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「あの曲に会いたい」シリーズ  作者: あみれん


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46/48

「あの曲に会いたい」シリーズ(その46) ー  Will You Dance?

ふとした瞬間に、耳の奥で鳴り出すメロディ。

どこかの喫茶店で、通りのスピーカーから、あるいは記憶の片隅から――

「あの曲、もう一度聴きたいな」と思うことがあります。


このシリーズは、そんな“音の記憶”をたどるエッセイ(ほとんど独り言…)です。

1960年代から80年代の曲を中心に、ジャンルも国境も問わず、ロックもポップスも歌謡曲もフォークも、何でもありです。


え? 私の年齢? それはヒミツです。


シリーズタイトルは、NHKの番組『あの人に会いたい』のパクリです。(;'∀')

でも、「あの曲が聴きたいなぁ」と思うときって、曲を聴くのと同時に――

当時その曲を聴いていた“自分”に会いに行くような感覚も、どこかにある気がします。

(こじつけ感ツヨっ!)


投稿は不定期で~す。(;^ω^)

Will You Dance?


1977年に、アメリカのシンガー・ソングライター、ジャニス・イアン(Janis Ian)がリリースした曲です。

作詞、作曲は、ジャニス・イアンです。


ほぼピアノとジャニスのボーカルだけのシンプルな構成ですが、優雅なタンゴのようなリズムに、メジャーでありながら抑制されたジャニスのボーカル。

このバランスが、この曲をアンニュイに響かせているように感じます。

でも、聴いていると、誰かが優雅に踊っている情景がスッと浮かぶような、大変美しい曲です。


1970年と言えば、アメリカの女性シンガー・ソングライターが沢山活躍した時代だと思います。


キャロル・キング、ジョニ・ミッチェル、カーリー・サイモン、リッキー・リー・ジョーンズ 、ローラ・ニーロ、などなど。

えーっと、まだまだ沢山いたと思いますが、パッと出てこニャイ。

(TдT)


ジャニスもそんな一人だったんですね。

私が始めて聴いた彼女の曲は、1975年にリリースされた《At Seventeen(邦題:17歳の頃)》で、ボサノバ調の曲で、一歩引いた視点から「都会の疎外感」をクールに描き出す歌詞が非常にモダンな印象でした。

ちょっと他の女性シンガー・ソングライターとは、なんか違うなぁ..っつー感じでした。


何が違うかと言うと、アストラッド・ジルベルトのようなアンニュイなボーカルスタイルや、例えば、当時のフォークの単純なスリーフィンガーではなく、テンションコードを多用したジャジーな和音構成。

アンニュイで洗練されたそのサウンドは、当時の私には大変斬新に響いて聴こえたのであります。


で、この《Will You Dance?》ですが、1977年に放映された日本のドラマ「岸辺のアルバム」の主題歌に抜擢され、日本で大ヒットした曲なのです。


このドラマは、一見幸せな中流家庭が、母の不倫や家族の嘘で内側から崩壊していく様子を描いた物語で、最後は実在の多摩川水害で家もアルバムもすべて濁流に流され、家族がバラバラになりながらも、虚飾を捨てて再生へ向かうまでを描くという、大変悲惨なドラマ(TдT)でしたが、大ヒットしたのであります。


でも、何でこんな悲惨で壮絶なドラマの主題歌に、優雅な《Will You Dance?》を主題歌に選んだのでしょうか?

(´-`).。oO


実は、《Will You Dance?》の歌詞って、かなり闇いんです。

都会の華やかさの裏に隠れる人々の孤独や無関心を、とてもシニカルに語っているんです。

それでも、Will You Dance? と問いかけます。

まるで、この「踊りませんか?」という誘いは、現実から目を逸らし、表面的な美しさに執着する都会人の滑稽さや残酷さを際立たせているような気がします。


ドラマ「岸辺のアルバム」では、一見幸せに見える家族のドロドロとした裏の世界を描きます。

そして、最後には、多摩川の洪水によって家が流されてしまうという、ちょっと救いの無い内容です。

そこへ、ジャニスの「Will You Dance?」という問いかけが重なります。


暗い・残酷なシーンで、あえて明るい音楽を流す手法は「音画の対位法」と呼ばれ、シーンの不気味さや狂気を際立たせる効果があります。

恐らく、ドラマの制作サイドは、この効果を狙ったのでは?そう私は推測するのであります。


多摩川の洪水は、1974年9月1日から9月3日にかけて続き、堤防が決壊し、19棟の家屋が濁流に呑み込まれ流失しました。

幸いにも人的被害は無かったようです。

その様子をテレビが生中継していました。私も見ていましたが、それはそれは大変恐ろしい映像でした。


今でも《Will You Dance?》を聴くと、トラウマの様にあの映像が蘇って来るのであります。

なので、《Will You Dance?》を主題歌に使った「岸辺のアルバム」には、ずぅ〜っと複雑な思いを抱き続けております。

(T_T)


※この曲は動画サイトなどで検索すると聴けます。

(検索ワード:「Will You Dance? ジャニスイアン」)


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