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一章 『再会』と良く似た『何か』 十話目

Wrote:SIA


 正確にはわからないけど駅から何時間か歩くと、リルは立ち止まって大きなお屋敷を指差し、敷地へと入っていった。

どうやらここがミア・フォルトの家らしい。立派なお屋敷だ。一昨日勝手に野宿に使わせてもらったお屋敷より、数段大きくて、でも何処か古さを感じさせるような屋敷だった。

リルが扉の横のベルをからんからんと鳴らして玄関を開こうとしたら、勝手に開いた。

「おかえりなさい!」

出てきたのはリルと同じくらいの年頃の女の子だった。金色の髪の毛を腰元まで伸ばして頭には小さなリボンを乗せ、リルとお揃いのようなドレスを着て腰には見慣れない風貌の柄の剣を帯びている。

リルは微笑みを浮かべて何か文字を描きながら、頷いた。

「リル……あぁ……こんなになってしまって……」

女の子がリルに目を向けると、一瞬で女の子の様子が一変した。

なんか、最近こんなのばっかだなーと思う。少し慣れてきた。きっとこの子も魔法使いなんだろう。そうすれば納得がいく。

女の子はリルの右手を取りながら、私に言った。

「はじめまして。ようこそおいで下さいました、シンシアさん」

シンシア?

「あ……はい、はじめまして……」

そういえば、私は直接的に自分の名前を思い出したわけじゃなかった。

『シアと呼ばれていた』事を思い出したから今までシアと名乗っていたけど、例え見知らぬ他人からでも呼ばれるとシンシアというのが本名のように思えてくる。

でも、そうだとしても何でこの子は会ったことも無い私の名前を知っているの?

「私はサヤと申します」

「……シアです」

世界一有名とか噂されているミア・フォルトの家の人間だ。もしかしたら、予知とかなんかそんな魔法で私が来る事も私の記憶ももうわかっているのかもしれない。

リルはサヤの手を取ると、二人で両の手を握り合う形になって、目を閉じて呟いた。

「『エンゲージ』」

……婚約?

二人は目を開いて手を放すと、私に似向き直った。

「そちらでお掛けになってお待ち下さい。今、ベルクを呼んできます」

「ありがとう」

丁度、歩き疲れていたところだ。サヤの勧めてくれるがままソファに座った。

サヤは向こうへ行ってしまうようなので、私の傍に残ったリルに聞いてみる。

「ねぇリル、サヤも魔法使いなの?」

これで魔法使いなら、私の一般人と魔法使いを見分ける方法はかなりの信憑性を帯びてくる。

それを見越したように、リルには聞こえないフリをされてしまった。

この屋敷に入ってから、全体的に何か心を見透かされているかのような気配がする。

そういえば、この屋敷にはバリケードが無い。やっぱりあの家は別宅で、こっちが家なんだろう。

「シア……!」

あれこれ考えていると、名前を呼ばれた。

振り返ると屋敷の中の階段の上から、知らない黒髪の男の人が降りてくるところだった。

「……誰?」

わからない。多分会ったこと無い人だ。

「シア……シア……いや……サヤ。シアの相手は任せた」

「……はい、わかりました」

何度か、『何て声を掛けたらいいのかわからない』というような感じで私の名前を呼ばれた。

記憶喪失になる前に会った事のある人なんだろうか?

……思い出せない。

男の人はリルの手を取ると、足早に階段の上へと戻っていった。

……何がしたかったんだろう。

全然わからない。

「えっと……」

取り残されたサヤに、話しかけてみる。

「何のお話をしましょう?シンシアさん」

呼ばれ方が、引っかかる。先ずはそこからにしよう。

「シンシアって……私の事?」

「はい」

サヤは小首を傾げた。

「サヤは、私の事を知ってるの?」

いきなり核心をついてみる。

「そうですね……シンシアさんの事を話に聞いた事は、ありました。そういう意味では知っていましたが……初対面です」

よくわからない返事だ。私の知り合いの知り合い?という事なんだろうか。

とりあえず

「その、シンシアさんっていうの……慣れないから、シアって呼んでほしいな」

「では、『シアさん』と呼ばせていただきます」

この子は物腰も穏やかだし、あまり人を呼び捨てにするタイプじゃないらしい。妥協する事にする。

「ええと……サヤは私の事を何処で聞いたの?誰に?」

サヤは怪訝な顔つきになった。

「昔ここで、ミアに聞きました。リルがシアさんを連れてくる事は、ベルクに……何故、そんな事を気にするんですか?」

ミア。ミア・フォルトの事だろう。間違いない。やっぱりここは、あの街で有名だったミア・フォルトの家なんだ!

