水着!
ラケシス目線です
クライブがお土産として買ってきてくれたのは、藍色と深緑が混じりあったような一輪挿しの花瓶だった
そして、当然のように白薔薇を一輪添えてくれた
「ありがとう、部屋に飾らせてもらう」
クライブは本当に嬉しそうに笑った
私はクライブのこの顔が好きだ
つられて笑顔を作るとクライブは私の頭を優しく撫でてくれた
「副隊長ばっかりズルい!ナデナデ俺もしたい」
回りの騎士達が頭を撫でたいと手を上げた
「…みんな…ごめん…全員に撫でられたら…ハゲそうだ…その…ごめんね?」
私は言葉を選んで言った
みんなは柔らかく笑顔を作ると首を横にふった
「謝んなくて良いっすよ!」
「隊長は可愛く笑ってくれれば、俺らは幸せなんすから!」
「隊長になら、蹴られたり踏まれても幸せっすよ!」
「いや、むしろ踏んでほしい」
クライブが怖い顔をしている
「誰か、この変態を牢にぶちこんでおけ、罪人だ」
「副隊長!言っただけっす!許してください!」
顔色をかえる隊員に、他の隊員も冷ややかだ
最近では隊員達も村の人達とも仲好くできていると思っている
「たーいーちょ、遊びましょ」
休みをもらったある日、村の子供達が隊まで遊びに来てくれた
「こら、ガキども!隊長の貴重な休みに何でお前らの御守りしなきゃなんないんだよ」
「お前みたいな、平隊員なんかとは遊んでやんないんだからな!」
前の日から子供達と川で遊ぶ約束をしていた私は水着にパーカーを羽織った状態で子供達のもとに急いでいた
「た、隊長!」
私を見かけた隊員に声をかけられた
「なんだ?」
「い、いや、どこ行くんすか?」
「子供達と川で遊ぶ約束をした、行ってくる」
隊員は慌てたように言った
「その格好でですか?」
私が首をかしげると、隊員はさらに慌てた
「せ、せめて、副隊長に声をかけてから行ってください」
「…わかった」
急いでクライブを探すとクライブは練習場で隊員達をしごいているところだった
「クライブ!」
私が声を上げるとクライブ達が振り返った
「子供達と川で遊んで来る!後は、たのんだ!」
クライブはフリーズした後慌てた
「……ち、ちょっと待って下さい、その格好で行くんですか?」
「変か?エイラム様は似合うと行ってくれたが、違う水着もあるが…」
クライブの後ろにいた隊員の数名が鼻をおさえた
「いや、めちゃめちゃ可愛いですけど、ガキどもと遊ぶって…大人は?」
「…私では保護者にならないって言うのか?」
「違います、ガキの保護者のふりした下心丸出しの野郎がいないかの確認です」
「大丈夫だと思うけど」
私は少し考えてクライブに言った
「心配症だ、なんなら保護者として一緒に来るか?…ああ、隊長と副隊長が同時に居なくなる訳にはいかないか?ならクライブの信頼できる奴に付いてきてもらうか?」
クライブはあからさまに眉間にシワを寄せ、振り返った
隊員達は一斉に手を上げた
「お前らなんて、信用できるか……」
クライブは大きくため息をついた
「子供達を待たせてるんだが?」
「すみません、…………ザイロにいってもらうか?」
クライブの呟きに他の隊員達が抗議の声を上げた
「ふざけんな、そんなオイシイ任務を何でザイロなんかにまかせにゃらなんのです!」
「俺、俺がやります、俺にやらしてください!」
「ずりーぞ、俺だって隊長と遊びたい!」
クライブがてに持っていた長い棒を振り回した
「お前らは俺が死ぬまでしごいてやるから安心しろ、ザイロが一番安全だ」
ザイロと言う奴が誰なのかわからなかったが、指定された医務班の待機場所に急いだ
「ザイロはいるか?」
私が医務班にたどり着くと医務班の奴は鼻を押さえて後ずさった
「た、たいしょう、な、なんてかっほう…」
鼻を押さえているせいで、鼻声で何を言ってるのかわからない
「あーら隊長、ナイスバディ、可愛いわ」
「君が、ザイロ?」
化粧の濃いがっしりとした美人(男)が私のそばに寄ってくる
「そうよ!ザイロは私の事、本当はもっと可愛い名前が良かったんだけど、親が考えてくれた名前でしょ、仕方なく使ってやってんのよ!」
私はザイロに笑顔を作るとお願いした
「子供達と川で遊ぶんだが、一緒に来てくれないか?」
「良いわよ!可愛いものを見るのだ~い好き!喜んでお供するわ!」
私はザイロを引き連れて子供達と川に向かったのだった




