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安寧




突如巨大生物に占拠されてしまった町から生還して二週間。事情聴衆だとかでずっと閉じ込められている。




毎日毎日、どうやって生きてきただのあの巨大生物はなんだのあの公民館で何をやってただの。



「うっとうし……」




あの化物共の正体なんぞ知らんし、公民館へ行ったのは、町から逃げられるからと聞いたからだ。




生きてたのはただの運が良かっただけだっての。




そんな感じの同じ質問ばっかり毎日繰り返されていい加減疲れてきた。




あの日、重要参考人だとかで二日ほどかけて今のホテルのような所まで連れてこられた。



場所は到着するまで目隠しをされていて全く分からなかった。聞いても答えてくれないし。




一日に二回程、質問しにやってくる人がいる。……まじ迷惑。




部屋自体は俺一人でいるなら広いぐらいである。大抵のものはあるし、ここにあるものだけで生活出来るぐらいだ。




ただ、上の方を目だけで見る。取り付けられているカメラのレンズが無機質にこちらを捉えている。




ずっと監視をされているようなのだ。外出も禁止されていて、この部屋の外には見張りが一人いる。




「はぁ……」




生活の保証をされているのは嬉しいが、いくらなんでもたかが一般人にここまで厳重にする必要があるのか?やりすぎだろ。




あれから安藤さんや蓮さんとは会ってないし、あの人達の目的も考えも分からないままだ。



「直人は無事かな……」



あの公民館には直人がいたよな……安否の確認をする前に連れていかれたから結局分からない。



もしかしたら俺と同じように連れてこられてるかもしれない。



ま、それだったら生きてるって事だしそっちの方がいいんだけど。




「そういえば……」




気になることがあってテレビを点ける。




因に、巨大生物の事は全然報じられてはいない。最近活動を活性化してきたテロの爆破事件という適当にでっち上げられたニュースになっていた。




(まあ、あんなのがいるなんて信じてくれる訳もないか)



そういえば、今日はいつもの尋問が来ない。だいたい時間通りに毎回来るのだが、今日は既に二時間遅れている。



何かあったのだろうか。答えてはくれないだろうが、ドアの前で警備をしているであろう人に声をかける。




「すいませーん。今日って尋問ないんですかー?」




「……」



返事がない。というか、誰もいない?



「あのー……」



二、三回ノックをしてみるがやはり反応がない。ドアノブを捻ったが開かない。



「今なら、外に出られるかもな」



部屋に何か使えそうな物がないか見てみた。ハンガーを引っ掛ける金属棒が使えそうだ。



金属棒をドアに思い切り叩き付ける。それだけでは壊れない。何度も何度も叩き付ける。



ドアが次第に変形してきたが金属棒も変形して使い物にならなそうだ。



他に使えそうな物が無いか調べたが無さそうだ。



「そこは壊れる所だろ!」



怒りに任せて蹴りを入れる。カギの部分がボギッと鈍い音をたてる。



もう一度蹴りを入れるとドアは吹き飛んで反対側の壁に衝突した。



「やっと出れるわー……最近ずっと部屋に閉じ込められてたから暇でしょうがなかったんだよな」



回りを見ても誰もいない。ドアを壊して出てきたのに警報の一つも鳴らない。



「ま、その方がいいんだけど」



建物の造りを見ると本当にホテルのようだ。しかもここは最上階。窓から外を見ると下に町が見えた。



「ん?」



なんだか様子がおかしい。建物がほとんど倒壊している。地震でもあったのだろうか。もしかして、そのせいで来てないのかもしれない。



「ちょっと悪いことしたかなぁ」



ま、外出はするんだけどな。

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