優等生
如月美伶。彼女はまりと同じ組で試験でまりと一番二番を争う優等生だ。
女学校の守衛に確認をしたところ、まりが朝7:00に学校へ入ってくるのが見たと言われた。
「私が登校してたときには既に貼ってあったわ。そのまりさんの写真。」
「写真を見て何とも思わなかったの?外そうとか。」
ゆきが尋ねる。
「そうね、私まりさんが少し癪に障るからいい気味だと思ってそのままにしておいたわ。」
美伶は学年で全教科最上位の成績優秀な生徒だ。いや、成績優秀な生徒であった。まりが編入してくるまでは。しかし昨年まりがやって来たことにより1番の座はまりに、そして美伶は2番になってしまったのだ。
「学年で一番じゃなくなった途端お父様もお母様も私に見向きもしなくなったわ。」
美伶の話を聞いてももかは不可解な点があった。
「美伶様、朝一番に登校したのは嘘ですよね?」
ももかはあの朝まりの教室へと行った。級友達に責め立てられているまりの手を引いて教室を出ようとした時入り口で鉢合わせしたのは鞄を持って袴で登校してきた美伶であった。
「あの時は図書室から戻ってきたばかりよ。家だとお父様やお母様に小言を言われるから図書室で勉強してるのよ。」
そう言って美伶は鞄から図書室で借りた本を取り出す。英語で書かれた海外文学だ。
しかし図書室の受付の生徒が来るのは7:30だ。
「先生に頼んであけてもらったわ。貴女の学年の杉下先生に。」
杉下先生とはその日宿直だった先生だ。
「聞いてみれば分かるわ。それに図書室の貸し出し表にだって私の名前と本書いた日付と時間が書かれてるはずだわ。それから」
美伶はゆきに人影を見たと告げる。
その後ゆきはももかを連れて職員室に杉下先生に確認に行った。美伶に図書室の鍵も渡した。ちなみに宿直室から出れたのは6:50。その時間に出勤してきた教頭先生も証言してくれた。
図書室にも行って受付の生徒からも貸出名簿を見せてもらったら3月3日の名簿に美伶の名前はあった。そこには7:30と時間も記されている。
つまり美伶の発言には矛盾がない。アリバイが証明された。
「だけどももかちゃんは美伶さんを疑ってるのよ。まりさんに一番を取られたのが気に入らなくてやったって。えりちゃんどう思う?」
事務所に戻ったゆきはさっそくえりに相談する。
「動機はあるが証拠はないのか。なあ、美伶さんが見た人影ってどんな娘だ?」
美伶は遠くからだから顔は見てない。だけど袴姿だったから生徒の誰かだと言っていた。
その娘の上衣は黄色い生地に毬の絵がかかれた振り袖だったらしい。
「黄色に毬?!」
えりは何かを思い出した。
(一か八かかけてみるか。)
「ゆきちゃん、明日もももかちゃんの学校に行ってほしい。今度は僕も一緒に行く。それから有力な助っ人も連れてな。」
えりはどこかに電話をかける。




