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黒竜

 かの穴は山の中腹はら


 入口近きところは


 石に苔などむしたるを


 下の方はいたく乾きて


 潤いなく見ゆ


 底見えぬ此穴


 冥途の穴なり






 二つの大陸の間に横たわるガンレム海。


 大小様々の島がそこにはある。


 集落を形成出来るくらいの大きな島から、満ち潮になると隠れてしまうような小さな島まで。


 そんな島の一つ。


 人は住まぬが、嵐の日に船が避難できる程度の大きさの島。


 周囲は切り立った崖。


 その崖の中腹に、その洞窟はあった。


 『冥途の穴』と呼ばれる洞窟。


 洞窟の奥から響く冥府からのうなり声を聞いた者は病に伏し、この洞窟のほとりに立った者は、必ず死ぬと言われている。


 入口は、大人がかがんで入り込める程度だが、すぐに立って歩けるほど天井が高くなる。


 が、それもつかの間、奥に進むにつれ、急激に天井が低くなり、最も奥では人が一人、腹ばいになってようやく通れる程の大きさとなって、さらに奥へと延びている。


 漆黒の闇の向こうへと延びる岩の隙間を進んでゆくと、言い知れぬ恐怖に襲われる。


 それに耐え、なお奥へと進むことのできる人間は、誰もいない。


 だが、もし、それに耐え得ることができたなら。


 そして腹ばいになったまま、10時間あまり進むことができたのなら。


 その者は光を見いだすことができるだろう。洞窟をはい出し、青空を見ることができるだろう。


 そこは、この島の中心。険しき崖に囲まれた平地。洞窟を通る以外には、翼あるものでなければたどりつくことのできぬ場所。


 そこが彼の住処だった。


 彼は、人ではなかった。


 洞窟を通らずに、この地へ来れるもの。


 翼あるもの。なれど鳥にあらず。


 その羽ばたきは、突風を巻き起こし、吐く息は毒を持っている。


 身体は漆黒に輝く鱗に覆われ、巨大な角と、牙と、爪を持つ。


 そう、彼は竜族(ドラゴン)だった。


 黒き竜であった。


 そして。


 年老いていた。


 気の遠くなるような長い間、彼は一人だった。


 若い頃には妻もいた。子供もいた。


 しかし今、彼は一人だった。


 一体いつのころから一人だったのか、それすら忘れるほど長い間、一人だった。






 そんなある日。


 来客があった。


 客人は、どうやら『冥府の穴』を通り抜けることに成功したらしかった。


 客人もまた、ただの人間ではなかった。


 オグマの竪琴と、宝珠を持つ、ハーフエルフ。


 客人は『使命』を負っていた。


 リート、と名乗るその客人は、彼に頼んだ。あなたの力を宝珠に込めてほしい、と。


 そこで彼は、その客人に『試練』を与えた。


 『大地(アース)の力でつくる泥人形(ゴーレム)100体を倒すこと』


 青ざめながらも竪琴に仕込んだ短剣を手に『試練』に挑んだ客人は、呆気なく倒された。


 『緑竜の妙薬』で傷を治した客人は、改めて彼に頼んだ。


 『試練』を乗り越えられるよう、修行させてほしい、と。


 彼はそれを承諾した。


 だがそれは、客人のためでも、『使命』のためでもなかった。


 いい退屈しのぎになると思ったから。


 それだけだった。






 数十個の土の塊が宙に浮かぶ。


 それが次々にリートを襲う。


 大地に沈んだ土の塊はほどなく再び浮かび上がり、またリートを襲う。


 降り続く土の塊を必死で避ける。


 避け損なった土の塊が身体を打つ。


 衝撃に身を縮めている暇は無い。


 泥まみれになりながら夢中で避け続ける。


 永遠とも思える時間。


『そこまで』


 黒竜の声と同時に浮かんでいた土の塊がスウッと大地に吸い込まれた。


『回避率20%ってところだ。話にならん』


 座り込み、息も絶え絶えのリートに冷たく告げる黒竜。


『お前、半分とは言えエルフだろう? もう少し身のこなし、軽くしろ』


『……す………すみま………せ………』


 荒い息の中、辛うじてそれだけ答えるリート。


『立て。もう1回だ』


 ふらつきながら、何とか立ち上がる。


 再び数十個の土の塊がふわりと宙に浮かぶ。


 が。


 最初の一つを避け切れず、リートはそのまま地に伏した。


『チェ。もう終わりかよ。気を失った相手をいじめても面白くないな』


