恭順
「やったのですね、李儒を」
貂蝉が安堵の笑みを浮かべている。夏侯惇の顔を見て一瞬たじろいだが、無理もなかった。
「貂蝉、李儒は気になることを言っていた。確か…左慈だったかな。そいつが、異世界のことをなにか知ってるかもしれない」
「左慈…ですか」
「で、勝利。これからどうするんだ?」
「曹操軍を拡充する良い機会だ。董卓の兵と、優秀な将を引き抜こう」
「…それだったら、張遼がオススメ。私に任せて。張遼連れてくる。」
「ふむ。なら、任せた。一足先に曹操のところへいって、待っておく。」
「了解」
勝利は兵の拡充を担当し、解散した。
ー
「お疲れさま。本当に、無事で良かった…」
曹操に労われる。
「ああ。しかし、すまん。夏侯惇を傷つけてしまった。」
「曹操様、申し訳ありません…」
「あら。気にすることないわ。命があっただけで、万々歳じゃない。」
「ありがとうございます…」
「今、呂布と賈詡は張遼っていう武将を仲間にしようとしているところだ。そのうちかえってくる。」
「あら。ありがとう。とりあえずこっちは、兵の調練ね」
「ああ。董卓がこっちの味方ってのを言っただけで、かなりの人数が集まった。董卓、好かれてるみたいで良かったな」
「あら、ありがとう。…曹操殿、勝利殿、私は貴方達に恩を受けました。一生を通して、返していくしかないと思っています。なので、臣下になろうと思っております。」
董卓が頭を下げる。
「一つ約束してほしいことがあります。絶対に、民に負担をかける政治はしないと…約束してください」
「約束するわ。この曹孟徳、自分の名前に誓ってそんなことはしない」
曹操を見上げる。そして、さっきよりも深く頭を下げる。
「それを聞いて安心しました。どうぞ、私を存分に扱いください。…坊や、これからは同じ立場としてよろしくね」
「ああ」
董卓が配下になった。
「よし、とりあえず調練をして日を重ねるか」
兵の調練へ向かった。
二週間後。
呂布が曹操の使者を斬ったという情報が入って来た。




