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真・恋姫†無双 魏譚  作者: 灰善
2/7

冷静に、冷静に

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__________________

_________




「…一刀の体調不良の件については知っていたわね?」


ようやく落ち着きを取り戻した華琳はその場に居る者に確認するように問いかけた。


「…はい、医師に診てもらっても原因が分からず仕舞いだった、とは聞いていますが…何か関係があるのですか?」


まずこの問いかけに答えたのは秋蘭。


「それは今から話すわ…。…他の者は何か別に知っていたことはあるかしら?」

「「…」」


「…どうやら秋蘭が知っていた事とあまり違いはないようね」



 それもそのはず。一刀は自分の身に起きている異常のことについては魏の皆に全くと言っていいほど説明していなかった。

中には一刀本人に問いただした者もいたのはいたのだが…一刀は「大丈夫だよ、たまにあるだけだから心配しないで?」などと誤魔化すばかりで詳しい話をしていなかった、…むしろその話題を避けている節さえ感じられる程だ

まぁもっとも…風と華琳には殆どバレていたようなものであったが。



「さっきは一刀が天の国に帰った、という言い方をしたけど…正確に言えば『この世界から追い出された』という言い方が正しいかもしれないわね」


「世界から追い出された…?華琳様、どういう事ですか?」


ここで口を開いたのは意外にも桂花だった。その表情は今の説明の意味が分からないといった所だ


「一刀は天の国の知識で…この国、この世界の未来を知っていたそうよ。例を挙げるなら…最初に秋蘭、春蘭と私が一刀出会った時に、名乗ってすらいなかった『曹操』『夏候惇』『夏侯淵』という名や…誰にも教えていなかった『魏』の国名を知っていたこと、定軍山での出来事がその例ね」

「…そういえば、北郷は私たちの名を既に知っていた様でした」

「定軍山での事に関しては北郷に感謝してもしきれません…、もし北郷の言葉が無ければ私は定軍山で討たれていたかと…」


本来の史実では、夏侯淵は定軍山にて黄忠に討たれる――――それが世界の一つの流れだった筈なのだが、一刀が体を張って秋蘭の危機を伝えてくれたため救出することが出来、秋蘭が討たれることは無かった。


「一刀は予め知っていた知識を持って、秋蘭。あなたの危機を知らせた…そしてその後に倒れたわ。『それがお兄さんが天の国に帰ることになった理由の一つなのですよ~』……」


「華琳様、風にも説明をさせてくださいー」



「……そうね、あなたにも説明を手伝ってもらうわ。…おそらくあなたの考えと私の考えは同じでしょうから」


風は一刀の体の異変を見抜いていた

一刀は覚悟を決め、誇りをもって存在を賭けて歴史に抗い魏を勝利に導いた

実際、一刀の知識が無ければ魏の勝利は無かったとさえ言える。なぜなら最後は赤壁にて魏は敗れる……本来、世界の流れはそうなる筈だったのだから

風は一刀の体の異変は偶然起こるわけではない事に後に気付いた。一刀が体調を崩し倒れる時は決まって『天の国の歴史に関すること』を発言した時だけだったという事に気付いた為だ。

