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#040 : 酒場決戦☆ばーか連打で村が揺れる

そして数分後……

私は酒場の外で冒険者の男たち3人と対峙していた。


サクラ「ほら?本気でかかってきなさい。4人同時でも良いわよ。」


エスト『お姉ちゃん?4人て……それ私も対象になってない?』


サクラ「……。」(エストを見てから無視)


エスト『お姉ちゃん……?』


エスト様が震えながら私を見る。


サクラ「わかってます。殺しません。自信満々の男のマウントを取って憂さ晴らしをするだけです。」

「そして小娘……貴様の命のマウントもいただくからな……?」


スッ……(刀を少し抜く)

……キィン!!(鞘に収めた)


これは金打。

刀身を鞘に打ち付けることで「必ず成し遂げる」という武士の誓いを立てる作法だ。

つまり、エスト様の命は確定である。


エスト『なんか怖い音したけど大丈夫だよね?』


男1「何をごちゃごちゃ言ってんだ?」


サクラ「はぁ……いいからきなさい。」


私は溜め息を吐きながら おいでおいで のジェスチャーをする。


男1「ふ!ふざけやがってー!」


男が剣を抜き、斬りかかってきた。


男の動きはとてもゆっくりに見えた。

スキル 神眼 の効果だろうか?


私は男の斬撃を指で挟んで止めた。


サクラ「遅いし軽いわね。ほら?次は?」

「おい?そこの小娘?お前もだよ。来いよ?」


エスト『ロックオンされてる!』


その掴んだ剣を離して微笑みながら言った。


しかし、男の動きが止まってしまった。


男1「う……うぅ……」


エスト『私も標的に……逃げた方が良いかな……』


エスト様がキョロキョロしている。


サクラ「あれ?来ないの?まさかもう終わり?」


男1「そ、そんな馬鹿な!う!うわああああああ!」


格の違いに気付き、追い込まれた男はその場でうずくまってしまった。


どうやら仲間の2人も戦意を喪失しているようだ。


男1「……くっ……くそっ!」


サクラ「なんだ。終わりか。参考までに私のレベルを教えておきましょうか。」


サクラ「いいですか?私のレベルは53万です。ですが、もちろんフルパワーで戦う気はありませんからご心配なく……」


男達「「「な……あ……あぁ……」」」


エスト『お姉ちゃん、その数字どっかで聞いたことが……』


村人A「53万だと?馬鹿な……そんな戦闘力が……」

村人B「スカウターが壊れてるんじゃないのか?」


冒険者達とエスト様は膝から崩れ落ちた。

53万なんて嘘に決まってるだろ。


私はゆっくりと冒険者達に歩み寄り見下ろしながら口を開いた。


サクラ「ふん。さっきまでの威勢はどこにいったのやら。」


冒険者たちは声も出せず、ただうつむいている。


サクラ「冒険者とか言ってたけどさ?その実力じゃ採取クエストしかできないんじゃない?」


一歩踏み出して、見下ろすように続けた。


サクラ「冒険者とか名乗るの、やめたら?」


サクラ「“採取クエスト専門家”って名乗った方が、仕事も増えると思うのよねぇ?」


エスト『わぁ……もう止まらない☆』


サクラ「あ、でも外はモンスターでいっぱいだから、あんまり遠く行っちゃダメよ?」


にやりと笑って、肩をすくめる。


サクラ「困ったら雇ってあげても良いわ。声かけてねー?」


スッ……(真顔)


サクラ「ばーかwww ばーかwww」(軽くジャブ)

「ばぁぁぁーかぁぁぁッ!!!」(耳をつんざく金切り声)


(沈黙。真顔で見つめる)


サクラ「……ばぁ……か……」(耳元で囁く)


