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番外 Cupid レジナルド

アルファポリス様で完結済み作品を、少しずつ手直ししながら再投稿しています。


『チートな転生農家の息子は悪の公爵を溺愛する』アルファポリスより書籍化。


そろそろ挙式へのカウントダウンが聞こえ始める今日この頃。


色んな意味でそわそわするのも無理はない。何しろ十二月、僕の誕生日に行われた婚約式からピッタリ一年後、まさに一日足りとも延びること無く執り行われる婚姻の式典。その一ヶ月前から僕は王城につめて王家について勉強するのだ。

何を学ぶのかって?

王家の歴史とか、王城での規則とか、王族としての儀式とか、家系図とか、まあ色々。


ホントは一年かけてゆーっくり学ぶのだが、如何せん、僕は誰より忙しいし不在がちなのだから仕方ない。

ウルグレイス訪問とか、エルフの里とか、ドワーフの国とか、極めつけがナバテア襲、…お引越しのお手伝いとか。


それにしても…、大臣たちは僕のあまりの物知らずっぷりに「こんなことも知らぬのか⁉」と、目を剥いて仰天してたけど、ちょっとばかり泣き真似しながら

「まさか生きて僕を忌避した社交界に顔を出すことになるなんて…、ましてや僕をランカスターへ封じた王家からこうして登城を許可されるとは考えたこともなかったので…」

と嘆いてみせると


「すまぬレジナルド!」

「そんなつもりではなかったのだ!」

「悪いのは我々だとも!」

「だからお前はいつもデリカシーに欠けると言っておろうが!」

「なにを!お前こそ!」


と、大混乱になっていた。今日もキュン魔力は通常営業だ。


その王城入りの準備をしながらウィルとだべる昼下がり。


「ウィル、王城へは一緒に付いて来てくれるんだよね?ウィルが居たら心強いな」

「もちろんです。だって僕はレジー様の従者ですから!」


「勉強中は王城見学してていいからね。何度か行ってるって言ってもまだ半分も見て無いでしょ?」

「あの、その…オスカー様が案内してくださるそうです」


「へー、仲いいね」

「…オスカー様は気安い方ですので。でもすごくおモテになるんですよ。いつもどこかのご令嬢から恋文や釣り書きが届いてるんですって」


そうなんだよね…。あんな中身ガキ大将みたいなオスカーなのに、ローランドとパウルの婚姻をついにカニンガム侯が認めたものだから、社交界の視線はオスカーに一局集中してしまった…

何度も言うけど中身ワンパク中学生なのに。


とは言え、年頃だというのに本人には全然その気が無くて、社交界での地位向上に、これまた関心の無いオスカーの父である近衛隊長は、「好きにしろ」って言ってるみたいだけど、母親であるブランフォード伯爵夫人からはかなりブツブツ言われているらしい。

これバイアール情報ね。


「オスカーはね、健康そうでよく笑う子が好きなんだって。コルセットでウエストを締めた青白い顔も真っ白に白粉を塗ってすました顔も好きじゃないって言ってたよ」


「そうなんですか?じゃぁ上位貴族のご令嬢でお相手を探すのは難しいですね」

「…お残しせずなんでも美味しい美味しいって食べる子が良いんだって。それからオスカーの無茶振りにも嫌な顔せず笑って付き合う子」


「……」


「整理整頓が得意でなんでも一生懸命な健気で世話焼きな子がタイプだって」


「誰ですかそれ…」

「誰だろうね…」


そんなの一人しか居ないっての!



ちょっと突いたらオスカーはあっさりそれをゲロった。

まぁ…、よく考えたらオスカーとウィルの付き合いはそれなりに長い。

それにあのオスカーが重そうなドレスの楚々としたご令嬢に心を動かす…というのはちょっと考えにくい。『恋バト』でオスカーが聖女のヒロインを好きになったのも、彼女が平民出身の元気で明るい健気なキャラだったからだ。

それを思えばまだ農家の娘さんの方がオスカーのストライクゾーンだろう。


因みに目の前にいる僕の従者は……『恋バト』のヒロインとキャラ属性が近い!

あっちの方が強くて、ウィルの方が寂しがりだけど。


けどブランフォード家の嫡男であるオスカーが、愛のため、とか言って身分を捨て農家の娘さんを娶ることはあり得ない。


そこへいくと生まれはともかく、彼はれっきとしたハミルトン伯爵家の養子だ。

そして曲がりなりにも子供の頃から僕と居て、満足な貴族教育は受けている。社交界デビューすら僕の婚約式で済ましてある。…あの時ウィルは、ほとんど叔父様から離れなかったけど…


ああそうそう。近衛隊長とハミルトンの叔父様は親しい仲だ。これもポイント高し。


ウィルも憎からず想ってそうだけど…違うかな?


もっとも僕はそっち方面は鈍いと自負している。この件に口も手も出すつもりはない。オスカー、自力で頑張れよ。

まぁでも…


王城に到着した僕は、オスカーにささやかなお願いを一つ。



「あっ、オスカー良いところに」

「何だレジー、何か用か?」


「お式の日は非番で、だから友人として出席するって言ってたよね?」

「ああ。それがどうした?」


「ハミルトンの叔父様は僕の希望で僕の介添えを務めるから、オスカー、その間ウィルに付いててあげて。ウィルは多分お父様やご学友に遠慮してコリンと一緒にいないと思うから」


「そうか…馬鹿だなあいつは。変なところで気を遣って。分かった。俺に任せろ」



…愛のキューピッド、レジー君誕生…






毎日更新を目指しています。

お星さまをぽちっとしていただけると大変大変嬉しいです。作者の励みでございます(;^ω^)


この作品はアルファポリス様で連載済みの作品を全年齢バージョンへ改稿し投稿していきますので、R18が苦手な方はあちらに行かないでくださいね(;^ω^)

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