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「あの曲に会いたい」シリーズ  作者: あみれん


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49/51

「あの曲に会いたい」シリーズ(その49) ー  I Thought It Was You

ふとした瞬間に、耳の奥で鳴り出すメロディ。

どこかの喫茶店で、通りのスピーカーから、あるいは記憶の片隅から――

「あの曲、もう一度聴きたいな」と思うことがあります。


このシリーズは、そんな“音の記憶”をたどるエッセイ(ほとんど独り言…)です。

1960年代から80年代の曲を中心に、ジャンルも国境も問わず、ロックもポップスも歌謡曲もフォークも、何でもありです。


え? 私の年齢? それはヒミツです。


シリーズタイトルは、NHKの番組『あの人に会いたい』のパクリです。(;'∀')

でも、「あの曲が聴きたいなぁ」と思うときって、曲を聴くのと同時に――

当時その曲を聴いていた“自分”に会いに行くような感覚も、どこかにある気がします。

(こじつけ感ツヨっ!)


投稿は不定期で~す。(;^ω^)

I Thought It Was You


1978年に、アメリカのジャズミュージシャン、Herbie Hancockがリリースしたアルバム『Sunlight』のオープニングトラックです。

作詞・作曲のクレジットは、Hancock, Melvin Ragin, Jeffrey Cohenとなっています。


ハービー・ハンコックは、言わずと知れたジャズ界の巨匠。

革新的で偉大なキーボード・プレーヤー、コンポーザー、アレンジャーであります。


ハービーの音楽の革新性は、スタイルを固定せず、常に音楽の境界を越え続けてきた点にあるのだと思うのであります。

モダンジャズからファンク、さらにはヒップホップまでを自然に横断し、その都度“今の音”を取り入れてきたんですね。

個人的には、Miles DavisやJeff Beckに共通するような、「新しい世界を探し続ける姿勢」を持ったミュージシャンではないかと思うのです。


アルバム『Sunlight』以前は、多くのジャズプレイヤーと同様に、インストゥルメンタルの楽曲を作り上げ、演奏してきたのですが、

このアルバムでは、なんとハービー・ハンコックが“歌いまくっている”のです!


正確には、この曲で彼は自分の声にボコーダーをかけています。

人間の声なのに、どこか機械的に聴こえる、あの独特の響き。

それでいて、ものすごく気持ちよさそうに“歌って”いるのであります。


ここで少し、ボコーダーの説明をさせていただきますね。

<( ̄︶ ̄)>


ボコーダーというのは、簡単に言うと、人の声のニュアンスを別の音に乗せる装置です。

声の抑揚や発音を分析し、それをシンセサイザーの音に置き換える。

だから、歌っているのに、まるでキーボードが喋っているように聴こえるのであります。


音程の取り方も少し特殊で、声を出しながらキーボードで音程をコントロールする。

そのため、いわば“人間の声+楽器”のような感覚になります。


(トーキング・モジュレーターに少し似ているかも…ですね。)


一方、最近話題のボーカロイドは、最初から「声そのもの」を作る技術です。

音程も発音もすべて打ち込みで、人間が歌わなくても歌が成立する。


つまり、


ボーカロイドが「声を作る」ものだとすれば、

ボコーダーは「肉声を変形させる」もの。


この違いは、聴いてみると意外と大きいのであります。


さて、《I Thought It Was You》。


ディスコっぽいリズムの、大変優雅で美しい曲なんですね~。

聴いていると、思わずウキウキしてしまうような一曲です!

(´꒳`)


ジャズのエッセンスを残しつつ、ディスコ的でもあり、ポップス的でもある。

非常に親しみやすいサウンドに仕上がっています。


そして、ハービーのボーカル。


肉声でありながら、どこか機械的に響くその声が、この曲の不思議な魅力を形作っているように感じます。


アルバム『Sunlight』には、《I Thought It Was You》以外にも、ハービーが“歌っている”楽曲が収められています。

ちなみに、日本のジャズシンガー、笠井紀美子さんもこの曲をカバーしています。

こちらはご自身の肉声で歌われていて、また違った魅力がありますね。

(*´○`)o¶~~♪


当時の私にとって、ボコーダーは「コーラスやちょっとしたアクセントとして使う楽器」という印象でした。

そんな中で、このアルバムのように、ボコーダーを“ボーカルとして前面にフィーチャーする”という発想には、ちょっとした驚きがありました。


この曲を初めて聴いた時に、私はこんなことを考えたのであります。


——うーむ、絶えず新しい世界を探求し続けるハービーは、今回きっとこう思ったに違いない


「実は俺......ずっと前から歌いたかったんだよな~。うっしゃ、今回はボコーダーで自分で思いっきり歌っちゃえ!」


なんつって……んなことはないか。てへっ(ꈍᵕꈍ)


※この曲は動画サイトなどで検索すると聴けます。

(検索ワード:「I Thought It Was You Herbie Hancock」)

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