二回目の隊長会議
クライブ目線、短めごめんなさい
次の隊長会議に俺が出向くと、2隊長から舌打ちをされた
「舌打ちって、大人気ないですよ」
俺の言葉にさらに舌打ちをされた
「そうだ!クライブ、風の隊長は僕が贈った百合の花は気に入ってくれたかな?」
「さあ?…ですが、お礼を言っておいて欲しいと言ってました」
水の隊長はニヤニヤしている
「そうか、大事にしているか」
「……そんなこと言ってません」
水の隊長はニヤニヤしながら俺を見ると、言った
「焼きもちなんて大人気ないな~」
俺は水の隊長から視線をそらした
「ラケシス様は百合の花の匂いが苦手なので食堂の窓辺にバケツに入れて飾られています」
「…」
水の隊長を黙らせるのには、真実を言うのが一番である
エイラム様が笑いを堪えているのが見えて、俺は苦笑いを作った
「なら、俺がやった薔薇の花束は?」
火の隊長はかなりの量の真っ赤な薔薇の花束を送ってよこしていた
「お礼を言っておいて欲しいと…」
「じゃなくて、俺がやった薔薇の花束は、何処に飾られてる?」
俺は火の隊長から視線をそらした
「飾られていません」
エイラム様が絶えられなくなって大爆笑し始めた
「エイラム様、笑いすぎですよ」
「だって、ラケシスに薔薇の花束、ひ~、どうせ赤い薔薇の花束やったんだろ?アッハハ」
火の隊長の顔がひきつる
「…喜んでましたよ、それはもう」
エイラム様がさらに腹を抱えている
「なら、なぜ、エイラム様があんなに笑っている…」
俺はいって良いのかわからなかったが、説明した
「ラケシス様は赤い薔薇が大好きなんですよ……大好物なんです、ですから、ジャムにして隊員皆で朝食に食べました」
火の隊長は真っ青な顔をした
「ラケシス様が、大量にジャムが出来るほどの花束は初めて見たと、目を輝かしているのが可愛かったですよ」
エイラム様が机を叩きながら大爆笑していた
しばらく笑い続けていたエイラム様がようやく復活すると口を開いた
「あのこは、お前らが思ってる普通の女の子ではないぞ」
エイラム様は懐かしむように穏やかな笑顔を作っている
「普通とは違うとは?」
水の隊長にきかれ、エイラム様は視線を俺にうつした
「ラケシスは花をもらっても喜ばんよ、なんせ、クライブに花をもらい続けていたからね、男は花を贈りたがる生き物だと思い込んでるんだ」
俺は白薔薇をあげたときのことを思い出していた
だから、『お前と、これはワンセットなのか?』みたいなことを言っていたのか
「なら、何をプレゼントすれば喜んでもらえるのでしょうか?」
エイラム様はそう口走った水の隊長を静かに睨み付けた
「教えると思うのか?」
部屋の中か冷えていく気がした
「エイラム、そろそろ隊長会議始めてくれ」
「はっ」
陛下の言葉にエイラム様は笑顔をつくり、隊長会議が始まった
隊長会議が終わり、俺は光の町を歩いていた
城のある光の街はエイラム様率いる光の隊が管理している貴族の多い街である
騎士の制服で歩いているだけで貴族女性にナンパされたりする
「貴方、時間がありましたら、お茶に付き合って下さらない?」
俺は静かに頭を下げて言った
「申し訳ございません、貴女のような美しい方に断りをいれるなんて本当に心苦しいのですが、時間が無いので今回は失礼させていただきます」
頭を上げて笑顔を作ると貴族女性は顔を赤らめて去っていった
俺は街についた時から目をつけていた店に入ると店の店主に言った
「ショーウィンドーに飾られてる花瓶が欲しいんだが、もらえるか?」
「騎士様、プレゼント用でしょうか?包みますか?」
「ああ、お願いする」
俺は店主に花瓶を包んでもらい、それを受け取った
「彼女さん、喜んでくれると良いですね」
店主にそう言われて驚いた
「彼女では、ないのだが…」
「幸せそうなお顔をしていたので、違いましたか…」
俺は少し頭をかいてから言った
「片想いなんだ、彼女は俺が想っているなんて気が付かないけど、十年も想っていられるぐらい好きな人だから諦めたりしたくない…」
「幸運を祈っていますよ」
「…ありがとう」
俺は精一杯の笑顔を向けて店を後にした
スランプ中です…ごめんなさい