「や……実は私、記憶喪失で……その、シンシア?って名前も覚えてなかったの」

サヤは目を見開いて驚いた。

「……自分の名前すら覚えていなかったんですか?それでは、ミアは……ミアについてはシアさんはどれだけ覚えていますか?」

まるで、怒ったように。

「え……っと、確か世界一有名な魔法使いとか、200年前に伝説の魔物をやっつけたとか……あ、この家がミア・フォルトのものだとか?」

「……まさか、シアさんはミアの事を何も覚えていないんですか!?」

荒げたサヤの声は。彼女が握った拳は、震えていた。

「そんな……ミアは、どれだけの思いで、貴女を……」

わけがわからない。わからないけど……今、多分、私は彼女を傷つけた。それは、わかった。

「ごめん……ミア・フォルトの事は、それくらいしか知らない……」

「いえ……こちらこそ取り乱してすみません」

サヤは申し訳なさそうにうなだれた。

「記憶喪失だなんて……大変でしたでしょう?」

「や、えーと……割といろんな人に助けて貰ったし、すぐにリルと会えたからそんなに……かな?」

これは、本当の事だ。

「そうですか……それは何よりです」

サヤは元気が無い。私がミアについて何も覚えていなかった?事が、余程ショックだったらしい。

彼女の中では、私がミア・フォルトについて詳しく知っている事が前提……つまり、私はミア・フォルトの知り合いか何かだったらしい。

世界一有名な魔法使いと私が、知り合い?

そんなばかな。

「……この流れで聞くのもなんなんだけど……リルはミア・フォルトの娘さんなんだよね?サヤもそうなの?」

サヤは目をぱちくりとさせた。私から目を逸らして、口に手を当てて考える。

「……娘、と言えば娘にあたりますが……私達とミアの関係を説明すると長くなります。ですが、私とリルはれっきとした姉妹です。」

なかなか要領を得ない。何か、確信をぼかされているような返事だ。

「サヤとリルは二人姉妹なんだ……どっちがお姉さんなの?」

「いえ、妹にあたる存在はもう一人居ます。リルと私とでは……若干、私の方が先に造られたので私の方が姉と言えますね。一番下の娘は……今は旅に出ているようで、連絡がつきません」

サヤはにこりと微笑んだ。

……や、造られたとかまるで物か何かみたいな言い方されても困る。

それでも、リルがサヤの妹だという事はわかった。

ずっと気になっていた事を聞いてみることにする。

「ええと……っていう事は、リルはサヤの妹なんだよね。何でリルは喋らないんだろう?初めて会ったときは、ちょっとだけ喋ってたような気がするんだけど……私、文字が読めないからリルと殆どお喋りできなかったんだよね」

サヤの目が、すっと……細くなった。

まずい事を聞いてしまったらしい。

話題逸らしに、さっさと別の事を聞いてみる事にする。

「や、えっと……じゃぁ、この家に、ミア・フォルトが居るんだよね?」

サヤは少し考えるとどちらの質問にも答えず、先ほどよりも静かな口調で、提案してきた。

「一つ、ゲームをしてみましょう」

「ゲーム?」

どうやらこの子も例によっておかしな子の一人のようだ。魔法使いは変わってる人ばかりらしい。

質問されたらぱぱっと答えて、それでおしまい。一件落着。それで良いじゃないか。

それでも一応、聞いてみる事にする。というか、聞く以外に選択肢が無い。

「仮に……の話ですが。仮に、ミアがこの家に居ると。そう仮定します」

「仮定の話なの?」

「ええ、仮定の話です。『屋敷の何処かにミアが居る』と。そう考えて下さい」

「うん」

考える。屋敷の中にミア・フォルトが居る。考えた。元々そう考えていたから、難しい事じゃない。

『この屋敷の壁をぶち破って、いきなり汽車が飛び込んでくる所』みたいな、突飛な話じゃない。ごくごく普通の仮定話だ。

「シアさんがミアの居る部屋を一つ選んで、その部屋にミアが居ればシアさんの勝ち。リルが喋らない理由を教えて差し上げる事を約束します。その部屋が空だったら、シアさんの負け。リルの事が気になるのでしたらベルクにでも聞いてください。彼ならきっと答えます」

