Disc-07:エンディング
ENDING PHASE
GM:ではエンディングに入る前にバックトラックを行いましょう。
今回、敵はEロイスを使って無いので、通常のロイスによる低下だけを行って下さい。
そしてこのトラックバック……今回から特別なルールで振ろうと思います。
ヒカル:特別なルール?
――トラックバック特別ルール――
◆侵蝕率低下のダイス判定は、GMと1対1の部屋で振り、その結果を他のPLは確認できない。
◆トラックバックでジャーム化した場合、担当PLの判断にもよるが、ジャームとして次回も参加が可能。
◆もちろん、ジャーム化したPCはNPC化してGMに任せるのも自由。
◆ジャーム化したまま次回参加する場合、侵蝕率の上昇など、通常の通りプレイする
(侵蝕率の上昇などはフェイクとしてレコードシートに記載したりはして良い)。
流子:つまり、ジャーム化してても誰がジャーム化しているままなのかとか不明ってこと?
建:そうか、気が付いたらPCの中にダブルクロス(ジャーム)が混じってるってこともあるのか。
GM:そういうことです。
鳳飛鳥:それは……けっこう面白いかもね(笑)
流子:ちなみに私は侵蝕率125%で、振れるダイスは3倍振りでも合計6個。
建:俺は侵蝕率179%、3倍振りで15個だ。
ヒカル:2人とも厳しいなぁ(笑)
GM:はい、それでは部屋に1人だけ残ってもらって、全員振りましょうか――
そしてGMと1対1で誰にも知られないように侵蝕率低下を振る一行。
GM:はい、これで全員下げました。その点数の経験値を貰って下さい。
ヒカル:なんだ、誰かジャーム化したの?
建:もしジャーム化していても、それは言えないだろ(笑)
流子:疑心暗鬼だねぇー(笑)
GM:表向き全員無事に帰ってこられたみたいだね? それじゃあエンディングに入ろう!
◆Ending 01◆パスワード
巨大記憶石の周囲に立つと、持って行けとばかりに巨大な岩から拳程度の石が6個、落ちてくる。
これが記憶石なのだろう。
そして目の前に特殊パスワードが降りてくる。
GM:「これであなたは、いつでもセーブが可能です。
セーブをしたらログアウトしてゲームを終了して下さい。
エリアクリアの際、パスワードを入力してログアウトする事でデータを次のエリアに引き継げます。
それでは、チュートリアルとしてログアウトを行います。
パスワードを入力して下さい」
――と機械的な声が聞こえてきて、皆の中央にパスワードを入力するような台が現れる。
ヒカル:これにさっき降って来たパスワードを入れれば……現実世界に戻れるのか?
GM:チュートリアルとして自動的にログアウトできるようですね。
流子:どうする?
一同:『………………』
GM:誰も手を上げないなら美空が動くよ?――「やらないなら、私は最初に試させてもらうよ?」
建:ああ、いいんじゃないのか?
GM:「じゃあ……」
――と美空はパスワードを台座に入力する。
すると美空の足元から0と1で出来た緑色のわっかが現れ、その輪が美空を足元からスキャンしていく。
そして――
緑色の輪は美空の腰まで行くと、急に勢いと止め、巻き戻しされたかと思うと消滅してしまう。
GM:「ど、どういう事……どうして? どうしてログアウトできないの!?」
――美空の分のパスワードも消えます。
流子:プリズナー……。
重雄:美空先輩はプリズナーに……なったんだ。
GM:「ねぇ、そんな……一生、このゲームの中から出られないっていうの?」
建:少なくとも、お前はそうだ。プリズナーになったようだしな。
GM:「門路、あんた!」
建:俺に怒ったってしょうがないだろう。プリズナー化の条件は俺だって知らない。
GM:「くっ……」
鳳飛鳥:本当に帰れないのかい? 次はあたいが試してみるよ。――とパスワードを入力。
重雄:僕もやってみるよ――飛鳥と一緒にパスワードを入力しよう。
すると緑色の輪が現れ……飛鳥は消え、重雄は美空と同じように消えなかった。
ヒカル:飛鳥先輩が消えた!?
