011 拠点作成
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洗浄を行使する直前で私は思いとどまり、ある事を思い付いたのだ。
そう、それはお風呂である。
目指す山麓にもだいぶ近づいてきている。
探知で確認しても魔物やモンスターが近くに居ないことは確認済みである。
それにしても探知を眺めていると今回も隅っこの方に黄色の印が幾つか見え隠れしている。
そんなに隅っこが好きなのであろうか?。
少し気になったので隅っこで見え隠れしている黄色付近を拡大してポップアップが表示される。
おぉぉぉ、コレは凄い。魔物とモンスターが争っている。
探知範囲に出たり入ったりしているから偶に途切れ途切れになるけど凄い迫力だわ。
双方大型で一方がイノシシ型の魔物、もう一方がムカデみたいなモンスターである。
イノシシは肩高が2mを軽く超えており、一方のムカデも全長5m位はありそうである。
あぁ、でもイノシシの方が押されており動きが悪い。
原因はムカデに噛まれ毒の影響だと思われるが左前脚付け根の肩部から背近くが大きく腫れ上がっており動きが妨げられている様に見受けられる。
一方のムカデも所々の節足に傷があり噛みちぎられた痕や巨躯を支える蹄により踏み潰れるなどして失われている。
イノシシが突如として躰の向きを街道方向に変え走り出し探知範囲から消えてしまう。
ムカデは後を追わなかった様だが、こちらも探知範囲から消えてしまう。
どちらが相手の縄張り侵入してた事で意図せぬ遭遇戦に発展したものと思われる。
不意に覗き見ていた怪獣大決戦を考察したが、自分自身が覗かれそうな姿というか逆に色々と露出して晒していた事を思い出す。
危ない危ない、私は念願のお風呂を野外で楽しむのだ。
思わぬ大迫力映像だったので見入ってしまい失念していた。
改めて探知範囲内を確認しても範囲には危険な対象は居ない。
暫くの間は訓練や実験の予定なので拠点となる小屋を設け、風呂の併設を決意する。
しかし、小屋が周囲から丸見えとなると人が近付いてくる恐れがある。
そうなると拠点の設置は林の傍などで小屋が周囲から隠れる様に設置する事で予防する。
加えて食料確保で川魚を獲りたいとことから拠点の近くに川がある事が望ましい。
こうして拠点となる小屋設置の条件がある程度まとまったのである。
次いで探知範囲内で該当しそうな場所を探す。
そうすると先程の怪獣大決戦の現場と目指していた山麓の中間辺りに該当する小さな森といっても差支えのない場所発見したので候補地として早速移動する。
森の外からは中までは見通せず、人の手が入っている形跡のない差程大きくも深くもない森。
そして渓流が程よい近さにあり、その渓流よりも高い場所に位置している。
これなら例え渓流が増水したとしても心配する必要は無さそうである。
これならば悪くない、ここの場に拠点を構えることにする。
そうと決まれば、鉈代わりの肉厚ダガー君を失った私は風魔術で邪魔な枝や草、そして低木を薙ぎ払いマジックバックに随時収納しつつ森の中心へと進む。
程なくして森の中心地点に到着したので、小屋等の建築スペースを確保するために地魔術を容赦無く行使する。
建設予定地に生える木々を根ごと掘り出し、邪魔とばかりにマジックバックに収める。
是非もないよね。
今回作るのは前回と類似したドーム状の小屋なのだが、今回はある程度の期間を過ごす予定なので工夫を凝らすこととする。
先ずは地面を硬くなだらかに整地する。
傾きは川方向がほんの僅かに低くなるようにすることで、降雨の際に小屋の周囲が水溜りと化すことを防ぐのを忘れない。
そして小屋自体は高床式として作り出す。
前回の教訓としての細かなメッシュ状の通気孔と採光部を設けるのも忘れない。
次いで階段を設けてドーム小屋へと向かう。
だが、その壁には出入口が設けられていないのだが、私が壁に向かって進むと壁に人が通れる程の穴が開く。
地魔術で私が通る際に穴を開け、通り過ぎた後にその穴を閉じてしまう。
これなら基本的には私以外が出入りするのはかなり困難となる。
内装については拘り過ぎても致し方がないので、一先ず地魔術で寝台の基礎部分を作り出す。
その基礎の上にマジックバックから取り出した生木を水魔術で急速乾燥、次いで風魔術で切り出して木板を作りだす。
作り出した板を縦と横に重なる様に並べて簡易的なスノコを設置する。
後はマジックバック内の先程刈り取った草を魔術で乾燥させスノコの上に敷き詰める。
並べた干し草のさらに上に厚手の布を掛けることで寝床の完成である。
「簡単だけど寝床ができたので待望のお風呂作成取り掛かろうって、今更ながら物凄い格好のまま作業していたわね。」
今更なので色々と晒したままだが、気にすることなく作業を継続する。
ドーム小屋の川側に隣隣接する形で新たな高床式の厚めの土台を作りドーム小屋の床と繋げ続きとする。
新たに作成した土台の上に一回り小さい直径2m、高さ0.7m程の浴槽を作る。
浴槽の表面は可能な限り滑らかに、そして岩のように硬質化させることも忘れない。
そして浴槽土台の四隅から柱を伸ばしドーム小屋から続く様な形で屋根を伸ばして工事完了となる。
それでは念願のお風呂を愉しむとしましょうか。
一旦ドーム小屋に戻り、地魔術でちょっとした台を作成し、身に纏っていた元旅装束のボロきれなどは脱いで台に置く。
無事な白メイスやマジックバックなども同じく台の上に載せる。
フロレアールは生まれたままの一糸まとわぬ姿となり、軽い足取りで風呂へと戻るのであった。