 黒竜は土の塊をそのまま重力に委ねると、己の寝所へと引き上げた。


 リートは、土に半ば埋もれた形でその場に取り残された。




 その夜。


 与えられた寝所――といっても雨の当たらない岩陰に、旅の途中で手にいれたマントを広げただけの場所だが――にへたりこむと、リートは立て掛けてあった竪琴を手に取った。


 タン………


 弾き出された弱々しい音が、疲労の度合いを語っている。


 弱い、だが確かな音が辺りに響く。流石に歌う元気は残ってない。


 最後の音を弾き出すと、リートは、ほおっとため息をついた。


 疲れ切った身体に、心なしか元気が戻っていた。


『――成程な』


 不意にかけられた声に、ぎょっとして振り返る。


 目の前には黒竜の巨大な牙。


「うわッ」


 反射的に後ずさる。


『……大袈裟な』


 不機嫌そうに鼻を鳴らす黒竜。


『ま、いっか。それよりお前、その竪琴は伊達じゃあなかったってわけだ』


『え、ええ……』


 不安気にうなずく。

 もしや「修行の邪魔だ」と竪琴を取り上げる気では、との思いが頭をよぎる。


『そう警戒すんな』


 ニヤリと笑う黒竜。


 ドラゴンの笑いというのは、やはり怖い。


『取り上げる気はねえよ。その様子を見る限り、お前にとって音楽は活力剤ってとこらしいからな。そうだろ?』


『……はい』


 リートは肩の力を抜いた。だが。


『つまりそいつさえあれば、少々手ひどく痛め付けたところで、お前は何とか持ちこたえられるってことだ』


 黒竜のセリフはリートの前途を暗黒に塗りつぶした。






『この島のどこかに、ティスの花が咲いている』


 ある日黒竜はリートに告げた。


『ティスの花?』


 リートは驚いて聞き返した。


『まさか。あれは湿地帯に咲く花ですよ。こんな島に咲くはずが……』


『それが、咲くんだな』


 ニヤニヤと笑う黒竜。


『そいつを探して持って来い。ただし』


 ジロリと睨み、条件をつける。


『妖精や精霊の力、借りるなよ』


『……』


『見つけるまで帰ってくるな』


『……はい』


『あ、当然、あっちこっちで泥人形(ゴーレム)が襲ってくるから気をつけろよー』


 出掛けるリートの背に(とど)めの一声(いちげき)。リートは大きくため息をついた。






 一週間後。


 満身創痍でようやく持ち帰った、たった一輪のティスの花を受け取ると、黒竜はそれをヒョイッと口の中にほうり込み、むしゃむしゃと食べてしまった。


 呆気に取られるリートに、黒竜は言った。


『う~ん、まだちょっと熟してないなあ。酸味が強い。もう一回取ってこい』


 リートはその場に突っ伏した。






『ようし、回避率100%』


 黒竜の口から待ちに待ったこのセリフが出るまで、3年かかった。


『よくやったなあ』


『ありがとうございます』


 肩で息をしながら答えるリートの身体には、一片の土もついていない。


『よおし、それじゃあレベルアップするか』


 いきなり地面から、今までの2倍はある土の塊が浮き上がった。


『言っとくが、堅さも2倍だぞ。当たったら前よりずっと痛いからな』


 ちなみに、動き出した土の塊は、その速さも2倍になっていた。


『~~~~ッ!』 


 リートは半分泣きながらそれを避け始めた。






『ゾルグって……あの深海魚のゾルグですか?』


『他にあるかい?』


『いえ………。確認しただけです』


『ンじゃ、さっさと採ってこい』


『……どーせ自分のデザートにするだけのくせに……』


『何か言ったか?』


『いーえッ! 何にも!』


 リートは開き直って海に飛び込んだ。


『言っとくが、俺は海底の土も操れるからな~』


 という黒竜の声は、結局リートに届かなかった。






『ようッし、回避率100%! んじゃ、レベルアップな』


『……やっぱり……』


『今度は半端じゃないぞお』


 そう言って地面から、浮かび上がったものは


『い……岩?』


 青くなるリートの目の前で動き出した岩は、今までとは比べものにならないくらい速い。


『もう、死にたい……』


『安心しろ。死なせはせんて』


『……それって、「こんな面白いおもちゃをむざむざ壊したりしない」って意味ですか?』


『当ったり~』


 当たっても嬉しくなかった。






