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59日目(異世界)後編

2匹目のダブルヘッドの突進で騎士団長が吹っ飛ぶ。


すぐさま受け身を取り、ダブルヘッドと衝突する。

ガギンッ!

「ウガァァァッ!」


耳を劈くような声が轟く。


「【ヒール】!」

「【ハイヒール】!」

「【ヒール】!」


僕の周りの回復職が回復魔法を唱え続ける。


まずい!

シングルヘッドの数が増えてきた。


騎士団長とショーンがダブルヘッドと戦っているので、殲滅が追いつかないんだ。


「すまん!

そっちに1匹行ったぞ!」


前衛の方から声が聞こえる。

ドドドッ!

シングルヘッドの突進だ。


「ハッ!」

副団長が盾で薙ぎ払う。


ドスドスドスッ!

シングルヘッドの背中に矢が刺さる。


「【エアブレード】!」

ブシュッ!


僕も攻撃に参加する。

この最後尾には魔物を近づけたらヤバい!

ダブルヘッドには魔法が効かないらしいが、シングルヘッドは多少効くようだ。


しかし、致命傷にはならない。


「ガァッ!」


げっ!

もう一匹来てる!


「【ガード】!」

僕は前に出て【ガード】を使う。


ガギンッ!

「くっ!」


【ガード】の上からでもダメージをもらう。

シングルヘッドでも今の僕には十分な脅威だ。


「でかした!」

ドスンッ!

副団長が横から突進する。


僕の前のシングルヘッドをふっ飛ばしてくれた。


「後衛は少し下がるぞ!」


僕たちは少し後ろへ下がる。

奥へ食い込んで来たシングルヘッドは弓部隊が戦っている。


まずいな。

彼らは耐久が高くない。


「【ヒール】!」

「【ヒール】!」

「【ハイヒール】!」


僕も【ヒール】を使っていく。

これは出し惜しみしている暇はない。

物理後衛職が一番ダメージをもらっている。


カチャリ


ぁ、何かのジョブが出たようだ。

しかし、確認している暇など無い。


「騎士団長!

ここは任せてシングルの殲滅に行ってくれ!」


ショーンさんが叫ぶ。


おいおい、マジか。

一人で二匹のダブルヘッドを相手にする気だ。


「少し耐えてくれ!」


騎士団長がシングルヘッドの群れに突っ込んでいく。

「【大地斬】!」


ドガァッ!


地響きとともに大地が裂けるほどの斬撃。

シングルヘッドが次々に倒れていく。


よし!

殲滅力が上がったようだ。


「おい!

怪我人はまとまれ!」


よし、【エリアヒール】だな。

「【エリアヒール】!」


僕は【エリアヒール】を連発する。


徐々にではあるが、シングルヘッドの数が減ってきた。

戦況が好転したようだ。


僕はショーンさんのほうを確認する。


ぇ?


既にダブルヘッドが一匹倒れている。

マジかよ。

一人で倒したのか?


ん?

ショーンさんの身体が揺らぐ。

「【清流槍】!」


ショーンさんがそう叫ぶと、一瞬でダブルヘッドを突き抜ける。

残像と淡い光がその後を追う。


ドサッ!


二匹目のダブルヘッドが倒れる。


すげぇ……

結局一人で二匹仕留めたようだ。


「勝鬨だ!

ショーンがダブルヘッドを仕留めたぞ!」

「ウオォォォッ!」


地面が揺れるほどの叫び声。

僕も叫ぶ。

物凄い高揚感だ。


「っしゃぁ!殲滅だ!」

「雑魚どもを蹴散らせ!」


残りがシングルヘッドだけになり、士気が最高潮に上がる。


それからしばらくすると、完全にエリアを制圧できた。


「よし、怪我人は集まれ、こっちだ」

副団長が怪我人を集める。


「【エリアヒール】!

【エリアヒール】!

