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49:死亡カメラの全貌。

目元を押さえ、隙だらけとなった鶏を着実に「それ」は痛めつけていた。

先ほどまでに突き刺した2本の小型剣はそのままにして、

本命の剣は長剣ロングソードだった。

ちなみに何故こんなにも鶏撃破候補者の事を実況できているかというと、

死亡していて、敵からはターゲティングされないが、

近くに回復してくれる人、または回復してくれそうな余裕のある人に近づいて、その人のプレイを観ることが出来る。

ただ、プレイを観て楽しむのではなく、回復してくれるかを判断するだけのためにこのモードを運営は設置出来たようだ。

なにしろ始めてのデスだったので、「それ」の鮮やかなバックステップは近くで眺める事は出来なかった。

ちなみに、カメラなどで近づいて観るのではなく、

実際の自分の死体がさも生きているかのように起動して観覧出来るそうだ。


妙な体勢で「それ」を観ていても、匍匐ほふく姿勢なので気づかれはしなかった。

逆に気づかれなかったら回復させて貰えないのだが、

傍観者が傍に居ると気づいた証には俺がどんな処罰を受けるか分からないし、

鶏を追い詰めている「それ」にも失礼な行為だという事は重々承知していた。


俺はいかにも怪しい体勢で「それ」の鶏討伐の姿を見ていた。

「それ」の技は毎秒目を見張るほどだ。

目元のダガーを取り出した鶏は右羽、左羽、と「それ」に向かってジャブ攻撃を繰り出すが、「それ」はヒョイヒョイとバックステップや、走り抜けでいとも簡単に回避している。

驚いた瞬間が、鶏が両手を使って、「それ」を押しつぶそうと迫ったら、

地面に長剣を素早い速度で突き刺して、柄を重心に置き、

ブレイクダンスのように足をグルグルと回し始めた瞬間だ。

その威圧のため、鶏は近づく事が容易に出来ず、そろそろ戦いも終わりが近づいているように見えた。

「それ」は長剣を胸の前で構え、最上級スキルと思われる必殺技を放つ初期モーションを用意しているのが俺の目から確認出来たからだ。

無事討伐が成功したら俺を見つけてもらいたいが…。


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