しかし…このことに気付いたのは一刀が天に帰る少し前、赤壁での戦いが終わった直後の事である


「お兄さんは偶発的に体調を崩していた訳ではないと風は思うのです。お兄さんが体調を崩したのは全部『この国の未来に関する事』を言った時だけだったのですよ」

「おそらく風の言う通りね。私も風と同じ事を考えていたわ。一刀は、定軍山や赤壁での戦い等で未来の知識を使い、危機を退けた時に限って体調を崩したのだから」

「実質、風達はお兄さんに命を救われていたという訳ですね~」


「華琳、…っちゅーことは、ウチらの未来は既に決まってて、本当なら魏は赤壁で負けてた……んで一刀はそのことを知ってたってことなん?」

「…そうね、一刀の言葉が無ければ私たちは定軍山で秋蘭を失い、赤壁で確実に負けていたでしょうね」

「んなアホな話があってたまるかい…!それに一刀がその知識を使うことと倒れることに何の関係があるんや!?」


霞の言はもっともだった。本人たちからすれば…自分たちの意志とは関係無く未来は最初から決まっていた、ということになる

普通なら到底信じられない話な上に理不尽過ぎるにも程がある


「霞の言うことはもっともだけど…以前、許子将という人物に出逢った時一刀はこう言われていたの…『大局には逆らうな、逆らえば身の破滅』、とね」

「「…!」」


「大局…身の破滅…?どういう意味だ…秋蘭?」

「……運命に逆らえばその身は破滅する、ということだろう…」


「で、ですが華琳様!そのような得体の知れない人物の言葉なんて…」

「……最初は私も一刀もただの戯言だと適当に受け取っていたのだけれど……一刀が消える時、その言葉の通りだったことを知ることになったのよ桂花」



大局とはこの時代のこの国の者にとっては未来、一刀にとっては歴史…それを現していた



「お兄さんは天の国――『未来』からこの世界に舞い降りた、ということなのだと思います。そしてお兄さんにとっての遠い過去…歴史として存在していたこの時代に介入し、歴史の流れを変えてしまった為、許子将という方の言う通り身の破滅……天の国に帰ることになったのだと思いますー」



風が分かりやすく説明してくれた内容は一刀が居なくなったことをその場に居た者達を納得させることが出来た。

あまりの事実に言い返すこともできない、…霞に至っては顔を俯かせ……何も言う事が出来なかった







そんな時、沈黙に包まれ静まり返った玉座の間に野太い漢の声が響く


「―――――――――よくぞそこまで答えに辿り着くができたのう、さすがは覇王とその軍師であるか」

「「!」」

「ぬゥん!」


「誰!?!姿を見せなさい――――《ドォォォオォン!》!?」


どこからともなく聞こえたその声に皆が驚きつつも華琳が声を上げた時、円の形に集まっていた将達の真ん中に……化け物が降ってきた


「我が名は卑弥呼!愛しき人を失ったうぬらに伝えることがあってここに参上した!」



…ボディビルダーがとるポーズ…ラットスプレッドのポーズで名乗りを上げる筋肉隆々の化け物に将達は一瞬呆気にとられた


「「「き…きゃあああああああああああああああああああああ!!!!!!」」

突然現れた変態に叫ぶのは軍師達(風を除く)と華琳


「華琳様!曲者です!下がってください……気絶している!?」

「姉者!こいつ…隙が無い!ただの曲者ではない…!」

「流々!華琳様に近づかせないようにするよ!」

「うん!」

「風様達は下がってください!……沙和!真桜!こいつを囲め!取り押さえるぞ!」

「分かってるの凪ちゃん!」

「了解!」



突然現れた漢。だが例え一刀が居なくなり心に穴が開いていたとはいえ…乱世を駆け抜けた猛将達である。彼女たちはすぐさま警戒態勢をとり卑弥呼を取り囲んだ――――――


ただ一人、霞を除いて




「霞!何をしている、取り押さえるぞ!」

「――――ん」


「…霞?」



秋蘭が霞にそう声をかけた時…霞が何かを呟いた



「―――――…こちとら今イラついてんねん、こんな時に現れおってから……ちぃと黙れや、おっさん」


皆に聞こえる声でそう言った瞬間…霞はまさに神速と呼べる速さで卑弥呼に切りかかった




―――が、飛龍偃月刀の刃は卑弥呼の人差し指と中指に挟まれ、その刃が卑弥呼に届くことは無かった



「なっ・・!?」

「少しは儂の話を聞けい…。言っておくが儂はうぬらと拳を交えるために来たのではないのだぞ」


「……この男の言う通りよ、霞。警戒するのは当然だけど冷静になりなさい」

「…チッ……すまんかったわ、少し頭冷やすわ」



霞はそう言って飛龍偃月刀を下げた

しかし霞は自分の一撃をああも簡単に止められることに内心驚いていた

それどころか指に挟まれた状態で飛龍偃月刀を押すことも引く事もできずまったくと言っていいほど槍を『動かせなかった』


(ウチの槍を指二本で受け止めて…さらにはそのまま離さず固定するやと…?)


