第四十三話 トラウト領一歩手前
はぁ。やってしまった。
それも、三人とも3回ずつか、お風呂場でコケて痛くはなかったのに、脳震盪で気を失って介抱後にだ、まあ気持ち良かったが、本当に絶倫だな、後はもう少し長く頑張れるようにが今後の目標だ。
それに、今ナニー以外は同じベッドだし、元気なのは仕方がないよな、朝でもあるし。
「ん? 起きたか? そろそろ朝ごはんではないか? 起きねばナニーが待っておるぞ」
「おはようルキ、体は大丈夫か?」
「うむ。大丈夫じゃ、ほれセイラも起きんか」
「おふぁよほぁぁ~」
いやいやセイラなに言ってるか微妙に分かるが、あはは。
「おはようセイラ、セイラも体は大丈夫か?」
「うん。凄く気持ち良かったよ、って何言わせるのよ! よ、よし起きましょう!」
皆で服を着て、まずキッチンへむかうが、いたいた。
「おはようナニー」
「おはようございます、もう少しで仕上がりますわよ」
「ありがとう、体は大丈夫?」
「うふふ。大丈夫ですわよ、お気遣いありがとうございます」
「無理しないでね、じゃあ向こうで待ってるよ」
「はい、すぐに行きますわね」
よし、皆は大丈夫そうだな。はぁぁ、覚悟は決めていたけどいざとなると中々のプレッシャーだな。
頑張りすぎたからみんな歩き方が少しぎこちないし、セイラとナニーも前そこまではげしくなかったからかな。なるべく今日明日くらいは、何かあっても俺だけで片付けるか。
「フウ、今日と明日くらいはセイラとナニー、ルキを休ませてあげたいから、もし俺がヤバかったら手伝ってくれる?」
「任せるにゃ、ど~んと馬車に乗ってるにゃ!」
「あははは、頼んだよ」
朝ごはんを食べた後、出発してお昼前にはしばらく続く、緩やかな下り坂に差し掛かったところで、ヒッチハイクしている5人の転移者に出会ってしまった······無視しちゃ駄目かな、あはは······。
しゃ~ないよなぁ。
「どうかしたのか?」
「ああ、次の街まで行きたいんだが、俺達の馬車が壊れてしまってな」
ん? なんだ? まともなのか? それなら良いが後ろの奴らはニヤニヤだしなぁ。
「それは災難だな、でも俺は馬車の修理なんか出来ないよ」
「お前転移者だろ? ならやることは決まってる」
「あははははは! 馬車をいただいてやるよ!」
「ひゃーはっはっはっ! こいつヨエーよ、レベル1だってよ!」
「スキルも、生活魔法だけだぜ、もしかしたら先に誰かにやられたか?」
「あ、俺無いから欲しいぞ、生活魔法」
はぁぁ、称号も、いつも通りだからもう良いか、話聞くのも面倒になってきたし。
搾取!
「あげないよ、犯罪者君達」
「はりゃぁぁ、立ってられないぃ」
後はいつも通り馬車の屋根に縛って、こいつらの馬車はマジで壊れてた、邪魔になるから収納してしまい、馬さんは、交代要員として同行してもらいましょう。
こいつらのアイテムボックスからヘキサグラム魔法大国の紋章が付いたナイフが人数分出てきたので、ナニーに確認です。
「貴族ですわ、何らかの功績を上げ、叙爵したようですわね。準男爵、一代限りの男爵ですわよ」
「へ~、称号にはそんな感じの物は無いのにな?」
「隣国との小競り合いで、相手方を全滅させるくらいしないと貰える物ではないですわね」
「ああ~、この大量殺人ってのがそれっぽいな」
「うふふ。それが今は犯罪奴隷ですわね」
「あははは、そうだな、じゃあこいつらは」
(未来と凛花の同級生かな?)
(その可能性大だよねぇ~、あの2人はあんなに良い子なのに、そうだ! 他に何人いるか聞いてみたら? 未来達より長く魔法大国に居るわけだから)
(そうですわね、その辺りは把握しておきたいですわね)
(そうだな、聞いてみるよ)
お昼の休憩に聞くと、こいつらは11人で転移してきたらしく、既に6人はこいつらが殺してしまったそうだ。良く考えたら未来達は召還者だから違っても当たり前だと言うことに気が付いた。
それに召還があった事も知らなかった。それに、叙爵の件はやはり隣国との小競り合いで活躍したそうだがまぁ、そのために6人は殺されたそうだ。
それから転移者を集めているとも、役に立ちそうな支援職が不足しており、攻撃職はよってたかって殺してしまい、スキルを奪うそうだ。
まったく、こいつら転移者はまともなの忍君くらいしか見てないぞ? もしかしてそんな奴らを狙って転移させていて、忍君がたまたまなの? スゴく不安なんだけどこの世界。
それから次の街で5人を衛兵さんに売り、すぐに出発して6日後、ヘキサグラム魔法大国の国境砦が見えてきた。
「長い列があるにゃ、蹴散らすにゃ?」
「フウ、良い人もいるからね」
「そうなのかにゃ? 危ないところにゃ、後ちょっとで特大のウインドカッターを飛ばすところだったにゃ」
「怖いな! やる時は言うからね、勝手に飛ばしちゃ駄目だからね」
「任せるにゃ」
そんなこんなで馬車の列の最後尾に並ぶ、日差しがキツいので屋根が欲しいと思うんだけど、後は雨の日ね。
目的完了したら魔改造してやろう。
順調に進みお昼で列の半分まで来た、ナニーが簡単なお昼ごはんを作ってくれたし、このまま行けるかと思ったのだが雲行きが怪しくなり、ポツポツと雨が降りだした。
「フウは中に入って良いよ、ほれ」
フウを小窓から中に放り込み、俺はローブを出してフードもかぶっておく、徐々に激しく降りだし、豪雨だ、すると対岸へ渡る橋が両岸に引き上げられ、渡れなくなってしまった。······これってここで夜営パターンかな?
「ユウマ、この雨は上がりなさそうですわね? 前の人達もテントを張り出していますわ」
「だよなあ、よし、俺達も持ち運びハウス出して、しまおうか」
「賛成~、雨が止んでも今日は行けるかどうかだよね~」
「おやつでもお作りしましょうか、うふふ」
「おやつとは! 私は賛成じゃ!」
あはは。よし出しちゃおうかね。それに馬さんにもまた入って貰うか? んじゃ真横に、ほいっと!
馬車の入口とログハウスの入口をタープで繋ぎ濡れないようにね。
「出したよ~、俺は馬さん外して、連れて行くからタオル用意しておいてね」
「「は~い♪」」
馬車から馬を外して、馬車はそのままで鍵だけかけ、俺達もログハウスに入った。
このログハウスの凄いところは、馬を入れると厩舎スペースが出来るのだ。
崖崩れ前に初めて入れてビックリしたよマジで。
「は~い♪ タオルだよ~、一緒に拭くね」
「ありがとう、拭いたら飼い葉と塩をあげるからね~」
どことなく嬉しそうにしているのは気のせいでは無いだろう。
馬の世話も終わり、ナニーが作ってくれたパンケーキを皆で食べた。
「ねえねえユウマ、今さらだけどね、こんなに人が居るところで持ち運びハウス出したら、また誰か来ない?」
「うふふ。この雨で辺りを見回している方がいらっしゃれば可能性はありますわね」
「あははは、まさか······」
「窓の外誰か通りましたわね······」
「私も見た······」
「マジで······」
「扉の前におるぞ」
コンコンコン
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