表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/15

『いつものところで待ってる』

 会議中にあった彼女からの最期のメールだ。それを見て僕は会議が終わるとすぐに会社を後にした。


「病院へは何時に行くんだ?」

「午後からよ。一通り身の回りの物を運び込んだら私は用無し」

「独身に戻るわけだ」

「バーカ」

 そう言ってタバコの煙を僕に吹きかける。


 今年は天皇の退位と新天皇の即位に伴い、10連休となる。うちには幸いなことに子供が居ない。妻はテニスのサークルで温泉へ行ったり近所の奥様方とカラオケに行ったりと充実した日々が待っているのだとか。真にゴールデンウィークなのだとか。僕は特にやることがない。ゆっくり起きて有り合わせのもので朝食をとってDVDを見たり散歩したりしながらだらだら過ごすと決めている。こういうのが一番贅沢な休日の過ごし方だと思っている。

 連休初日。起きた時には既に妻の姿はなかった。代わりに台所のホワイトボードにメモが貼り付けてあった。

『チンしてすぐに食べられる冷凍食品をたっぷり買ってあるから』

 冷蔵庫を開けてみる。冷凍庫には隙間なくぎっしりそれが詰まっていた。

「料理くらいできるんだけどな」

 僕は苦笑する。


 独身の頃、僕のアパートにまだ結婚する前の妻が遊びに来たときはいつも僕が料理を作って振舞っていた。

「美味しい! 私より料理上手ね」

 そう言って褒めてくれていた料理が苦手な結婚する前の妻は結婚しても料理はしなかった。

「今は便利なものがたくさんあるのね」

 コンビニでもおかずになる料理が何種類も売られていることに感心しながら。温めた真空パックの袋からサバの味噌煮を皿に盛り付ける。


 DVDを見飽きたころ、彼女からメールが届いた。

『独身になったよ~』

『僕も独身』

 そう返信して僕はDVDプレーヤーとテレビの電源を落とし、ソファから腰を上げた。

「さて、出掛けるとするか…」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