サヤは、にこりと笑った。

「……わかった」

私は、引きつった笑顔を造った。

サヤはリルについて何も教える気が無い事が今、よくわかった。

外から見た全景があんなに大きかったお屋敷だ。

普通に考えて、部屋の数は10や20ではない。

その中の一つから、ミア・フォルトの現在居る部屋を一つ見つけ出す。

それも、予備知識無し。もし彼女の部屋の印なんてあっても、多分私じゃ字を読めない。

そんなに喋りたくなければ素直に秘密と言えば良いのに。それで私が納得するかどうかは別として、このゲームは明らかにアンフェアだ。

それでも、乗りかかった船。どうせ話す気の無い相手なのだからゲームを取り消しにして口を割らせる事は出来ないだろうし、逆にそれで唯一の機会を失う事にもなりかねない。

……別に、他人の秘密を暴くのが楽しいってわけじゃないんだけど。

「ここだと思ったら、どんな部屋でも開けていいの?」

一応、ルールの確認をする。

「ええ。どの部屋でもかまいません。ただし、一度限りなので慎重に」

言質を貰った。怪しい扉を開けて、『この部屋を開けたせいで伝説の魔獣が~』なんていわれても、私のせいじゃない。

世界一と言われる魔法使いの屋敷だ。そんな開かずの間があっても不思議ではない。

そうすると、ちょっとした博物館見学の気分だ。ちょっとだけ恐いけど、好奇心の方が勝る心境。

私は、ソファから立ち上がった。

「ようし、頑張ってこう」

勝負だ。



 私はまず、広間から階段の上の方に向かった。

理由なんて得に無い。強いて言えば、泥棒が窓を割って入れる一階よりも、侵入し難い二階の方が珍しい物がありそうな気がしたからだ。

「賭けをするとしたら」

迷わず階段の方に向かった私についてきながら、サヤは呟いた。

「私は、シアさんが勝つことに賭けます」

「……心理戦?」

白々しい。

「本心ですよ」

サヤは、邪気を感じさせない笑顔で答えた。あまりに良い笑顔過ぎて、表情が読めない。

彼女の言葉の意図が読めない。私のペースを乱して判断を鈍らす魂胆?

「そうですね、シアさんが全てを忘れていなかった場合……金貨を何枚出してでも釣り合う、とても割の良い賭けです。勝ち試合です」

サヤは、可愛らしく両の掌を合わせたて微笑んだ。

……というか、こんな小さな女の子にゲームとか賭けとか言わせるなんてミア・フォルトはどんな教育をしてるんだろう?

妹は無愛想で喋らなくて野宿癖。姉は愛想良くて喋るけど、時々ぽろりとゲームとか賭けとか不穏なキーワードが目立つ。

この分だと、一番下の妹というのも何か怪しいものがあるのかもしれない。会ってみたいけど会ってみたくない。

廊下を見ると、ずらっと部屋が立ち並んでいる。

右か、左か。少し迷う。

心理戦には心理戦だ。乗ってやろう。

「サヤはどっちに行くのがお勧め?」

サヤは少し目線を上に上げる仕草をした末、肘は腰元につけたまま、手首から先を曲げて人差し指で方角を示した。

「右です」

「じゃぁ右にしよう」

「……私を信じない流れじゃなかったんですね……」

サヤは何やら複雑そうな表情をした。なんとなくだけど、このゲームの結果でサヤの人柄がわかりそうな気がする。

彼女がペテン師かどうか。

どうせゲームは私が負けるんだから、本命はこっちに移っている。

「じゃぁ、次はここからいくつ目のドアが怪しいと思う?」

「……好きなドアを開けたら良いと思います」

流石に警戒されてしまったようだ。

仕方なく、適当に廊下を歩く……と、近くで何か物音が聞こえたような気がした。

「何か、今、聞こえたよね?」

「はい、私も聞こえました」

音のした方のドアの前に立つ。

「サヤはこのドアの向こうが怪しいと思う?」

「そうですね、怪しいです」

サヤの返事を確認して、私はドアを開いた。

「……やっぱり私を信じない流れじゃないんですね……」

サヤの声は殆ど耳に入らなかった。

ドアの向こうの光景に、我が目を疑う。

一旦、ドアを閉じてまた開いてみようかとも思ったけどやっぱりやめた。

「な……何してるの!?」

思わず大声を上げてしまった。

そう。

私も、14歳だ。耳年増ではないけど、人並み程度にはその手の知識もある。

何してるか本気でわからないわけじゃない。

先ほどの黒髪の男の人が、半裸のリルに馬乗りになって、嫌がるリルの胸を触っていた。

男の人は私達に気付くと、リルの上から降りて私達に近づいてきた。

「ああ……サヤにシア。丁度良かった。ちょっとシアの方も診たいんだがっ!?」

「こっち来るな変態っ!」

男性に向かって、手元にあった適当なツボを投げつけた。

「……このツボ一つで金貨1枚近い価値あんだが……」

半ば事も無げにツボを受け止めた男性は、半眼でツボと私達とを見比べた。

「え……それはごめん」

「いや嘘なんだけどな」

男の人は、ごとりとツボを足元に置くいた。

なんか腹が立った。

「どうすればそんな状況になるんですか……」

サヤは呆れた顔をして黒髪の男の人の傍をすり抜けると、リルの方へ向かった。

「大丈夫?リル?」

シーツでリルの身体を覆いながら、サヤが問いかける。

それすらおぼつかないない様子で、リルは微かに頷いた。

「あんな小さい子に何してたのよ貴方」

私は、思いっきり黒髪の男を睨み付けた。

「治療だ」

「……『嘘つけ』、だそうです」

リルの発言の翻訳が飛んできた。第三者がいるとリルの言葉がダイレクトに聞けて楽だなー、と思った。

「話をややこしくすんなって」

黒髪の男は髪の毛をぼさぼさと掻きながら言った。

「えーっとだな、シンシア……先ず、誤解していそうだからもう一度言うと、さっきのは治療だ。患者が子供のように駄々をこねたから押さえつけていたに過ぎない。通じたか?」

