エンディング
その日は出発の日だった。
エスカローネはセリオンと共にシベリア共和国の「テンペル」に行くことに決めた。
ザンクト・エリーザベト修道会ではシュヴェスターたちとの別れがあった。
特にアンネリーゼはエスカローネとの別れに涙し、抱擁した。
ほかにも、ベアーテ、マリア、シャルロッテ、アウラ、ムッター・テレージアから別れの言葉があった。
そしてローザリントは同修道会のシュヴェスターになった。
「セリオンさんと共に元気で。私の姉妹、エスカローネ」
それがローザリントの言葉だった。
エスカローネはローザリントに別れを告げると、シベリア共和国首都ヴァナディース(Wanadiis)へとセリオンと共に向かった。
テンペルの建物――聖堂では懐かしい人物とエスカローネは再会した。
「あら? セリオン、おかえりなさい」
「ああ、母さん、ただいま」
セリオンの母ディオドラ・シベルスカだった。
彼女は金髪の長い髪に、青い瞳、白い襟もとの青い修道服を着ていた。
「そこのいるのは、もしかしてエスカローネちゃん?」
「ええ、そうです」
「あら、まあ……どれくらいたつのかしら?」
「10年ほどだよ、母さん」
セリオンとエスカローネは互いの手を握った。
「もしかして、二人は恋人同士なのかしら?」
「そうだよ。俺たちは互いに愛し合っているんだ」
「はい、そうです。私もセリオンを愛しています」
「あらあら、そうだったの。それにしても久しぶりねえ、ずいぶんと」
ディオドラは笑顔で二人を迎えた。
「エスカローネちゃん、また会えてうれしいわ」
「はい、ディオドラさん。私もまた会えてうれしいです」
「セリオン、エスカローネちゃんはどういう理由でテンペルに来たの?」
「テンペルの一員になるためさ。テンペルは信仰共同体でもあるからね。これからはエスカローネもテンペルのシュヴェスターさ」
「じゃあ、まずスルト様に合う必要があるわね」
「スルトは今どこにいる?」
スルトはセリオンの代父で剣の師でもあり、同時に聖堂騎士団団長、そしてテンペル総長だった。
「スルト様は執務室にいらっしゃるんじゃないかしら?」
「そうか。わかったよ、母さん。ありがとう。じゃあ、行こうか、エスカローネ」
「ええ、それじゃあ、ディオドラさん、失礼します」
二人は歩き出した。
二人は一体だった。
二人はこれからもずっと共にあるだろう。
二人の幸せよ、永遠なれ。




