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企業戦士戦線(コーポレート・ウォーフェア)  作者: 凡夫 成


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33/71

第33話 企業戦士、時間の臨界。

本作は「企業×能力バトル」をテーマにした物語です。

商談は戦闘。契約は勝敗。

その結果は株価として市場に反映されます。

現場、会議、市場——すべてが戦場です。

気軽に読んでいただければ嬉しいです。


関ケ原。


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炎はまだ揺れている。


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地は裂け、


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空気は重い。


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東都。


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崩れかけた戦線。


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鬼頭が踏みとどまる。


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ゴウが歯を食いしばる。


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その後方。


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時任。


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静かに立つ。


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「……遅い、じゃ足りない」


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一歩。


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空気が沈む。


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「……もっと落とす」


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踏み込む。


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その瞬間——


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音が消える。


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動きが鈍る。


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世界が“ほぼ”止まる。


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だが——


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完全ではない。


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歪み。


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ズレ。


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時任だけが動く。


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「……見える」


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戦場の隙。


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流れの歪み。


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勝ち筋。


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その横。


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岡田 常務。


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ゆっくりと歩く。


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「やっとか」


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時任、わずかに頷く。


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「行きます」


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岡田

「いい」


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それだけ。


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二人、動く。


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時任が“流れ”を整える。


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岡田が“叩き込む”。


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ドンッ。


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炎城の動きが鈍る。


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土岐の足場が狂う。


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風見の風がズレる。


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三人の連携が崩れる。


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岡田、踏み込む。


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拳を振りかぶる。


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「終わりだ」


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その瞬間。


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——静止。


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いや。


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“完結”。


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時間が、閉じる。


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音が消える。


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風が止まる。


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炎が揺らがない。


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次の瞬間。


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すべてが“戻る”。


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だが——


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位置が違う。


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結果が違う。


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岡田の拳は、


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届いていない。


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時任

「……は?」


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初めての違和感。


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理解できない。


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遠く。


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帝央 本社。


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男が立つ。


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時任 三郎。


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静かに見ている。


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「そこまでだ」


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ただ、それだけ。


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関ケ原。


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炎城、無傷。


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土岐も立っている。


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風見、息を吐く。


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「助かった」


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小さく。


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その足元。


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隆起した大地。


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渦巻く熱。


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それらが重なり——


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業火噴界カルデラ・バースト


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誰も叫ばない。


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ただ、そこにある。


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時任、睨む。


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「……今のは」


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岡田、腕を組む。


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「面倒なのがいるな」


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一拍。


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時任、遠くを見る。


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見えない相手。


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「……あれが本体か」


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ナレーション。


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時間は、


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流れるものではない。


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歪むものでもない。


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閉じられるものだ。


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そして今——


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戦場に、


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“別の時間”が現れた。


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関ケ原。


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戦いは、


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次の段階へ進む。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

本作ではバトルだけでなく、企業の成長や株価の動き、

情報戦なども含めて描いていきます。

少しでも面白いと感じていただけたら、

ブックマークや評価で応援していただけると励みになります。

今後ともよろしくお願いします。

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