」

榎宮の手が止まる。

榎宮愷「あいつのことを何か知っているのか?」

福山幸多「このゲームに紛れ込んでいた監視者と話してその名前が出てきましたね。何やら、君と関わりがあるそうだね。」

榎宮愷「答えろ!!あいつは今どこにいる!?」

榎宮愷(もし、俺の中にいるパートとかいうもう一人の俺のいったことが本当なら、俺は才原祐一によってこの幸奪戦争に参加している。地獄に来た理由を知りたいという建前上の理由をつけられて。)

福山幸多「なんか君、私と似ているね。」

榎宮愷「……は?」

福山幸多「いや、すまない。自分を取り戻すために戦っているように見えて。」

福山幸多「それでその才原祐一という男だが、私が会った監視者の話からするに少しおかしいのだよ。彼は本来、、【冥界からも消えているはずなんだ。】」



ゲーム開始から六日と十二時間

残り参加者7人



最後まで読んで頂き誠にありがとうございます。初の投稿作品ですので、まだ粗削りで不出来なところもあるでしょうが温かい目でこれからこの作品を見守って頂ければ幸いです。作品を読む際に【ハッピーエンドとはどういうものなのか】このことを念頭に置きながら読んで頂ければ、より一層深くまでこの作品を楽しめると思います。これからもこの作品を皆さまに楽しんでいただけるよう、精進して参ります。

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