32話・未来の舅との仲は安泰でいたいからな
「お、シュネ。今日も髪型可愛いな。リズに編んでもらったのか?」
「そうよ。いいでしょう? スノーとお揃いなの」
「シュネとお揃いでだけど、リボンの色が違うんだよ」
「シュネがピンクで、スノーがブルーなのか。分かりやすくて良いな」
リズは手先が器用だ。妹達の髪まで綺麗に編んでいた。しかも五つ子が見分けが付くようにそれぞれリボンの色が違う。おそらくこいつ等の好みの色なんだろうけど。
「見てみて。アーサー。わたしの髪形、可愛い?」
「ああ。よく似合っている。ニィーベのはお団子頭か?」
「うん。ネージュも、ブランシュのもそうなの」
「おまえらのリボンはニィーベが黄色で、ネージュが赤、ブランシュがグリーンか。リズも器用にやるもんだなぁ」
こいつ等が赤ん坊の時は、ミルクをあげたりオムツを替えたりしたこともあったな。子供の頃の記憶が蘇ってきた。皆大きくなったもんだ。あの頃は大変だったけど。
いつも遊びに行くと、リズの母が寝付いていてリズが乳母の手伝いをしていたものだから、必然と手伝うようになっていた。
カミーレは「ちびっ子、苦手~」って言って、五つ子がハイハイするようになって後を追い掛けられると逃げ回ていた。
そのせいか五つ子らが幼児で口を利くようになってくると、「アーサーとけっこんしゅる」と、言って纏わりつくようになって大変だった。それを聞いたベクトル伯爵が拗ねてて「こういう場合、大きくなったらお父様と結婚したい。って言うもんじゃないのかね? アーサーくん」と、睨まれてどんなにヒヤヒヤしたことか。
未来の舅との仲は安泰でいたいからな。




