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48:「それ」の巧妙な…

目の前が真っ暗になる。

『あなたは死亡してしまいました!』

という言葉が赤いデコレーションをして俺の眼前に表示される。

リスポーン地(カナの宿屋)に戻れるのは任意のようだ。

だが、そこでリスポーン地に戻ってしまった場合、クエスト放棄とみなされ、

再度この荒野を歩いて鶏に挑まなくてはならなくなる。

もう死んでいる状態だからもちろん鶏にはターゲットされない。

俺をその大きいお尻で圧死させた鶏は勝利の雄叫びとばかりに、

『コケコッコー!』

と、模範的な鶏と何ら変わらない鳴き声をした。

俺と戦闘して自分の陣地から少し離れてしまったらしく、鶏はそれに憤慨し、自分の巣に戻っていった。


数分死んだままの寝転がっている体勢で助けを待っていたが来る気配もなく、

先ほどまで面白おかしく観察していた鶏も巣に戻ってかあまり行動を起こさなくなってつまらなくなってきたので、俺はリスポーンをする覚悟を決めた。

どうせ手ぶらで死亡回数1という称号を要らないのに与えられた俺はカナにどやされるだろう。

いやまあどやされても嬉しいのは嬉しいのだが。

癒し系にどやされたらなぁ…………。

俺が妄想で鼻を膨らませていると、

俺の遥か10メートル先のところから大きな動きが垣間見えた。

俺から見えるのは縦長の何かが鶏に向かって攻撃をしているように見えた。

どうやって攻撃しているのかは見えない。

ただ、鶏が明らかに嫌がっているのと、俺に与えたような反撃モーションを行っているからである。

鶏を確実に追い詰めている「それ」は俺と同じく、鶏に近づいて攻撃を行っていた。

また、鶏も同じく反撃を行った。

あの羽を振り回して敵を吹き飛ばすやつだ。

あれで俺は動きが止まって何も出来なかったんだった。

先ほどの俺との戦いに次いで、2人目の戦いには鶏もキレていたようで、俺よりも2倍ほども迫力のある扇風機攻撃を繰り出した。


だが、

「それ」は華麗なバックステップで鶏の反撃をヒラリとかわした。

華麗にあしらわれた鶏は激高し、移動しながらの扇風機攻撃をまた繰り出したが。

「な、なんだあれ…」

2、3度バック転をしたあと、最後には高さ10メートルを下らない大ジャンプを鶏にせ付けた。

鶏はAIにも関わらず唖然としているように俺は感じられた。

空中にいる「それ」はふところから小型剣ダガーを2本取り出し、

鶏に突き刺した。

その技は的確に鶏の両目を潰した。

「すげぇ………っ!」

鶏は攻撃の手を止め、その両手で自分の目の辺りを押さえる。

それをすかさず「それ」は狙っていた。

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