第四十四話 大聖女封印中→
「あはは、私がフラグ立てちゃったかな」
「うふふ、でも窓から見えたのは1人ですし、扉前も1人ですわね」
「開けてやらんのか?」
「はぁぁ、俺が出るね」
扉に近付き声を掛けましょうかね。
「はい、どちら様ですか?」
カチャ
ドアを開けると、ずぶ濡れの白いローブだっただろうドロドロのローブを着た女の子が一人。
「あ、あの、こ、この馬車と家を繋ぐ屋根の下をお貸し頂けませんか?」
「えっと」
「あっ、申し訳ありません、私はラミエルと申しまくちゅん、ああ、も、申し訳ありませんでくしゅん」
「あはは、そこじゃなくて中に入りなよ、ほら」
肩に手を置き引き入れようとして、そのガリガリさと、ぐっしょり濡れた薄いローブと、小刻みに震える体に気が付いた、鑑定すると、状態がヤバい、空腹·疲労·風邪·高熱······良く立っているなと思うほどだ、それに称号に、大聖女(封印)、虐げられし者、なんじゃこれは!
「ナニー! この子ヤバい! 体調不良の塊だ! 部屋を暖めて着替えを頼む」
「分かりましたわ、セイラそれは頼みます、私は消化の良いものを作りますわ!」
「う、うん! 分かった!」
セイラはラミエルちゃんに走りより、ローブの裾を掴み一気に引き上げ脱がせてしまった! おい!
すぽぽんですやん! ペラペラのローブだけしか着てませんでしたよラミエルちゃん!
「ひょえ! な、な、なんですとぉ~!」
元気だなおい! って万歳状態そのままで、『くしゅん』とくしゃみをして後ろに倒れてきますがな!
なんとか抱き止め、たが立っていられないラミエルが崩れそうになったため、お姫様抱っこに変更しソファーまで連れていく。
「セイラは、服を取りに行ったのか、ルキ、タオルをソファーに引いてくれる、革のままだと冷たいと思うから」
「任せるのじゃ! 毛布を出してやろう! ほいっと!」
ボサボサボサボサと大量に出してくれる。
「ありがとうルキ、ラミエルちゃん、寝かせるからね」
「ひ、ひゃい、くちゅん」
ソファーに寝かせ毛布を掛ける。
「スラさん、分裂お願いね、魔力供給!」
『・・・・・』
2匹出てきたぞ? ポヨポヨ弾みながらルキとラミエルに近付き、にゅるりと、消えていった。
「あはは、そう言やルキはまだだったのか? でもラミエルちゃんはまだだろうし、悪いものではないから良いか」
「持ってきたよ~、ありゃ、毛布にしたんだ」
「ルキにバスタオル頼んだら、毛布を出してくれた、ありがとうな、ルキ」
撫でておこう。
「どういたしましてなのじゃ!」
ニヨニヨしていて可愛いな。
「スープを作ってきましたわよ」
「ありがとう、ラミエルちゃん自分で食べれるか?」
「よ、よろしいのですか? 私には何も支払う物がありません、あっ、この腕輪が外せたら良かったのですが、外れないのですよ」
そりゃないか、薄いローブだけしか持ってないもんな。アイテムボックスのスキルも封印されてるから、あるのは全て封印されてる、その腕輪で。
「良いよ、ほら起こしてあげるね」
毛布ごと持ち上げソファーに座らせる。ってか何枚毛布でくるんでるんやこれ? 蓑虫、丸々とした蓑虫ですよ。
「うんしょ、手、手が出ません!」
うん、物凄くきっちり巻かれ蓑虫だから、手は出せないからね、仕形がないので首の部分を少し広げて手が出るようにしました。
その後は一皿をゆっくり時間をかけて食べきり、そのまま寝てしまいました。
「空腹は消えたね」
「ユウマ、シェアすれば耐性付くから直らないかな?」
「そうですわね、この子の顔色がまだまだ悪いですわ」
「だな、よし、シェア!」
ラミエルに玉が吸い込まれた。
「良いのか? パァーンするぞ?」
「「あっ!」」
「完全に忘れてた!」
