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enjoy オペラ 

アルファポリス様で完結済み作品を、少しずつ手直ししながら再投稿しています。


『チートな転生農家の息子は悪の公爵を溺愛する』アルファポリスより書籍化。


「そういう訳だからエルダー、お式の日エルウィン連れていって良いですか?身内以外は任意参加の急なお式だからせめて…」


「せめて…なんだ?」

「彼らにとってエルフの出席は神のご加護と同じだから。エルウィンはラシエールの兄弟じゃない?」

「そのような概念は持ち合わせておらぬのだが」

「僕にはあるんです」

「人間種とはおかしなものだ。だがエルウィンの一部はお前の欠片、少しの時間なら良いだろう」

「ありがとうございます」


何だかんだでエルダーの了解ももらって、これで良しっと。



さーて、電波塔の打ち合わせも済んだし、ウィルやシャリムたちの観光もセザールが連れてってくれたし(アーニーは参加出来なくてブツブツ言ってたけど)、シャリムは行く先々でチラチラ見られてうっとおしかったとボヤいていたが、僕の怒りに触れたいバカはさすがにいない。これぞ狂魔力の威光。



「今夜はお楽しみのオペラだよ」

「レジー様、僕楽しみです!」


ウキウキしてるウィルがカワイイ。このトイプーがあの大型犬オスカーに食べられちゃうの…?一噛みでイチコロじゃん。僕は今のうちに一言物申しておこうと強く心に決めた。


おっと。ジャケットの裾を引っ張る愛息が何かを主張している。


「フィンもいきたい」

「うーん、今回はお屋敷でラシエールの遊び相手しててくれる?デュトワのおじ様おば様の言う事聞いてね」

「えー…」

「どうせ行くならラシエールと一緒に行こう。だから今度ね」

「…はーい」


「ところでフィン、その手にもった花はどうするの?」

「あげるのー!」

「わあ嬉しい!ママに?」


「シエルにー!」


あっ…、そう。そう言えばエルウィンもラシエールに花あげてたな…。

どうもラシエールは顔立ちが女児に見えるおかげでよく花やら人形やらを貰うらしい。セザールの顔がオスカル様だし…まあそうなるよね。

5兄弟の仲ではピンクの立ち位置なのかな?兄弟仲良くて何よりだ。



所変わってここは下町にある小さなホール。急遽開催が決定された、カジュアルオペラ『魔鼓』の市民無料観劇招待デーである。

スポンサーはこの国の筆頭侯爵であるデュトワ家だ。


ウルグレイスでは庶民層も芸術を嗜む。そこで演奏会や人形劇なんかを楽しめるよう、平民街にも小さなホールがある。前世で言ったら市民会館、みたいな感じだろうか。

貴族街の歌劇場みたいな豪華さは無いけど、一応二階正面にはボックス席らしき席も用意されている。


本日観劇するのは僕とセザール、ウィルとアーニー、シャリム、そして強面のヴォルフだ。ヴォルフは安定の護衛代わりにね。本当は僕とシャリムが居る時点で無敵に近いが…、それは最終手段ってことで。



「おい見ろよ、あれがレジナルド様…狂魔力の継承者か…」

「隣におられるのが筆頭侯爵家の三男セザール様だ。なんとも似合いのお二人じゃないか」

「まるで一対の人形だな…」

「するってーと、左右と背後を囲むのがあの有名な三人の使徒か…」


えっ!

ぼんやりしてたら聞き捨てならない事が聞こえてきたんだけど…。なにその使徒って?それに〝あの有名な”って…何?

オロオロする僕の顔色に気付いたセザールが簡単に説明してくれる。


「ゲスマンを退けた君たちのことは対戦国であったこのウルグレイスでも良く知られているからね。有名だよ。ゲスマン皇帝を震え上がらせた狂魔力の継承者、そしてその周りを囲む三人の使徒、白い守護狼、金目の斥候、そして日輪の目を持つ闇魔法使い…ってね」


日輪の目…、確かにシャリムのオレンジの目は朝焼けに浮かぶ日輪のようだけど…

あ…あれ?ウルグレイス王家の特殊魔法は…その名も『日輪』。もしかしてシャリムがチラチラ見られてたのは…


「ああ。そうだね、確かに。彼を見ていた人々は彼の瞳を見ていたに違いないよ」

「じゃぁ色眼鏡で見られてたばっかりじゃないんだ…」



僕の気掛りが少し軽くなった。


今のシャリムは外界への興味が尽きない。だからこそ今回良い機会だからといろんな場所を見て回れるよう連れてきたのだが、ゲスマン民の特徴を持つ彼を受け入れない人は依然として存在する。

だけど…彼が一人旅を楽しめる日も、きっともうすぐだ。


「レジー様!ほら、始まりましたよ!」

「あれがお姫様か…逞しいな」

「声量を維持しようと思うとああなるんだよ」

「…すごい声…」

「そうでしょ」


初めて見るオペラに興奮気味のウィルと意外に楽しんでるアーニーとシャリム。ヴォルフ…は、良く寝れるな、こんな場所で。


「レジー、何笑ってんだよ?」

「ううん、別に」


ゲームのキャラだったはずの彼らがこうしてギャラリー側で物語を楽しむなんて…不思議な感覚。


…その時ふと思った。『恋エロ』をベースにしたオペラを書き起こしたりなんかしたら…受けるんじゃないの?って。


これはニコへの相談案件だな。


僕はそっと心のメモ帳にそのナイスなアイデアを書き加えた。

後日ニコからはその案を絶賛されることになるわけだが…、まさかそれが後世に続く不朽の名作になっていくとは思わなかった。


ましてや何代目かのヒロインがまさか…






毎日更新を目指しています。

お星さまをぽちっとしていただけると大変大変嬉しいです。作者の励みでございます(;^ω^)


この作品はアルファポリス様で連載済みの作品を全年齢バージョンへ改稿し投稿していきますので、R18が苦手な方はあちらに行かないでくださいね(;^ω^)

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