表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
48/54

第47話


 デュラハンが俺の方へと体を向けてくる。

 ……顔があるわけではないので、本当に俺を見ているのかはっきりとは分からない。

 しかし、デュラハンに睨まれているような感覚はあった。

 

 デュラハンがゆっくりと迫ってくる。

 よろよろと体を起こしたエフィへと、デュラハンは走り出す。



 エフィへと距離を詰めたデュラハン。俺はその間に割りこみ、ウォリアソードを振りぬいた。

 デュラハンが大剣で受けとめる。


「おまえの相手は俺だ!」


 どうやらまだエフィへとヘイトが集まっているようだ。

 だからこそ、俺を印象付けるために刀を振りぬく。

 俺の抜刀をデュラハンは身をそらしてかわす。しかし、俺は斬撃をデュラハンがかわした先へと放つ。


 俺の見える抜刀はかわしたが、見えざる斬撃まではかわしきれなかったようで、デュラハンの体を斬撃が襲う。

 その黒鎧に傷をつけながら、体を弾いた。

 地面をすべるように受け切ったデュラハンは足を止め、こちらをじっと見た。


「……」


 ……ようやく、俺を敵として認識してくれたようだな。

 あまり周りを庇いながら戦えるほど余裕があるわけではない。

 これでようやく、周りを気にせず一騎打ちが出来るというわけだ。


「……」


 一瞬の間のあと、デュラハンが大地を蹴りつけた。

 速い。

 それをぎりぎりで捌いていく。

 

 やはり、デュラハンは格上だ。俺はデュラハンの攻撃のすべてを捌き切ることは出来ず、腕、足へと切り傷が生まれる。

 だが、多少の傷であれば【再生の勇者】で瞬く間に傷はふさがる。

 

 デュラハンの大剣にまとわりついていた黒い魔力が俺の体へと襲い掛かる。

 なんだこれは? 一瞬、気力などが持っていかれたような感覚があったが、すぐに俺は普段の状態へと戻る。


 振りぬいたウォリアソードがデュラハンとぶつかる。

 片腕では受け切れない。だが、こちらも攻撃の手を緩めるつもりはない。

 俺は即座に刀を振りぬく。デュラハンは寸前で攻撃をかわし、俺の左腕へと大剣を叩きつけて来た。


「ぐぅ!?」


 左腕が切り落とされる。

 俺は取りこぼしたウォリアソードを右手で回収しながら、腕の再生を待った。


 ……やはり、強い。

 俺は一度距離をとり、デュラハンと改めて向かいあう。


 そして、剣戟が始まる。

 デュラハンの攻撃を寸前でかわし続ける。

 ぎりぎりまで引きつけ、敵の隙を突いていくのだが攻撃は当たらない。


 デュラハンの大剣によって、頭を弾かれた俺は……一度深呼吸をしてデュラハンと睨み合う。


「……足りない、か」


 今の俺では勝てない。それははっきりと分かった。

 ここで長時間戦闘を繰り広げるわけにもいかない。

 なぜなら、外では今も魔物が発生し、街を危機にさらしているからだ。


 ……まだまだ、上手く使いこなせるわけではないが、やるしかない。 

 俺は【ウォリアオーク】と【サムライオーク】の両方を纏い、一瞬でデュラハンとの距離を詰め、刀と剣を振りぬいた。


 俺の二撃は、これまで以上の速度で以てデュラハンの鎧を傷つけた。

 ――押しているッ。


 二つ同時に憑霊を行えれば、デュラハンの身体能力を上回ることができる。

 しかし、攻撃はその一瞬だ。体の維持が難しくなり、俺は憑霊を強制的に解除してしまう。

 

 痛みのほとんどを感じなくなった体に、憑霊による負担がどっとのしかかり呼吸が厳しくなる。

 

 動きを止めた俺へと、デュラハンの剣が襲い掛かる。


「くっ!」


 あっさりと体が両断される。

 すぐに再生し、何とか続いての攻撃をかわすことはできた。

 

 憑霊を二つ同時にまとえば攻撃を当てることもできる。

 だが、それによって反撃をくらってしまう。

 

 ……【再生の勇者】がなければこれは無謀な特攻だ。

 だが、俺には無限に再生できるアドバンテージがある。


「ハァ!!」


 さらにもう一度憑霊を二つまとい、デュラハンへと攻撃を当てた。

 デュラハンの様子がまるで変わらないため、ダメージが入っているのかどうかも分からない。

 

 だが、俺にはこれ以外の技は何もない。

 これが、今の俺が出来るデュラハンを倒しうると考えられる最大の攻撃だった。


 俺は二つ同時の憑霊を繰り返し、デュラハンを削っていく。

 

 何度も腕を斬られ、頭をはねられようとも。

 憑霊による疲労と痛みに襲われようとも。

 

 俺がこのデュラハンを破るにはこの技しかない。

 それをただ、繰り返すしかない。

 圧倒的強者を破れると、自己暗示でもなんでもいい。

 自分の今の戦いが正しいと信じ、俺は刀と剣を振りぬいていった。

【重要なお知らせ!】


日間ランキング上位目指して更新頑張ります!


・ブックマーク

・評価の「☆☆☆☆☆」を「★★★★★」


をしていただきますととても嬉しいです!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小説家になろう 勝手にランキング

新連載です! よかったら読んでください!
宮廷鍛冶師の幸せな日常 ~どうやら俺は宮廷一の鍛冶師だったようだ。俺を追放した奴らは今さら困り果てているが、もう遅い。俺は隣国で公爵令嬢に溺愛されながらのんびり生きます~


新連載です! よかったら読んでください!
世界最高の精霊術師 ~双子だからと虐げられていた私は、実は精霊たちに溺愛されていたようです。私を追放してしまった家は……後悔してももう遅いです~


短編です! よかったら読んでください!
サディスティックな公爵様 ~巫女だった私は婚約破棄され、家を追放され、そして、公爵様に拾われる。実は世界最高の巫女だったと気づいても今さらもう遅いです~


短編です! よかったら読んでください!
俺の妹はツンデレらしいが、そんなこと言われても困る ~今さら告白されてももう遅いって! 今までの関係がそう簡単に変わるわけがない!~


短編です! よかったら読んでください!
異世界召喚された聖女は最強です ~攻撃魔法が使えない無能だと罵られた私だったけど、攻撃魔法以外の才能はすべて天才級でした。今さらオレのパーティーに来いといわれてももう遅いですよ?~
― 新着の感想 ―
[気になる点] エミルすぐ、ウデ切り落とされとるやん!死亡者が1人だけなのはおかしいだろ? ホントに大丈夫か?
[一言] 刀と直剣の二刀流ってロマンだよね
[一言] 普通なら必ず死に、必ず殺される様な環境下でのW憑霊技の実践訓練。 この一戦を以て多重憑霊技の基礎を獲得すると言うイベントですね?解りますw 今回の会得を元に昇華していき、最終的には胴体+両…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