「で、でも、ふ、復活するよね、するって言って!」
「膨らみだしたわ!」
・
・
・
・
・
・
パァーン
いや、復活して良かったですね、ラミエルちゃん、一応本当に復活したのか確認のため、見ないといけないのだが、誰も見たがらない······
「私が見てやるのじゃ、任せとけい」
「ルキありがとう、俺が見る訳にはいかないしな」
ルキは、ラミエルの側により、毛布を収納した。
「うむ、大丈夫だ、どこにも傷も残っておらんぞ」
「はぁ、本当だ、毛布を収納してしまうから、一瞬ぐちゃぐちゃを想像してしまったよ、って俺が見ちゃだめじゃん!」
近くで、俺が叫んでしまったため起きてしまった。
「くちゅん、はれ、あ、皆様ごはんありがとうございました、お腹も満腹でなんだか調子が良いです、寝ちゃってましたね、あはは」
俺は、後ろを向いている。
「ああ、良かったよ」
「本当ね、一時はどうなることかと」
「うふふ、ところで、ラミエルさん足は閉じた方がよろしくてよ」
「ん? 足ですか······ひにゃぁぁぉぁ~! ふ、ふ、服、服は無いですか!」
「あははは、はい、これ着てね」
セイラが手渡した様だな。
「あっ、ありがとうございます、お借りしますねって······あれ? そう言えば私、裸で抱っこされて最初にも見られちゃってましたよね?」
「ユウマ、責任取りなさいよね、忍君に並ぶのも近いかもね! くふふ」
「うふふ、今は栄養が足りなくてガリガリですが、すぐに普通に戻りますよ」
「いやいや、不可抗力だよね、セイラがめくっちゃったからだよね!」
「そ、そうですよ、こんな貧相な私の裸なんて見たってなんの得にも、でも、もし良ければ仲間になりたいです」
「ふむ、その話は後じゃな、まずは服を着るのが良かろう」
「ひゃ~、忘れてましたぁぁぁぁ~!」
その後着替えもセイラの服を着て、どう言う状況だったのかを聞くことになりました。
「私は孤児院出身で、その孤児院は、いわゆる子供を売りさばく様なところだったのです」
駄目な孤児院だな、他にもラミエルみたいな子がいるなら助けなきゃな。
「私は、生まれた時から封印されているのです、鑑定では大聖女なのですが、全てのスキルまで使えないしなんの力も示せなくて、生活魔法すら使えず、どうせ売れ残りになるからと、引き取られてからずっとごはんもあまり食べさせて貰えないし、二月ほど前に、奴隷で売るためだったのか、無理矢理借金の証文にサインさせられそうになったのですが、隙を見て逃げ出したのです」
そっか、スキルが封印されてたからな、それで商品価値が無いってか、んで、借金奴隷ならとりあえず、でっち上げた借金の金額が儲かるって事か。
「それが二月前になります、それからは町を飛び出して、となり町のスラムにいたのですが、ごはんも食べなくてはならず、冒険者登録をして薬草採取の依頼を受けて生活していたのです」
「そこに転移者と名乗る者達に、荷物持ちと調理などの雑用で誘われ、報酬で銀貨を頂けると遠征でこの街まで来たのですが、国境越えるには通行料、お金がいるのです、そこで、私の分は私で払えって、あはは······」
物凄く情けない顔をしてるが、段々と腹が立ってきたぞ。
「······私、お金がなくて、報酬から差し引いて下さいとお願いしたのですが報酬ももらえず、私が担いでいた荷物はアイテムボックスに収納してしまいますし、僅かながら持っていた私物も取り上げられ、置き去りにされちゃいました」
あかんわ、仲間にするしかないよ。
「ラミエル、俺達と一緒に来ないか」
読んでくれて本当にありがとうございます。
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