建:だが……重雄、お前はどうやら……。
重雄:み、みたい、ですね……はは、そうか、僕もプリズナー、か。
建:現実に戻れば尾道の確認や、このゲーム世界で何をやっているのか、
そしてこのゲームの危険性を現実に残ってるメンバーに伝えられる。
流子:だけど一度現実に戻ったら、逆にこの世界に来るのも簡単じゃない……。
建:ああ、そうだろうな。
流子:そこまで解ってるからこそ、門路建、お前は現実に戻るべきだ。
そして土矢重雄が出られないこと、ゲーム世界で尾道に何があったのか、
このゲームの危険性……それらを説明しに行く必要がある。
建:俺にか? だが本当にゲーム世界に戻ってこられるかと言うと……。
すでに管理者に目を付けられている可能性もある、そうすると先生のように……。
GM:そうだね、先生のように管理者に目を付けられていた場合、ゲームへのログインは不可能になるね。
建:流子、お前はどうするんだ?
流子:この世界に残る。ワタシにとって……この世界の方が都合が良いから。
建:そうか……なら、わかった。俺は現実に戻る。
重雄、このゲームはあまりに危険だ、もしこのゲームのことを調べるならリアルとゲーム、
両方から調べる必要があるだろう。お前に……ゲーム世界での情報収集を任せていいか?
重雄:え、僕にですか?……ま、まぁ、わかりました。
あ、ならこっちからも1つ、変わりに魔王ゲヘナのプレイヤーについて現実世界で調べられるなら
調べておいてくれませんか?
建:……ああ、わかった――と、パスワードを入力する。
GM:足元から緑色の輪っかが建をスキャンしていき、それと共に建は消えて行きます。
建:だが、俺は必ず、この世界に戻ってくる――ニヤリと笑みを浮かべつつ呟いて消えよう。
GM:はい、ログアウトできたね。あとは……ヒカルかな?
ヒカル:イノセントを見よう、せっかく出会った子だし放っておいて良いか迷う。
GM:「イノセント、ありがとう、また助けてくれた」
ヒカル:当たり前だろ。
お前は俺達の為に怒ってくれた、俺達を助けようとしてくれた、その想いに報いるのは当然のことだぜ?
……イノセント、お前、イノセントっていうのは名前じゃないんだよな?
GM:「イノセント、知らない、名前」
ヒカル:なら、お前の名前はイノだ。流子先輩もそんな感じで呼んでたしな。
流子:……確かに。
GM:ならイノセントは――「イノセント、イノ、名前」
ヒカル:ああ、イノだ。
GM:イノセント――イノは少しだけ笑顔で頷きます。
ヒカル:頭を撫でよう――イノ、俺はこれから現実に戻る。
一度は戻るって約束したし、それに向こうには大切な友達がいるからだ。
GM:「ヒカルの、大切な友達」
ヒカル:ああ、だがお前も大切な友達だ。だから俺はいつかきっと戻ってくる。
GM:「ヒカル、戻ってくる」
ヒカル:そうだ――と流子先輩に言おう――それまで、こいつのこと頼めますか?
流子:……任せておけ。
ヒカル:イノ、また戻ってくる。約束だ。それまで元気でな!――パスワードを入力しよう。
ヒカルの足元から緑色の輪がスキャンしていき、やがてヒカルの姿は消えて行った。
イノセントはヒカルの裾を離し、流子の元へと走ってくる。
GM:イノは流子の服の裾を持ちます。残ったのは流子、重雄、美空の3人ですね。
重雄:とりあえず、これからどうしますか?
流子:ここで《ハンドレットガンズ》の銃を消そう。
明るい人格が表になって雰囲気も明るくなります
――ん~? じゃあハイランド王国ってとこ目指そうよ? なんか王様に会う必要があるんでしょ?
重雄:そうですね。まずはそこを目指しましょうか。
GM:すると美空が重雄に釘を刺します
――「重雄、また山の時みたいに見捨てて逃げるみたいな真似は……」
重雄:え、ええ、わかってますよ。
流子:もう美空は~そんな怒らないでもいいじゃーん?
GM:「怒ってないわよ! だいたい流子が優しすぎるの!
あなた山で置き去りにされたんだよ!?」
流子:それは美空だってそうじゃん?
GM:「そ、それは、そうだけど……」
流子:もういいってそんな事、これからは3人……
いや、イノちゃんを入れて4人、ここでゲームクリアを目指さないといけないんだしさ?
ね、重ちゃん?
重雄:は、はい――と、良く考えたら3年の女の先輩2人と一緒なのか、すげー怖い感じだ(笑)
流子:ほら、重ちゃん早く~!
GM:「遅いよー!」
重雄:あ、ちょっと、待って下さいよ!
仮想現実の空の元、重の声が響く。