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ローズマリーの伝言

 


 図書室にいるときに、ふとグリフィス様の宿題を思い出しました。


 ローズマリーの波動療法での効能はなんだったか、でしたね。



 今は学力試験の勉強の為剣の稽古はお休み中でいつもよりゆっくりと図書室にいます。



 波動療法の本を数冊手に取って、ローズマリーの項目を調べます。


 ローズマリーのフィトケミカルの効能は記憶力アップ、防疫、防腐、美容、創傷治癒などと幅広いですが、波動療法としては教科書にも載っておらずマイナーな部類のようです。


 図書室の本も調べてみましたがローズマリーの記述はありません。


 おかしいですね。グリフィス様が仰るのだから絶対に波動療法には使われているはず。図書室で簡単に答えが出ることならそもそも宿題には出さない……ですね。ちょっと甘かったです。




「ディアドラ、何を調べているの?」


 振り返ると金髪碧眼の天使のような美少年、アデル王子がいらっしゃいました。


「波動療法について調べているのですが、詳しい書籍がないようで……」


「ふーん?試験でいるの?」


「いえ、そういうわけでは……少し気になっただけです」


 宿題の経緯を話す訳にはいかないし、端的にローズマリーのことを調べている、と言うとアデル王子はきっとわたしの代わりに調べ(させ)てしまうでしょう。それではグリフィス様の宿題をやったことにはなりません。



「だったらディアドラ、試験後の長期休暇は予定はある?なければ王宮に遊びに来ない?王宮図書館なら目当ての文献も見つかると思うけど」


「まぁ、良いのですか?じゃない、いいの?」


 アデル王子が嬉しそうに笑う。まぁ眩い。


「……もう、いいよ。ディアドラは誰にでもそういう丁寧な口調だから。ディアドラの喋りやすいようにして。それで実家には帰らないの?」


「帰りますよ。その時期はお父様も王都の町屋敷におりますのですぐ近くの王宮へ行くのは許してくださると思います。アデル様のお誘いですし」


「良かった!試験が終わったらまたちゃんと計画立てようディアドラ!」


「わぁ楽しみです!クララ様もお誘いしておきますね。ではごきげんようアデル様」


 クララ様は婚約者候補ですものね。わたくしがアデル王子とふたりっきりになるのは、クララ様に怒られてしまうわ。


 早速お誘いにクララ様の寮部屋へと参りましょう。










「あら、ごめんなさいディアドラ。長期休暇は家族で小旅行へ出掛ける予定なの。あらまあどうしましょう」


「は?初耳な予定だな」



 クララ様の寮部屋のサロンにはノイシュがいます。


 本当に仲良しですね……。会えたのは嬉しいのですけど。おふたりは休日の予定もお互い把握する仲なのですね。はぁ……。



「ノイシュは?何か予定がありますの?実家に帰るのかしら」


「おばあちゃん()にいるけど特に予定はないよ?」


「おばあ様のとこなら王宮に近いじゃない。ねぇノイシュ。ディアドラと一緒に行ってあげて?うんそれがいいわ。ディアドラもそれなら安心でしょう?」


 ちょ、安心、って……えぇーーーーー??


 う、嬉しいけど、ノイシュは迷惑じゃないのかしら?


「僕はいいよ。ついでに聖女様のところに行こうよディアドラ。神殿に。聖女の仕事のこと知ってる?」


「いいえ?」


 そういえば、わたくし光属性の魔力のせいで聖女(候補)って言われているけど。





「……そもそも聖女様ってなにをするんですか?」



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