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獣人辺境伯の心配は尽きない~白耳うさぎは黒狼を翻弄する~  作者: 朝比奈 呈
ヒーロー目線(⊃-_-)⊃ 
33/107

33話・役得? なんて考えていたら


 過ぎた日々に思いを馳せていたら、シュネが言った。



「お姉さまは髪を結うのがとてもお上手なのよ。髪結いになりたかったって言ってた」

「それは無理だろうな」

「どうして? お姉さまは誰よりも上手で才能があると思うのに?」

「リズは俺と結婚する事が決まっている。髪結いだなんて貴族の奥方がすることじゃない」



  夢見がちなシュネに、リズは俺と結婚する事が決まっている。辺境伯の妻となったら髪結いどころじゃないからな。と、言えばふくれた。



「そんなのおかしいわ。どうして貴族令嬢は髪結いをしてはいけないの?」

「そうよ。王妃さまだって髪結いの係りの女官をお持ちだわ。その人達だって貴族の身分をお持ちじゃない? どうしてお姉さまはやってはいけないの?」

「それは──、こればかりはリズには諦めてもらうしかない」



 貴族の奥方は手に職など持たないのは現状だ。それを説明しても、今の五つ子達には理解しにくいだろうな。と、思っているとそれぞれ俺の腕をもち、二手に分かれて引っ張り出した。



「アーサーの横暴」

「アーサーの馬鹿」

「アーサーなんて嫌い」

「アーサーのいけず」

「アーサーなんてお姉さまに振られちゃえ」



 俺を非難しながら、五つ子らはお互いに相手をけん制するように腕を引っ張る。おいおい、これはどうなっているんだ? こいつ等そろそろ思春期だっけ? 理解不能な行動に入ってきたぞ。

 腕に纏わり付く五人は可愛いけれど。

 役得? なんて考えていたらびりりっと派手な音が上がった。



「おっ。おい、こらぁ。おまえ達、しがみ付くな。あっ」


 上着の片袖が肩から外れていた。五人はパッと俺から離れうな垂れる。自分達の仕出かしたことに気が付いたようだ。


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