『まあ、そろそろいいだろ。「試練」受けるか?』


 黒竜がどことなくつまらなさそうにそう告げたのは、最初にリートが黒竜を訪れてから15年も経った日のことだった。


『よろこんで』


 答えるリートの外見は、13才(地球年齢20才)位に成長していた。


 実質は51才(地球年齢82才)だが。


『んじゃ、行くぜ』


 黒竜の声に、竪琴から剣を引き抜き、構えるリート。


 その姿からは、野生の猫を思わせる敏捷さが感じられる。


 周囲の土が盛り上がり泥人形(ゴーレム)と化す。


 その数、100。


 縦横無尽に襲い来る泥人形(ゴーレム)たち。


 その攻撃を軽く身をひねってかわすリート。


 ヒュンッ


 剣が風を切る。


『1』


 泥人形(ゴーレム)が一つ、裂けて地に戻る。


『2、3……』


 ヒュンッ、ヒュンッ、ヒュンッ


『4、5、6……』


 まるで泥人形(ゴーレム)相手にダンスを踊っているよう。


『10…………』


『20…………』


 優雅とも言えるその動きは確かにここ15年間の修行の成果だ。


『50…………』


『70…………』


 感謝せねばなるまい。たとえそれが、退屈しのぎの賜物であったとしても。


『90…………』


 そして


『100!』


 ついに最後の泥人形(ゴーレム)が裂けた。


『お見事』


 称賛する黒竜の視界からリートが消えた。


 キィィィ……ンッ 


 それをいぶかしく思う間もなく、黒竜の頭上で澄んだ音が響いた。同時に軽い衝撃。


 視界に戻ったリートの左手のものを見て、黒竜は息を飲んだ。同時に、今、彼が何をしたのかを理解した。


 左手に握られたもの。


 それは、黒竜の角だった。


『これくらいの意趣返しはさせていただきますよ、お師匠様』


『き……貴様……ッ!』


 睨みつける黒竜。


 ピイィィンッとその場の空気が張り詰める。


 が。


『ワアハッハッハッハッハッハ…………ッ!』


 ほどなく黒竜の豪快な笑い声が響き渡った。






『いや、大したもんだよ、お前さんは』


 クックックッと、喉の奥で笑いながら黒竜は目を細める。


『フツー、思いつかんぜ。ドラゴンに向かってこーゆー意趣返しはよ。思いついたところで実行しよーたあ、しねえって』


『はあ……』


 気の抜けた返事をしながらも、とりあえず攻撃されることはなさそうだと判断して、リートは剣を収めた。


『参考までに聞くけどよ、俺が本気でお前さんを攻撃したらどうするつもりだったんだい?』


『さあ……』


 苦笑するリート。


『考えてませんでした』


 と言うより、黒竜の性格からして、面白がりこそすれ、怒ることはないだろうと感じていたのだ。


『これだよ』


 黒竜は再び、実に楽しそうに笑いながら、その前足をリートに差し出した。


『借せよ、宝珠』


 言われるままに宝珠を差し出す。

 黒竜はそれにふうっと息を吹きかけた。


 宝珠の中に、ふわっと黒が広がる。

 混ざりあう事なく、宝珠の中をゆらゆらと流れる緑と黒。


『そいつを掲げて「大地(アース)」と唱えると地が揺れる。

 「泥人形(ゴーレム)」と唱えると泥人形が10体、出る。

 だが、どれを使おうと3回までだ。

 「大地(アース)」を3回使えば「泥人形(ゴーレム)」は使えない。

 「泥人形(ゴーレム)」を3回使えば「大地(アース)」は使えない。

 「大地(アース)」2回、「泥人形(ゴーレム)」1回、といった使い方も出来る。好きしろ』


『ありがとうございます』


 受け取った宝珠を大事にしまい込むのを見届けると、黒竜は改めてリートに話しかけた。


『お前、知ってて取ったのか?』


『え?』


『その角だよ』


『……?』


『はは。その様子じゃ知らねえな』


 黒竜はゆったりと座り直した。


『あのな、大地の中に、鉱脈ってもんがあるだろ?』


『ええ』


『ありゃあな、俺たち黒竜の成れの果てなのさ』


『え?』


『俺たち黒竜はなあ、死ぬと、身体が鉱物になるのさ。鱗は鉄、牙は金、てな具合にな』


『本当ですか?』


『お前さんに嘘言ったって仕方あるまい?

 ま、元が黒竜でない鉱物ってのもあるにはあるがね。

 でもってこの角、な。

 こいつはなんと聖鉱(オリハルコン)になるんだ』


『オ…聖鉱(オリハルコン)?』

 

