第4章 ~旅の軌跡~
【異世界城郭 大阪城】
【到達難度】:2
大阪駅から電車で15分
大阪駅から徒歩で1時間~1時間半
【攻略規模】:3+
天守閣と西の丸庭園の見学のみなら休憩含めて半日足らず
梅林や桃林など大阪城公園全域を巡るなら丸一日見込み
【攻略難度】:2+
天守閣周りは坂が多いがすべて舗装済み
階段状の石垣を登るなどする場合、運動用の格好が望ましい
【異界深度】:4
【所有技能】:「巨大城郭」「巨石群」「堀と石垣」「和風建築」
【所有技能】:「都市展望」「梅・桃・桜の花見」「屋台料理」
※屋台料理代表、どて焼き
味噌や味醂で甘辛く特濃に味付けされた牛スジとコンニャクの煮物
ムチムチの歯応え、味噌の辛味のなかに牛脂の甘さが溶けたパンチ力充分の味
■充メモ:
【05:00頃】出発 空模様は晴れ
今回は趣を変えて電車の旅に。
一列に並んだ車内の座席を見て、りゅーちゃんが目を丸くした。
ミヤさんたちは、まっすぐ横に流れる車窓の景色を楽しそうに見ていた。
新幹線から見る富士山にきゃっきゃと反応。
【11:30頃】新幹線を乗り継ぎ、大阪駅に到着
細長く背の高い建物が多いのがめずらしいようで、ビル群を見上げる2人。
2人とも健脚――という次元じゃないが――のため、大阪城へ徒歩で向かう。
道中、川べりにテニスコートを発見。
先日の、一瞬で相手と意思疎通する魔法、“念話魔法”の練習を思い出す。
テニスのラリー中に会話するスポーツ漫画ごっこを――
「喰らえ新魔球!」
「ははは、これのどこが魔球だい?」
「くっ!」
「恋人を見つけた乙女のように僕のラケットに飛び込んでくるじゃないか!」
「今だ! 躱せ!」
「なにぃーっ!? ボールが僕のラケットを避けただとーっ!?」
こんな感じでやって、無駄に盛り上がったよねと笑い話に。
【12:30頃】造幣局に寄り道し、花見
川べりに大量の屋台が出ていたため、香ばしい匂いにりゅーちゃんが反応。
桜の季節になるとこの辺りは花見客で賑わうことを説明する。
どこまでも続く屋台の列に誘われ、どて焼きなどを買い食い。
そのまま造幣局まで寄り道。
人の波に揉まれながら、造幣局名物の桜並木を見学。
緑色の桜など、変わった桜が見られて日本人の私でも面白い。
ただ、大変な混雑のため、花見の最中ずっと2人にぎゅむっとくっつかれた。
集中力は大幅に削がれていた気がする。
【14:00頃】大阪城に到着、外堀~庭園観賞
これだけの規模の建造物は滅多に見られないと2人は感動。
巨大な堀と石垣を面白そうに眺めていた。
石垣の巨石を見物しながら、公園になっている大阪城の敷地内を散策。
歩いていっそうわかる敷地の広さに、一同再び感心。
西の丸庭園がミヤさんに特に好評だった。
緑の芝生を縁取る桜並木と、その奥に鎮座する天守閣。
お金を払うだけの価値ある景観だと思う。
【15:30頃】内堀~天守閣観賞
石垣の上を喜々として歩くりゅーちゃんの、眩しい素足を見た私。
つい、軽装具合にハラハラすると呟く。
それが日本では扇情的な格好だと考えていなかった様子の2人、驚き慌てる。
それからはりゅーちゃんが頬を染めて服の裾を抑え、ソワソワするように。
ちょっと申し訳なかった。
なお、この日のりゅーちゃんの上着は私が以前収穫した羊毛製だったらしい。
それを聞き、自分の仕事の成果が見られて嬉しい気分に。
現在建造中迷宮の完成を見たら、相当に感動しそうだ。
その後、金色の小舟に乗り、内堀を水面から観光。
建造物のサイズから、“水の国”と日本の人口差の話題に。
天守閣も大変な混雑で、見学中、再びぎゅむっと状態になり、背筋が伸びる。
【18:30頃】天守閣脇の土産物屋兼レストランの屋上で夜景を観賞
