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魔王vsパワードスーツ/魔王に滅ぼされかけた異世界の人々、26世紀のパワードスーツを召喚して反撃に出る  作者: kadochika
6.人湖、擾乱

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6.EX.ホウセの呼び声

 インヘリト特別市、魔術省の官舎で。

 こんこん、と自室の扉を叩く音と共に、わざと間延びさせた声が彼を呼ぶ。


「ディーゼームーくーん」

「何だ……」


 ディゼムが玄関の扉を開けると、そこには声の主、ホウセがいた。

 彼女は半眼で笑いながら外を指さして、言う。


「見た? アケウがファリーハとお出かけしちゃったよ?」

「下世話だなお前も……いいじゃねぇか当人同士好き合ってんならよ」


 呆れつつそう告げると、彼女は眉を吊り上げてディゼムを罵った。


「バカ、分かんないの!?」

「だから何がだ!?」

「か~っ、ちょっとプルイナ、何とか言ってよこの子に!」


 ホウセがそう言うと、部屋の隅に佇む黒い鎧が、赤い眼窩を明滅させながら音声を発する。


『自分の口から言うべきでしょう』

「ひ、人の心の分からん奴めぇ……」


 プルイナに対して怨嗟の声を漏らす、ホウセ。


「…………」


 ディゼムは彼女の意図を察しつつも、自分からそれを口にするのは憚られて、別のことを口にした。


「……あー、その……多分お前が言わせようとしてることとは違うと思うんだけどな?」

「なに」


 ホウセは半眼で彼を睨む。

 ディゼムは気後れしつつも、言葉を考えつつ口にした。


「……お前がメイエに溶かされた時、俺もまぁ、驚いたっつうか……

 割とすぐ元に戻ったから、そういう言葉をかける余地が無かったつうか……

 その間中、心配はしてた。何も言わなくて、悪かった」

「それもあるけど! それだけじゃなくてさぁ!」

「……その」


 言い募るホウセに、彼は観念して、提案した。


「俺らもどっか、出かけるか……?」

「……!」


 ホウセが目を丸くしつつ、赤面する。分かりやすいほどに。

 彼女はそれを誤魔化すようにして、もじもじと身体をひねった。


「し、しょうがないなぁ~……どこ行きたい?」

「……とりあえず、うるさくねぇとこかな……」

『いってらっしゃい』


 連れだって玄関を出る二人を、黒い鎧が見送ってそう言った。

 お疲れさまです。これにて第六章終了です。

 天空に浮かぶ巨大都市、ウィッシェルに向かったディゼムたち。

 そこでは魔術で生成された意思が統治する、高度な文明が運行されていた。

 しかし、その都市には重大な秘密があり――次章『魔王、誕生』。

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