 リートは驚いて先程切り取った角を凝視める。


『そうさ。腕のいいドワーフに頼めば、そいつで聖剣をつくってもらえるぜ』


『聖剣……』


『アネルヴァルドに良質の鉱山がある』


『え?』


『元は俺の女房さ』


『………』


『腕のいいドワーフは鉱脈を見つける天才だ。鉱脈のあるところにはドワーフがいる。多分、アネルヴァルドにもな。

 行ってみろよ。聖剣があればあの島に行っても随分ラクになるだろう』


『……はい』


 深々と頭を下げ、リートは角をしまい込んだ。礼を言い、立ち去ろうとする。が。


『ちょっと待った』


 黒竜に呼び止められた。


『最後に何か歌え。お前の竪琴は何度も聞いたが、歌はまだ聞いてねえ』


 断る理由は何もなかった。




「うわあああッッッ 」


 洞窟を出たリートを驚愕の声が出迎えた。


「……え?」


 目を丸くするリートの前で、若い男が腰を抜かしていた。


「あ……あ……あん……た……」


「ご心配なく」


 洞窟の言い伝えを思い出し、男の驚愕の理由に思い当たったリートは、相手を安心させようとにっこりとほほ笑んだ。


「私は幽霊でもなければ、冥府からの使いでもありません」


「で……で……で……でも………あッ 」


 落ち着かなく揺れ動いていた男の視線が、リートの持つ竪琴に止まった。


「た、竪琴? あの歌……あんたが?」


 黒竜に捧げた歌を、この男は聞いていたらしい。


「ええ、私です」


「そ、うか……。いや、実は、船の故障で立ち寄って。したら、歌声がしたんで……。その、遭難した人でもいるのかと……」


「ああ……それでわざわざ。すみません。要らぬ手間をおかけしてしまったようです」


「要らぬ……手間?」


「私は、遭難したわけではないのです。ちょっとここに用事があって……」


「用事?」


「ええ」


「こんなところに?」


「こんなところに」


 男はまじまじとリートを凝視めた。


「その用事って……先刻の歌と、何か関係あるのか?」


「……まあ、そうです」


「……?」


「ちょっと、地獄の番犬をおとなしくさせる必要があったものですから」


 冗談のつもりだったのだ、このセリフは。


 この時リートの頭にあったのは、オルフェウスの物語。

 亡くなった最愛の妻エウリデケを取り戻すべく冥府へ赴き、あと少しのところで失敗(しくじ)ってしまった有名な『神話』。


 それになぞらえた冗談を口にすることで、おびえ切っている男の緊張を和らげようとしたのだ。


 だが――


(しまった……)


 失敗だった。

 男の表情に、いきなり賛嘆の色が浮かんだのだ。


(そうだ。この神話は、かつての地球では有名だけど――)


 この地でそれを知っているのはカズィールの学者ぐらいだろう。いや、彼らとて知っているかどうか怪しいものだ。