場内を巡っているうちに、日が暮れる。
内堀観光用の小舟に乗っていた時間以外、かれこれ6時間は歩き通しである。
ミヤさんとりゅーちゃんは疲れ知らずのため、完全に感覚が麻痺していた。
普通ならもっと休憩時間を設けるべきだったのではないかと少し内省。
自分もかなりテンションが上がっていたことを改めて自覚する。
2人共、電気でライトアップされた街の夜景がとても綺麗だと喜ぶ。
町をあげてのお祭りの日さながらの光景に見えるそうだ。
寄り添って夜の街を見下ろす2人を、離れて見守る。
【20:00頃】日本一長い商店街に移動し、夕食
大阪駅方面に戻り、南北に2km以上続くアーケード商店街に立ち寄る。
巨大な提灯や人形の飾り、天井のある商店街の景色を物珍しげに眺める2人。
途中で落ち着いた雰囲気の土鍋料理を出す店に入って夕食。
粉物は昼に屋台で食べたので、夜はいかにも和風なもので。
鯛めしや茶碗蒸し、湯豆腐などが並ぶ夕食をのんびりと楽しむ。
今日の観光を振り返り、3人で談笑。
【22:30頃】温泉付きビジネスホテルに到着
商店街の南端付近に戻り、温泉を売りにしているホテルにチェックイン。
りゅーちゃんの希望による、風呂を重視した選出。
結果、りゅーちゃんに好評だったので良し。
【24:00頃】就寝
りゅーちゃんに一緒のベッドで寝ていいかと聞かれる。
人肌が落ち着くらしい。
紳士的に断るべきか悩む。
が、りゅーちゃんの出自を思うと受け入れることこそ紳士心か、と決断。
寄り添って寝ることに。
風呂上がりの温かな身体に密着されると寝るどころではなかった。
が、今回は車の運転もなし、全力で添い寝役を務める。
夜通し、ミヤさんと“念話魔法”でおしゃべりした。
【08:00頃】起床 空模様は曇り
【09:00頃】チェックアウトして大阪駅へ向かう
【10:00頃】大阪駅から新大阪駅へ移動し、そこから新幹線に乗車
さらば大阪。
【16:30頃】帰宅
無事に、今回の大阪旅行を終える。
* 第4章 ~旅の軌跡~ 了 *
次回、『異世界城郭 大阪城』に続く。
※念話魔法……声を出さず、遠く離れた相手との会話を可能にする魔法。同時に複数人での会話も可能。情報の伝達が瞬時におこなわれる特徴があり、熟練の使い手同士でこの魔法を使い合えば、長い会話も一瞬で成立させられる。ただし、この魔法の使用時、身体感覚と脳内の時間感覚にズレが生じる(長い会話ほど顕著になる)ため、運動中にこの魔法を使用するには慣れと本人の適性が必要。適性がない場合はまともに身体を動かせなくなるほか、酷い頭痛や目眩に襲われることもしばしば。“水の国”では、適性のある者は町同士の情報連携を担う通信手の仕事に就くことが多い。“念話魔法”の使い手でありながら冒険者になる者は、それ以上に冒険者の適性があるか、相当の理由がある極一部に限られる。
※通信手……“念話魔法”により、自分の町の情報を他の町へ発信し、また他の町の情報を受信する仕事・職業。またはその仕事を生業とする者。“念話魔法”の使い手が希少であること、各町のいわば「顔」となることから、非常に待遇の良いエリート職。この職があるおかげで、旅が危険な“水の国”でも、各町の交流が円滑におこなわれている。
※造幣局……大阪にある、日本の硬貨を製造している施設。敷地内には有名な桜並木の道があり、春には見物客で賑わう。造幣局の脇にある川辺は、桜の時期になると花見客のための屋台が立ち並ぶ。
※日本一長い商店街……ここでは、大阪にある天神橋筋商店街のこと。南北に伸びる2.6kmのアーケード商店街。直線に伸びる複数アーケードの総延長において日本一の長さを誇る。地元の祭に因む巨大人形の飾りが目を引く。