エスト『音量差!怖っ!!』


男1「く……くううううぅ…」


男は地面を叩いて悔しがっていた。



村人A「み、見ろよ、あれが“胸のない怒り”だ……」

村人B「怖ぇ……でも目が離せねぇ……」

村人C「今夜は酒が進むな!」

老婆「まぁまぁまぁ……立派な角……(胸は見ない)」



サクラ「あーバカの相手疲れたわー。さぁ行きますか。……ふぅ………。」


私はゆっくりと冒険者達の元をあとにした。


スタスタ……


でもすぐに冒険者達の元に駆け寄り……


スタタッ!!(戻ってきて)


サクラ「バァァカッ!バカ!ばぁかっ!ばーっかっ!wwww」(ラップ調)


エスト『なんでビート刻み始めたの!?』


男1「ぐううううう……」(地面を転がり悶絶)


エスト『お、お姉ちゃん……もう、いいよ……?』


サクラ「何?小娘?聞こえないけど?」


私はにっこり笑って、しゃがみ込み、地面の男の目を覗き込み……


サクラ「ばーか……(笑顔)……バカァアアアアア!!」(顔面至近距離で爆音)


男1「ぎゃあああああああ……」(地面に頭を打ちつける)


サクラ「ふぅ……今日はもう、いいかな?」(満面の笑み)


エスト『この人は絶対友達いない……』


村人A「お、おい……あれは魔法じゃない……呪いだ……」

村犬「キャン…(精神的ダメージ)」

通りすがりの吟遊詩人「……今の光景、歌にできるな」


◇◇◇


そして、エスト様が何か思いついたようにキョロキョロして言った。


エスト『ふふん☆ ……震えるがいい、人間たち!』

『これが我が眷属・サクラお姉ちゃんの力なのだー!』


(静寂)*誰も聞いてない


(戦闘体制のカマキリ)


エスト『……え?誰かリアクションして?』



サクラ「さぁてと。食事の続きをしましょう♪あー!スッキリしたッ♪」


サクラ「……あ、それから棺を買いに行きましょうね♪子供用のサイズがあると良いなぁ?小娘ぇ!?」


エスト『お、お姉ちゃん!これからも仲良くしようね!?』(超汗)


── その後の食事はマウントにマウントを重ねる事によって生成されたスパイスが上乗せされ、格別だった。


◇◇◇


……その様子を、村の片隅で見ていた青年が、ぽつりと呟いた。


青年A「あの人……強いだけじゃない。なんつーか、悔しいけど……惹かれるんだよな」


青年B「ツノ生えてて、胸ないけど……くそ、かっけぇな」


青年A「お前、惚れてんのか?」


青年B「いや…怖い…でも…なんか…追いかけたくなるだろ」


(つづく)


◇◇◇


エスト『……あのさお姉ちゃん?昨日の“棺買いに行く”って冗談だよね?』


サクラ「は?何言ってんの。もう予約済みよ?Sサイズ。在庫が心配だったからね?」(にっこり)


エスト『えええええええええ!?』


サクラ「あと、ふかふかの枕も注文済み。永眠用に。」


エスト『やめろぉぉ!』


*次回!サクラは辰夫に新しい必殺技を伝授する!?


◇◇◇


《征服ログ》


【征服度】 :1.20%(酒場マウントによりストレス軽減と支配欲微増)

【支配地域】:リンド村(実質支配継続中)

【主な進捗】:エスト様との平穏な食事タイムが“異世界あるある”イベントにより乱されるも、

       サクラが冒険者3人を完膚なきまでに精神破壊。

       圧倒的格差で黙らせ、村の治安維持に貢献(?)

【特記事項】:伝説のスキル《ばーかwww》連打が炸裂。

       村人どころか動物すらドン引き。

       ばーかwwwの歌が大ヒット。

       リンド村の治安がちょっと良くなったらしい。


◇◇◇


──【今週のおばあちゃん語録】──

『たくあんはね?干して、締めて、塩で泣かすのよ。

ああ、お爺ちゃんも良い声で泣いたわぁ……』


解説:

*漬物の話です。だがサクラはこれを“反撃の哲学”として深く刻み込んでいる。

干す=弱らせる。締める=逃げ道を断つ。塩で泣かす=とどめを刺す。

なお、お爺ちゃんが泣いた理由は今となっては誰にもわからない。

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