【エリアヒール】!」


怪我人が入れ替わり、僕は【エリアヒール】を撃ち続ける。

光る範囲が若干広がった気がする。


「おい君、まだMPがあるのか?」

「はい、まだ三分の一くらいはあります。

戦闘中は他の方よりもMPを使っていませんでしたので」


「ほぉ、なかなかやるではないか」

「ありがとうございます!

【エリアヒール】!」


副団長に褒めてもらった。

今回の狩りでの収穫は大きかったな。

特に【エリアヒール】の習得は大きい。


ぁ、そうだ。

何かジョブが出たんだった。

確認してみる。


【聖職者】


おぉ、見習いが取れた。


【見習い聖職者:Lv★】


どうやら【見習い聖職者】はジョブレベルが最大になったようだ。

最大レベルは30だったのだろう。







僕たちは、素材を回収し昨日の野営地へ戻る。

もうじき日が暮れる。


「みんなよく頑張ってくれた!

今日は祝杯だ!

存分に飲め!」

「おぉ!」


酒と肉が回ってくる。

野営地にしてはかなり豪華だ。


僕はノーツさんたちと肉を食べる。

この肉はシングルヘッドの肉だ。


「熊の肉ってこんなに美味しいんですね」

「ただの熊じゃねぇ、シングルヘッドだからな!」

オルランドさんが言う。

既に酔ってるなこの人。


「魔物の肉は基本的に何でも美味いだろ。

知ってんだろ?」

ラウールさんが言う。


「そういえば、魔物の肉って全般的に美味いんでしたね」

そうだった。

異世界に来て意外と食事が悪くないと思ったのも、魔物の肉があったからだ。


「しかし、ショーンとかいう槍使い、凄まじいな。

まさか一人でダブルヘッド2匹倒すとはな」

カーシーさんが肉を噛りながら言う。


「狭間君も良いタイミングで【エリアヒール】を覚えたな。

大活躍だったじゃないか」

ノーツさんも感心しながら言う。


「ありがとうございます!」

「また今度パーティを組んでくれ」


「はい、是非こちらこそ!」

パーティで狩ることの効率の良さといったらない。

また是非ともお願いしたい。


「よぉ、ここにいたのか」

噂をすればということか、ショーンさんだ。

「あれ?

ショーンさん、酔ってます?」


「ハッ!

バカかお前。

俺が酒に酔うわけねぇだろ」

顔が赤くて目が座っている。

やっぱ酔ってそうだ。


「ショーンさん、凄かったですね。

強いとは思ってましたけど、ダブルヘッド2匹は驚きましたよ」

「ん?

あぁ、お前さ、そんなことより大事な話がある!」


「なんでしょう?」


「俺達は今日戦場をともにした戦友だ、そうだな?」

「はい、一緒に戦い抜きました」


「よし!

今すぐ敬語をやめろ!」

「うん、わかったよ」


「…………」

ショーンが呆れたようにこっちを見ている。


「……お前さ、修行中も話聞けよな」


狭間圏はざまけん

【聖職者:Lv18(New)(↑+18)】

HP:150/150

MP:89/428(↑+1)【聖職者:+48】

SP:32/32

力:21

耐久:32

俊敏:35【聖職者:−2】

器用:14

魔力:28(↑+2)【聖職者:+38】

神聖:59(↑+4)【聖職者:+48】

【回復魔法:Lv25(↑+2) ヒール:Lv23(↑+1)エリアヒール:Lv4(↑+2)】

【ストレージ:Lv5(↑+1)】

【etc.(19)】

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 聖職者の補正値がこの日とそれ以降で違ってますね。 なんとなくこの日のが正っぽい。 後、聖職者って回復魔法レベルに補正は入らない?
[一言] 「よし! 殲滅力が上がったようだ。 おい! 怪我人はまとまれ!」 殲滅力が上がったようだ、のとこ地の文じゃないですか? だんだん強くなってきますね、主人公w
[一言] 聖者になったことを地球の身体の全身麻痺を治療できるスキルをおぼえればいいですね。実は自分は主人公が毒耐性をあげていっていることがどうかなと感じていました。なぜなら毒耐性をあげると麻痺毒も効き…
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