相談
二人の少女がマクドナルドでお茶をしていた。一人はアオイと言い、もう一人はメイと言った。アオイとメイは仲良しだった。
「どうする? どこにする?」
「どうしようか?」
二人はある相談をしていた。それは、マクドナルドで気さくに相談するような内容ではなかった。それは、心中自殺の相談だった。
「薬は大変そうだよね」
とアオイは言った。アオイとメイはふたりとも背が低く、痩せていた。二人共、どこかいつも憂鬱そうな雰囲気を漂わせていたが、二人でいる時には元気で明るかった。アオイの方にはソバカスがあって、メイは切れ長の目を持っていた。二人共少女らしい姿で、見ようによっては小学生にすら見えた。(二人は中学二年生だった)
「クスリってそう簡単に手に入らないらしいよ」
メイは言った。彼女は目の前のオレンジジュースのストローを指で弄んでいた。
「私達の見た目だと絶対無理だと思う。年齢とか、身分証確認とかあるみたいだし」
「どうしようかな~」
アオイは窓の外を見た。窓外には曇りの空が広がっていた。曇り空の下には人々がぞろぞろと歩いていた。誰しも、どこかに行く目的が存在する。アオイには人々はそんな存在に見えた。
「どうしよう。飛び降りとかどうかな?」
アオイは言った。メイは「飛び降り」という言葉を聞くと、キラキラと目を輝かせた。
「いいね! 一緒に手つないで飛び降りよっか?」
「うん、そうしよう!」
そうやって、二人は心中する方法を決めた。二人の会話を聞いている人間は一人もいなかった。アオイとメイの会話は他人達にはきっと、少女の可愛らしい一時の会話に見えた事だろう。




