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05 現状把握とプレートの秘密(1)

 ついに3つ目のスキルが手に入った。

 この世界に放り込まれてから12日目の夜、ピコンッ、と音が鳴って、プレートが現れた。


『96時間経過

 ボーナススキルを受け取れます』


 待ちに待った新スキルだ。

 次は何がもらえるのか、少し期待してしまう。


『おめでとうございます

 「検索」機能を使うことができるようになりました』


 予想外のスキルに、私は思考がストップした。

(検索?何を?)

 困惑する私の前に、遠慮なくプレートは入れ替わっていく。


『次回ボーナススキルは30日後です』


(はあ!?)


『おめでとうございます

 新たな機能が追加されました』


(えっ、ちょっと、ついていけない!)


『次回ボーナススキル獲得時より、スキルを選択することができます』


(選択?選べる?なんのスキルがあるのよっ)


 プレートは私の疑問には答えてくれない。

 とりあえず、出てきた情報を整理しなくてはと、無理くり冷静なふりをした。

 設定画面から「スキル」画面を出すと、「検索」ボタンが追加されていた。

 押してみると、パソコン画面でよく見慣れた検索ツールが出てきた。

 迷うことなく使ってみることにする。

 頭の中でパソコンの画面をイメージする。検索ツールにカーソルを合わせて左クリック。

 カチッ、とかすかな音とともに、検索ツール内にカーソルが現れた。

(キーボードはないし、文字を打つには)

 頭の中で検索したいワードを念じてみる。


 ヴィスコス家


 すぐに、検索ツールに文字が表示された。


『ヴィスコス家』


 左クリックを思い描くと、新たなプレートが現れた。

『ヴィスコス家』

『ヴィスコス家~初代公爵の功績~』

『ヴィスコス家の歴史』

『エストアル帝国の起源』


 中には「著者」という文字も交ざっていて、書庫で読み漁っている本の題名だと分かった。

 この検索機能には、プレートで読める情報と、「本棚」に取り込んだ本のデータも検索できるようだ。

(この機能があれば、十分戦える!)

 ふつふつとやる気がみなぎってくる。情報に勝る武器はない、情報こそ最大の財源であると、私は信じているから。

 本来の自分がようやく戻ってきたようだった。


 資本主義のジャングルの中で、男と対等に渡り合うために挑み続けた19年。常に利益を計算し、結果を出すために一心不乱に働いていた日々を思い出す。

 ここから脱出するために必要なものが、頭の中で計算されていく。

(いける!)

 未来に活路が開き、私はこぶしを握った。

 プレートを見上げる。

 この情報は、遠慮なく使わせてもらおう。

 ピンクプレートは不穏な気配しかしないから、近づかない方がいい。ヒロイン至上主義であろうメインストーリーは、どう足掻いても、ヒロインのハッピーエンドの為だけに進んでいくだろう。

(ようは、少女漫画みたいなものよ。周りなんて関係なしにストーリーが進んでいくに決まってる)

 私は、名前のあるただの脇役。それも、ヒロインを引き立たせるためのスパイスだ。メインストーリーに関わった私の末路は、追放。追放先さえ分かれば、準備もできるし、このヴィスコス家から解放されるからいいかもしれない。だが、

(やられたままで引き下がるのは、どうにも性に合わないんだよね)

 だから、自分の選択でこのヴィスコス家から出たいのだ。

 それが可能になる鍵が、グレーのプレートだ。これには、この世界の過去から未来までの情報があふれている。プレートの情報と、私が現代社会から持ち込んだ知識を合わせれば、絶対にお金になると確信した。

 卑怯だと言われてもかまわない。

 このプレートを見れる状態にした「世界」の責任だ。私へのプレゼントだと思えば、遠慮なく受け取ろう。

(私なら出来る)

 営業企画部部長まで駆け昇り、常に情報戦に勝ってきた自分の能力を信じるのだ。お金になる企画を発案し、プロジェクトを動かす手腕が私にはある。

 笑いがこみあげてくる。

 ふふっ、とつい声を漏らして、室内に人の気配があることに驚いた。

 振り返ると、部屋の入口に、怪訝そうな顔のマレンダが立っていた。疑うようなまなざしで、私を見ている。

 そういえば、夜にマレンダが部屋にやってきたのは久しぶりだ。

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