表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

48/114

第48話:世界の「再生速度(FPS)」を変更してみた。~「俺だけ倍速で動けるの、めっちゃ効率的じゃん」~

地上の全人類が、天から降り注ぐ爆音トランスBGMに合わせて強制的にステップを踏まされていた頃。空中要塞のリビングでは、カナタが山積みになった「動画素材」を前に、再び不機嫌そうな顔でモニターを睨んでいた。

「……なぁテツ。このレンダリング、あと何時間かかるんだ? 10分くらいの動画を作るのに、丸一日待たされるのは流石にタイムパフォーマンスが悪すぎる。……もっとこう、サクサク動かせないのか?」

 カナタが弄っているのは、空中要塞の演算リソースと世界の「時間軸」を同期させているシステムコンソールだ。

『カナタさん、それは「世界の処理速度」そのものですよ。要塞の中だけ時間を進めるなんて、物理法則のレイヤーを根底から書き換えることになります。……あ、ちょっと、その「FPSフレームレート」の設定をいじらないで!』

「いや、要塞の中だけ『再生速度2.0倍』にすれば、俺の作業効率も2倍だろ。……よし、ターゲット範囲を【空中要塞・内部】に限定して、――タイムスケールを【200%】に引き上げ。ついでに地上の処理を軽くするために、外の速度は【10%】に落としておくか」

 カナタが「適用」ボタンをダブルクリックした。

 その瞬間、空中要塞を取り巻く空間の「流れ」が、致命的なバグを起こした。

 要塞の内部では、すべてが超高速で動き始めた。カナタの思考、テツの演算、そしてヒロインたちの動き。

 逆に、要塞の窓から見える「地上の景色」は、まるで静止画のようにピタリと止まって見える。

「おお、速い! 筆が進むぞテツ! これなら今日中に1ヶ月分の動画が完成するな!」

『カナタさん! 喜んでる場合じゃありません! 要塞の中の1時間が、地上の数日に相当してます! つまり、貴方がここで「ちょっと昼寝」をしたら、起きた時には地上の文明が数年分進んでるか、あるいは……』

 バルコニーでは、ルナがこの「時間のズレ」をすぐさま察知し、その瞳に妖しい光を宿らせていた。

「……ふふ。……素晴らしい設定ですわ、カナタ様。……要塞の中だけの時間を加速させれば、外の邪魔者たちが年老いて土に還るまでの間、私たちはここで永遠に、主様と濃厚な時間を過ごせますのね……?」

「……賛成。……外の、時間は、止まって、いればいい。……主様を、独占する、時間が、2倍……いえ、もっと、加速させて……世界が滅びるまで、私だけの、主様で、いて……ッ!」

 セレスティアが、超高速で包丁を研ぎながら(もはや摩擦熱で包丁が赤熱している)、カナタの背後に音もなく迫る。

 彼女たちにとって、この「タイムスケールの変更」は、カナタを世界から隔離して閉じ込めるための、最高のご褒美だったのだ。

 数時間後(地上では数ヶ月後)。

 カナタが「ふぅ、作業が終わった」と窓の外を見た時、地上の景色は一変していた。

 爆音BGMで踊らされ続けていた人々は、あまりの時間加速の負荷(あるいは踊りすぎ)によって全員が驚異的な筋力を手に入れ、もはや人間を辞めたような「超戦士」へと進化を遂げていた。

「……あれ? テツ、なんか地上の連中、みんなムキムキになって、要塞に向かって『高速ジェスチャー』で何か訴えてないか?」

『……カナタさん。彼らは数ヶ月間、休まず踊らされ、さらに時間のズレで脳をバグらされた結果、ついに「音速を超えて踊る」術を身に付けたんですよ! ……ほら、彼らが踏むステップの衝撃波で、要塞の高度が下がってきてます!!』

「……えぇ? ダンスの振動で撃ち落とされるのかよ!?」

 カナタの「効率重視」の編集は、ついに地上に「音速で踊り狂う超人類」を生み出し、空中要塞との全面衝突ダンスバトルへと発展しようとしていた。

【次回予告】

第49話:『世界最強のダンスバトル。~「ステップの風圧で山が消えるんだけど」~』

音速のステップで要塞に迫る地上軍に対し、カナタが取った対策は「世界の重力設定を『月面並み』に下げる」こと!

フワフワと浮き上がった超人類たちを、セレスティアが「巨大な蝿叩き(物理)」で叩き落とす!

「主様の、安眠を、邪魔する、羽虫……。一匹ずつ、丁寧に、潰して、差し上げます……ッ!」

【作者よりお願い】

最後までお読みいただき、本当にありがとうございます!

ページ下の【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】にして評価いただけると、執筆の大きな励みになります!

ブックマーク登録も、ぜひポチッとよろしくお願いいたします!

また、もしよろしければX(旧Twitter)などのSNSで「#空中要塞の編集神」などのハッシュタグを付けて、感想と一緒に広めていただけると、執筆のモチベーションが爆上がりします!

皆様のシェアが、カナタのさらなる「うっかり」を生む原動力になります。よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