「通じるわけないでしょ!?あんな小さな子裸にして力づくで押さえつけて、む……胸とかなんか触ったりして!この変態!近寄らないで!」

リルは肩を震わせて笑い、サヤは苦笑し、黒髪の男は苦々しい顔をした。

何やら、リルとサヤは別段先ほどの状況を問題視していないらしい。それはそれで、かなりの大問題だ。

「いいかシンシア……俺は。司教で。聖職者で。こいつらの専門医だ。」

「世の中には年端も行かない少女にヨクジョウする変態も居るから気をつけろってお父さんも言ってた!」

私は、この子達の為にもここでこの男を説き伏せないわけにはいかない。

こんな変態的な行為が日常的に行われているのだとしたら、見過ごすわけにはいかない。

最悪、この男をふんじばってこの屋敷の主人が戻ってくるまで監視しておくくらいはするべきだ。

「そりゃまた教育熱心なお父さんだな……てか記憶喪失だったんじゃないの?」

「今思い出したの!」

「成る程……必要に応じて思い出せるわけだ、ようは」

黒髪の男は、人差し指を曲げて口元に当てながら、何か考え始めた。

「……なんでベルクがシアさんの記憶喪失を知ってるんですか?」

「一応聞いてた。楽しそうな事してたね二人で。どうせ教えるつもりなら意地悪しないで教えちゃえばいいのに」

この男はベルクという名で、物凄い地獄耳らしい。

「……一応、シンシア。君の事も診察したいんだが?」

「嫌!絶対嫌!」

「まぁそう言うと思った。誰か助け出してくれよ」

「えっと……『自業自得、断頭台に出頭して情状酌量を狙ってこい』」

男―ベルクが振り返ると、リルはいつもより小さい動作で文字を描いて、サヤが私にもわかるように通訳してくれた。律儀な子らしい。

「ひどいな、おい」

被害者本人はベルクを許す気が無いようだ。

「普通、あんな場面を目撃した後は誰だって引きます。嫌がります」

「そもそも男の前で服を脱ぐなんて絶対嫌!」

「サヤも案外容赦無いな……まぁ男の前が嫌なら、丁度良い」

ベルクは目を閉じて何事か聞き取れない言葉を呟くと、光と煙を発した。

「じゃぁ……これなら、文句無いか?」

煙が晴れると、ベルクの姿は無くなっていた。聞こえてくる声も、ベルクの物ではない。子供の声だ。

彼の代わりに、ベルクの先ほどまで着ていたぶかぶかの外套を着た、私と同い年くらいの女の子が姿を現した。

肩に掛かる辺りで切ったクセのある金髪に、青い穏やかな瞳。整った顔立ちに、少し大人びた雰囲気。

この子を、私は知っている。

「これなら男に見えないし、問題ないでしょう?」

私は、あの子を、知っている。

頭の中で膨大な情報が流れ出した。

なんで、今まで思い出せなかったんだろう?

「ミアじゃない人がその姿で喋らないで!」

思い出した。

ミア。

ミアだ。

あの子は、ミアだ。

掌でその顔を叩こうとしたら、手を掴まれて止められた。

「失礼ねぇシア……私もミアよ?」

問答無用でもう片方の手を出したら、そっちも掴まれる。

片腕を止められた段階でそれは予想できてたのでわき腹に全力で蹴りを入れたら、向こうには予想外だったのか綺麗に入った。

「ごふっ」

『ミアの姿をした男』は、派手に倒れるとげふげふとお腹を押さえながら咳き込んだ。

「今のはベルクが悪いです」

サヤに同意するように頷きながら、リルが何事か文字を描く。

「……『悪趣味』、だそうです」

サヤの通訳でリルが何を描いたかをを知る。

「まぁ、シンシア?俺がミア・フォルトと呼ばれてるのは嘘じゃないんだ」

彼女の首飾りから、また煙が噴出して光が発せられると、ミアの姿をした「誰か」が、ベルクの姿に戻る。

やはり、ベルクがあの子に化けていたらしい。……魔法って何でもありなんだな、と思った。

「……ただし、俺は八代目だが」

その時の私には、その言葉の意味が、わからなかった。

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