(宇宙船で余分な知識を仕入れたことが徒になってしまいましたたね……。それに、忘れていました。この地では、今がまだ『伝説』の生きている時代だということを)


「成程……成程、そういうことか」


 うんうん、と、一人納得する男。


 それを横目で見ながら、リートは内心大きくため息をついた。


(……もしかしたら、洞窟の言い伝えに新たな楽章が付け加えられることになるのかも)






 数年後。


 再びこの地を訪れたリートは、次のような『伝説の続き』を耳にし、予測が的中したことを知り、天を仰ぐことになる。






 ある日


 旅の吟遊詩人


 ただ一人冥途の穴へ降りたり


 光届かず


 霧たちこめ


 狭き深き漆黒の闇


 詩人ただひたすら歩きたり


 やがて闇の中に光あり


 そは日にあらず


 火にあらず


 冥府の番犬の目なり


 身は漆黒の鱗


 巨大な角


 巨大な牙


 巨大な爪


 睨む目は炎


 吐く息は毒


 唸りは突風


 叫びは大地の揺らぎ


 なれど詩人は少しもあわてず


 竪琴を取り出し弾きはじめる


 歌につれ曲につれ


 番犬うっとり役目を忘れ


 静かに眠るその先に


 冥途の門


 また奥に


 冥府の王


 詩人再び奏でり


 王聞き惚れ


 詩人の求めに応ずる


 詩人は望みのものを手にいれり


 求めしものは何や


 知る人なし


 ただ詩人と冥府の王のみそれを知る


 冥途の門


 生者に開かれしは


 ただそれ一度なり


 近づくなかれ


 番犬眠らす技量(わざ)持たぬもの


 近づくなかれ


 王の喜ぶ技量わざ持たぬもの


 近づくなかれ


 おのれの生に執着するもの


 此穴


 冥途の穴なれば


 近づくなかれ――






 さらに数十年後。


 ガンレム海に浮かぶ島の一つに豊富な鉱脈があることが発見された。


 その島は、『冥府の穴』の伝説により、人々が近づかぬ場所であった。


 当時の学者たちは、『冥府の穴』伝説は、この鉱脈を発見した誰かが、他の者が近づかぬよう、意図的に流した『伝説』だろうと決めつけた。


『冥府の穴』のほとりに立った者が死んでしまうのは、秘密の漏洩を恐れた者の手により、殺されたのであろうと。


 誰も知らない。それは、黒竜の吐く毒の息に当てられた結果であったことを。


 そして誰も気づかなかった。その鉱脈が、竜の形をしていることに――






 だが、いずれにせよ、それらはまだ先の話。


 リートは男を何とか言いくるめると、黒竜の忠告に従い、単身アネルヴァルドへ向かったのだった。

冒頭の伝説(かの穴は山の中腹に~)を書くにあたっては『「冥府の国」の考古学/辰巳和弘著/講談社現代新書』に引用されていた、本居宣長の『玉勝間』に記されている「出雲国なる冥府の穴」の記述を参考とさせていただきました。

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