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第九話 呪い

朝彼らの元に戻り貴族だったころから彼女をさらうまでの今までの詳しいいきさつを語ってくれた。話を終えてこれからどうするかを彼らに聞く。


「自由の国へ行って二人で暮らそうと思う。ツテがあってね、その人を頼ろうと思っている」


向かう場所は彼女が一人の時と同じか。


「そのままの姿で自由の国に?」

「いや、彼女には特技があってね、化粧が得意なんだ」


化粧をしてほぼ違う顔にしてしまうという話。これこれ、この情報を引き出したかった。


「よかったらミリアにも施してもらえるか?」

「かまいませんよ」


彼女が指定した道具を購入し持ってくる。そして手慣れた手つきでミリアに化粧を施していく。少しして完成。こちらにお披露目に来たが一瞬誰だか分らなかった。


「本当にミリアか?」

「もちろんだ」


女は化けるというがここまでとはな。しかもとてもキレイだ。


「そ、そんなに見つめないでくれ」

「すまない」

「やり方を教えておきますね」


説明を聞きながらミリアは自分でも化粧に挑戦している。これで彼女の顔を見て気が付ける人間はいなくなった。


「これから一旦街へ行ってそこから自由の国だ。それではな」

「元気でな」


二人を見送る、死んだまま出国するのは忍びないと親御さんに挨拶をしていくとか。それがいい、彼らなら祝福してくれるだろう。


「色々解決したな、残りは剣だ」


顔が変わったがどうしても派手な配色の呪いの剣が目立つ。これも一応方法は考えてあり準備もしてある、ただできるかどうかがわからない特殊な方法になってしまうが。彼女を連れここから近くにある洞窟へ向かう。霧が出てきた、この霧は目的地の洞窟から出てきている。洞窟に到着、入り口から霧がゆっくりと吹きだしている。その名も霧の洞窟、奥にいくつか滝がありその飛沫が霧になって入り口から漏れ出している。普段は危険ということでだれも見向きもしない洞窟。目的の場所はこの奥にある。二人で洞窟に入っていく。明かりをつけても霧が立ち込めていて非常に見通しが悪い。洞窟内部を記憶している俺にはそんなに関係ないけれど。


「ここだ」


立ち止まって左右の壁、床を叩きだす。急にどうしたと心配そうに見つめるミリア。これでよしと。どこかからゴゴゴと何かが動く音が聞こえると、俺の横にある壁が開き中に入れるように。この奥には隠しボスが住んでいる。ラスボスを倒せるくらいでは道中の雑魚すら歯が立たない、いわゆるクリア後のお楽しみってやつだ。二人で長く続く道を歩いていく、そして奥に広がっている場所を見つけ入っていく。


「こんな場所が」


大きな地下の空洞に城が建っている。この城は霧幻城と呼ばれる城で様々な仕掛けがある特殊な城。入り口からは入ると魔物がいるので魔物がいない裏口へ向かう。ぐるりと城の裏手まで移動、壁が割れていてそこから入ることができる。


「これから呪いの解除を試してみようと思う」

「いいとも、全てリオに任せる」

「これから全裸になってもらう」

「ええっ!?」

「失礼、下着はそのままだ」


霧幻城一階は全裸階と呼ばれていたからそのまま彼女に伝えてしまった。城に入ると強制的に装備を脱がされてしまう。それは呪いの剣も例外ではない。喜ぶミリアだが一階から出ると元に戻ってしまう。一階で装備を変えようとしても受け付けない。


「これから俺が言うとおりに動いてみてくれ」

「わかった」


まずは二階階段まで移動して装備が元に戻る寸前のところへ。そこで買っておいた黒金の剣を装備する、しかし装備はされず裸のまま。その状態で二階へ。


「こ、これは、一体どうなった」


呪いの剣に変化が起きる。見た目が黒金の剣になり、攻撃力が黒金に、そして攻撃回数は3のまま。これは原作にだけある武器合成バグ。元々持っている武器をA、装備したい武器をBとする。合体した場合見た目はB、能力はお互いが合体しいいとこどりの能力に、そしてなんと呪いが解除されるといたれりつくせりの裏技。


「成功だ、呪いを解除できた」

「そうか、まさか解除してしまうとはな。一生このままだと思ったよ」


満面の笑みで話すミリア。呪いから解放されてうれしいようだ。


「ただの少年だと思っていたが、本当に何者なんだ」


どうしようか、ここで話してしまうか。適当に誤魔化すのはやりすぎたから難しい。そうなると彼女を巻き込むことになる。だけど今ミリアと別れるというのもそれはそれで心配だな。本来の彼女の運命は死、離れると死が待ち受けている可能性も。身バレしたりしたら大変だ、騎士団の件はいつまでもついて回るからね。なら思いっきり巻き込んで彼女の近くにいることにするか。


「実は別の世界からきてね。この世界のことは知っていてミリアの死の運命を変えたかったんだ」


固まる彼女、突然そんなことを言われればそんな反応になるわな。


「それなら説明がつくか。あまりにも知りすぎているとは思っていた、納得したよ」


どうやら受け入れてくれたようだ。それでも人類滅亡の件は秘密にしておこう。今出すと情報量が多すぎて混乱してしまうだろう。徐々にだな。


「悪いがこの話は」

「もちろん秘密にしておくとも、これからもよろしく頼む」

「ああ」

「ふふふ、二人だけの秘密だな」


こちらにウインクをして口元に人差し指をつけるミリア。いつもと違いいたずらっぽい行動にドキリとする。

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