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【オリジナルタイBL小説】HOTEL HEAVENLY  作者: ノブナガ・トーキョー
【第七話 星の守り人】
55/74

7-6

ぐったりとベッドに横たわるダーオは動けないでいた。

互いの心の衝突があまりに大き過ぎた。スカイはダーオを取り戻すために必死なあまり、激しくダーオを抱いてしまった。ダーオは身体的なダメージが限界にきている。


(…あぁ…ケツが痛いって…)


今はそれしか考えられない。

スカイにこんな抱かれ方をしたのは初めてだ。どこでボタンを掛け違えてしまったのだろう。複雑に絡み合った各々の事情が邪魔をしてもう解けない。


(今の俺に気力さえあれば、スカイに問い詰めていたかな…)


あの女性との関係は一体何なのか、本命はどちらなのか。


(…そんな事を聞いたところで、もうどうしようもないけど…)


スカイは軋む胸を宥めながら服を整えると、利己的な行為をダーオに強いた己の罪に目を逸らしてドアを開けた。

扉のすぐ向かいの壁で憔悴しきった顔のロムが顔を上げた。

ロムは扉一枚を隔てたこの場所でスカイとダーオの発する全ての音を聞いていた。

ロムの右腕に残る刃物の切り傷は既に完治し、経年の経過により盛り上がったケロイド状態になっている。そのケロイド状になったひと筋をロムは爪で抉り、なんとかこの地獄の様な時間を耐えた。心の痛みを消す為の方法は肉体的な痛みで紛らわすしかない。ロムの腕には血が滲んでいた。

ロムはもう立ち上がれない程この短時間で何歳も老け込んだように見えた。

スカイはロムを小汚い負け犬を見るように見下ろしていたし、ロムはスカイを侮蔑の表情で見上げていた。

ロムとスカイは無言で睨み合う。一触即発の空気だった。

先に手を出したのはロムだ。スカイに掴みかかり渾身の一発を振り上げた所で、弟に飲み物を差し入れようとやってきたピンクに止められた。コップに入った氷は勢いよく床にぶちまけられる。ピンクが叫びながら、必死にロムを背中から羽交い絞めにする。


「ホントンだから!!アンタ!相手はホントンだから!!」


ピンクはロムの拳が一発でもスカイに届いてしまった後の事を想像すると、羽交い締めたこの腕はどうしても離せなかった。ロムだけの問題ではない。ガイの問題にもなり得るし、プーケットで働くピンクにも波及する問題になり得てしまうからだ。スカイを殴るとはつまりそう言う事だ。

ピンクによって動きを制限されたロムとスカイは互いに視線を外さない。


「ダーオには手を出すな!負け犬の癖に!!」


スカイの挑発的な言葉に激高したロムはピンクの手を振り解いて、やはりスカイを殴ろうとする。しかし今度はピンクの悲鳴を聞きつけた彼氏に止められてしまった。

ホントンの倅を殴るリスクが、ロムに手を出す事を許さない。


「クソがッ!!どの口がそれを言うッ!?スカイ!!おいスカイ!!」


ピンクの彼氏に羽交い絞めにされたロムは言葉で応戦する。

ダーオをキープして、本島に居る彼女とも上手くやろうと言う魂胆か。上手く世渡りしている陰で泣いている者の声を聴く気が無いのか。スカイは己の行為の及ぶ範囲がいかに広いかが分かっていない。


「俺が負け犬ならお前は子供だ!!何も…何も解っちゃいない!!これ以上何も堕とすな!!関わるなッ…!!」


やはりロムはスカイが大嫌いだ。

ロムの部屋の窓から見える空は徐々に明るさを含む。昨日の死から再生する太陽の光がヘブン島を照らす。ロムはピンクとその彼氏によって押さえつけられたまま黄金に輝く太陽の一筋を眺め憂う。

争いの場には似合わない美しい夜明けだった。


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