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なんとなく、エントリー ー三年の春、まだ何者でもない僕らはー  作者: 春凪とおる


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第五話 ダメ出し

「雰囲気って言ったの?」

「言った」


「まじで?」

「まじで」


あやのが吹き出す。


「それは湊だわ」


「褒めてる?」

「半分」


少し笑う。


「でもさ」


あやのが言う。


「正直なのはいいよ」

「……うん」


「そのまま出しすぎ」

「……あー」


「理由まで言えばいい」

「理由」

「写真が楽しそう、とか」

「……なるほど」


「それだけで違う」


少し考える。


「……たしかに」


「湊って、途中で止まるんだよね」

「……」


図星。


「もったいない」

「……よく言われる」


「でしょ」

あやのが笑う。


「次、あるでしょ」

「……たぶん」


「じゃあやるよ」

「今?」


「今」


「出たな」


少し笑う。


スマホを開く。


「……これでいいか」

「いいじゃん」


「……さっきよりマシ」

「でしょ」


風が吹く。


芝生が揺れる。


「……ここも、まあ好きだけどな」

「それ言葉にしなよ」


「……むずい」

「慣れる」


「……そっか」


少しだけ、指に力を入れる。


「……よし」


「なに?」

「別に」


「またそれ」


あやのが笑った。



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