普通に考えて常人にできることではない。それが自分の本気の一撃であるならばなおさらだ

よく見れば先程からおかしな立ち方をしているが…ずっと隙が全く無い、どこに斬りかかっても簡単に返される想像すらできる

……自分はそんなに弱いつもりはなかった。が、戦う前から圧倒的な力の差を感じさせる相手と対峙したのは恋を除いて初めてのことである



…そんな卑弥呼の姿を確認しつつ霞は警戒しながら少し後ろに下がった




「…ハッ!?…そ、それで?さっき愛しき人を失った私たちに伝えることがあると言っていたけどどういうこと?」

「まぁそう焦るでない、しっかり説明する故、落ち着け曹操よ」


意識を取り戻した華琳は内心焦りを覚えつつも卑弥呼に問うが、やんわりと卑弥呼に宥められた


「かか、か華琳様!?こんな変態早く追い出しましょう早く!《ガタガタガタガタ》」

「誰が筋骨隆々ゴリゴリマッチョのむさくるしい犯罪を犯しそうな変態だとおおおぉぉおおぉお!??」

「言ってないわよ!被害妄想も甚だしいし自分でよくわかっているじゃないの!」


「……私も正直こんな出で立ちの人物と話していたくないわ…!でも、どうやら一刀のことについて何か知っているみたいよ。追い出すのは聞くことを聞いた後よ桂花」

「うむ!曹操は話がわかるではないか!このままでは話が進まぬし…それではこの可憐なる巫女、卑弥呼が教えて進ぜよう!」


(…以前服屋で見た化け物と似た物を感じる…!)


華琳は以前魏国の服屋にて貂蝉に出逢っていたのだが…封印していた記憶が今ここにきて呼び起こされた

…しかしこの後の卑弥呼の発言にそんな記憶は再びどこかへ飛んで行った






「それではまずは簡潔に述べよう…――――――…



北郷一刀、あやつはここに戻って来ることができる」





卑弥呼の発言に彼女たちは目を見開いた

すみません、シリアス展開をある程度続けようと思ってたんですが耐えられませんでした。

どーも自分の性格的にシリアス展開は長続きさせられなかったよ…

これでよくわかりました、私にシリアスはまったくと言っていいほど向いてなかった様です

…おそらく今後もシリアスをいきなりぶち壊す可能性が高いですができれば許してェ…



そういや戦国恋姫終わらせたんですけど戦国恋姫をプレイしている最中、恋姫無双の世界に戻りたくなる時が多々あって困りました。というか戻るだろうなって確信してたんですけどね?

戦国恋姫が面白くなかった訳じゃないんですよ、むしろ楽しかったし姫野可愛すぎて鼻血でそうでした。だって可愛いし声がすっごい好きな人だったんですもん…紗凪さんの声だったからテンションがゴリゴリMAXだったんです。あと幽と桐琴さんが個人的に好きですね。

………桐琴さん…


そして戦国恋姫終了後、自分の予想通り恋姫無双を現在プレイ中です。

いやぁ…なんか感慨深いですね。戦国恋姫の冒頭にも一刀や凪、愛紗とか出て来てテンションブチ上がりでしたもん。ああいうのはファンにとって嬉しい限りですね



今回はシリアスぶち壊しでしたが如何でしたでしょうか

未だに彼女たちの喋り方などに苦労していますが生暖かい目で見守ってください

続きは切りが良い部分まで書き上げることができたら投稿します

…要するに不定期更新ですごめんなさい…


それでは失礼致します、ありがとうございました!

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